tag:blogger.com,1999:blog-73847343003644623142024-02-21T02:42:48.601+09:00日々の《読書録》。日々の読書ノートです。栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.comBlogger506125tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-55256717463222882872024-01-23T16:28:00.011+09:002024-02-21T02:42:18.128+09:00 ヴェルヌ著『二年間の休暇 (十五少年漂流記)』日本語訳の変遷 (2)◆森田思軒訳『十五少年』の成立 フランスの小説家 ジュール・ヴェルヌ(Jules Verne, 1828-1905)が1888年に執筆した小説『Deux Ans de Vacances (二年間の休暇)』は、雑誌『Le Magasin d’éducation et de récréation (教育娯楽雑誌)』の第553~576号(1888-1/1~12/15)に掲載されたのち、単行本はJ・へッツェル社(J.Hetzel )から、1888年6月18日と11月8日に2分冊(351+342頁)の普及版が、同年11月19日に1冊(469頁)の豪華版(挿絵92枚)が刊行された。 本邦初訳は、森田思軒(もりたしけん、1861~1897)氏によって行われた。森田氏は1896年に雑誌『少年世界』第2巻5~19号(博文館、1896年3~10月)に「〈冒険奇談〉十五少年」と題して15回に分けて栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-27745350212683736402023-12-14T04:36:00.015+09:002023-12-19T22:27:57.355+09:00ヴェルヌ著『二年間の休暇 (十五少年漂流記)』日本語訳の変遷 (1)◆原著(フランス語)の成立と、最初期の英語訳 フランスの小説家 ジュール・ヴェルヌ(Jules Verne, 1828-2/8~1905-3/24)が、60歳のときに執筆した小説『二年間の休暇 Deux Ans de Vacances 』は、フランスの編集者ピエール=ジュール・エッツェル(Pierre-Jules Hetzel, 1814~1886)が1864年に創刊した文学雑誌『教育娯楽雑誌 Le Magasin d’éducation et de récréation 』の第47巻553号~48巻576号(1888-1/1~12/15)に24回に分けて掲載された。単行本は、同(1888)年6月18日と11月8日に2分冊(351+342頁)の普及版が、同年11月19日に1冊(469頁)の豪華版(挿絵92枚)が、J・へッツェル社(J.Hetzel )から刊行された。挿絵はフランスの画家 栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-8662625081668789852023-11-05T04:09:00.009+09:002023-11-07T21:45:24.673+09:00【読了】ヴェルヌ著/私市保彦訳『二年間の休日』(十五少年漂流記)。近状も少し。 今年からしばらく守りの経営になるはずが、ありがたいことに夏休み前から程よく問い合わせをいただき、休む間もなく対応に追われていました。 お盆休みに、いずれ読もうと思って「積ん読」状態だった1冊、フランスの作家ヴェルヌの『二年間の休日(十五少年漂流記)』を手に取りました。ふだんは英語で書かれた本(の翻訳)を読むことが多いのですが、ヴェルヌのいくつかの傑作(『海底二万里』『十五少年漂流記』『神秘の島』)は例外。 一時期、ヴェルヌの小説に独特な、専門用語を書き連ねた冗長な文章に辟易し、いっそ適当に編集した簡略版のほうが良いのかもと思い、程よい長さのものを集めてみました。が、実際手にしてみるとどうも違う。結局、最新の完訳版である私市保彦(きさいちやすひこ)訳『二年間の休暇』(岩波少年文庫)に落ちつきました。ジュール・ヴェルヌ作私市保彦(きさいちやすひこ)訳レオン・ブネット挿絵『二年間の休日 上・栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-7664417744901820872023-05-15T04:25:00.005+09:002023-05-26T02:31:02.137+09:00【読了】P・L・トラヴァース著/林容吉訳『風にのってきたメアリー・ポピンズ』(原著1934年/邦訳1954年) オーストラリアで生まれ、イギリスで活躍した児童文学作家P・L・トラヴァース(Pamela Lyndon Travers, 1899年8月~1996年4月)氏が、35歳の時(1934年)に刊行された小説『メアリー・ポピンズ(Mary Poppins)』を読みました(*1)。挿絵はメアリー・シェパード(Mary Shepard, 1909-2000)氏が担当。昨秋読んだA・A・ミルン(Alan Alexander Milne, 1982-1956)著『くまのプーさん(Winnie-the-Pooh)』(1926年刊行)でも挿絵を担当されていたのは記憶に新しいところです。(*1)『 Mary Poppins 』のイギリス版は1934年1月にジェラルド・ハウ社(Gerald Howe, London)から、アメリカ版は1934年11月にレイナル&ヒッチコック社(Reynal栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-55041979907113476892023-04-26T03:42:00.008+09:002023-05-07T02:47:07.852+09:00【読了】佐藤さとる著『だれも知らない小さな国』(1959年刊行) 童話作家 佐藤さとる(1928年2月-2017年2月)氏が、31歳の時(1959年3月)に発表された傑作ファンタジー小説『だれも知らない小さな国』を読みました。昔から書名は知っていましたが、子供のころは村上勉(むらかみつとむ 1943年- )氏の独特な挿絵に違和感があって、読んだことがありませんでした。ここ最近、外国のファンタジーだけでは物足りなくなって、日本で誰か面白い作品を書かれた方はいないのか探してみたところ、まず思い出されたのが佐藤氏の「コロボックル物語」でした。村上氏の挿絵も、今では味わいのあるものに思えて来たので、とりあえず1冊取り寄せて、読んでみることにしました。 この作品は、佐藤氏が31歳の時(1959年3月)に私家版(自費出版)で100部刷られたのが初出(*)。すぐに講談社の編集者の目に止まり、同年8月に若菜珪(わかなけい 1921-1995)氏の挿絵、安野光雅(あん栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-62144572766735873982023-04-19T16:38:00.012+09:002023-05-07T02:47:48.013+09:00【読了】J・K・ローリング著/松岡佑子訳『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(1998年刊行) イギリスの作家J・K・ローリング(J.K.Rowling, 1965年7月~)氏が、1998年7月にイギリスのブルームズベリー出版社(Bloomsbury Publishing)から刊行された『ハリー・ポッターと秘密の部屋(Harry Potter and the Chamber of Secrets)』を読みました。ハリーポッター・シリーズの第2巻です。昨年2月に第1巻『ハリー・ポッターと賢者の石(Harry Potter and the Philosopher's Stone)』を読み終えて以来、1年2ヶ月ぶりのハリー・ポッターです。 日本では松岡佑子(まつおかゆうこ、1943年9月~)氏の翻訳で、静山社から2000年9月に刊行されました。初版もまだ古本屋で安く手に入りますが、今回は新書サイズ(上下2分冊)で持ち運びしやすく、総ルビで誰にでも読みやすい《静山社ペガサス文庫》(栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-16555674584181611892023-04-15T17:06:00.006+09:002023-04-24T02:56:04.715+09:00役員の引継終了。研究再開! 昨年3月、ひょんなことから担当が回ってきた地元の区会計の仕事、先週末(4/9)で無事に引継を終えました。急にもう1つ、新しい会社の帳簿づけを任されたような感覚で、1年前はそんな無茶なと思いましたが、大きな穴を開けることなく、無事に決算書までたどりつくことができました。周りの方々のサポートに感謝。 自治会は非営利団体なので、税金の心配がないのは気持ち楽でしたが、1人社長の会社よりは組織が複雑で、その分面倒な処理が必要となりました。帳簿を付ける上で「ちまたの会計」という無料のクラウド会計が大活躍しました。組織の規模にもよりますが、エクセルでは処理が追いつかない時に、お勧めのソフトです。 2つの帳簿づけを溜め込んだら大変なことになるので、近年遅れがちになっていた自分の会社の帳簿(JDL)を月ごとにきっちりまとめて、慌てることなく第12期の決算までたどりつけたのは、良い副産物でした。自治会の栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-49265760953932026182022-12-25T03:23:00.001+09:002023-02-25T23:53:33.920+09:00【読了】A・A・ミルン著/森絵都訳『プー通りの家』(角川文庫) イギリスの作家 A・A・ミルン(Alan Alexander Milne, 1882-1/18~1956-1/31)氏の児童小説『 The House at Pooh Corner 』を、2017年11月に刊行された森絵都(もりえと、1968年4月~ )氏の翻訳(『プー通りの家』角川文庫)で読みました。原書は1928年1月にイギリスのメシュエン出版(Methuen Publishing)から、E・H・シェパード(Ernest Howard Shepard, 1879-12/10~1976-3/24)氏の挿絵で刊行されました。第2作目ですが、これで完結です。森絵都(もりえと)訳村上勉(むらかみつとむ)絵『プー通りの家』(角川文庫、2017年6月◇253頁)こちらも日本では、石井桃子(いしいももこ 1907-3/10~2008-4/2)氏が『プー横丁栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-36894538922157744852022-11-13T19:11:00.013+09:002023-03-09T19:37:29.975+09:00【読了】A・A・ミルン著/森絵都訳『クマのプー』(角川文庫) イギリスの作家 A.A.ミルン(Alan Alexander Milne, 1882-1/18~1956-1/31)氏の児童小説『 Winnie-the-Pooh 』を、2017年6月に刊行された森絵都(もりえと)氏の翻訳(『クマのプー』角川文庫)で読みました。原書は1926年10月、ミルン氏44歳のときにイギリスのメシュエン出版(Methuen Publishing)から刊行されました。挿絵はE・H・シェパード(Ernest Howard Shepard, 1879-12/10~1976-3/24)氏。森絵都 訳村上勉(むらかみつとむ)絵『クマのプー』(角川文庫、2017年6月◇236頁) 手元には長らく、石井桃子(いしいももこ 1907-3/10~2008-4/2)氏の翻訳された『クマのプーさん』(岩波少年文庫〔新版〕2000年6月/〔旧版〕1956年10月)を置いて栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-16560995474597340552022-10-31T03:51:00.004+09:002022-11-07T15:31:40.521+09:00【読了】トーベ・ヤンソン作・絵/山室静訳『たのしいムーミン一家(新装版)』(講談社青い鳥文庫)スウェーデン語系フィンランド人の作家トーベ・ヤンソン(Tove Jansson, 1914年8月9日~2001年6月27日)の小説『たのしいムーミン一家』を、山室静(やまむろしずか 1906年12月~2000年3月)氏の翻訳で読みました。ムーミン・シリーズの第3作目に当たります。1948年にスウェーデン語で『Trollkarlens Hatt(魔物のぼうし)』と題して出版されました。1950年に英語で『Finn Family Moomintroll(フィンランドの一家ムーミントロール)』と題して刊行(イギリス版)。アメリカでは1952年に『The Happy Moomins(たのしいムーミン一家)』と題して刊行されました。そして1956年にフィンランド語で『Taikurin hattu(魔物のぼうし)』と題して刊行されました。※以上、ムーミンの公式サイト所載の「Introduction 栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-68041372847452392552022-10-24T00:31:00.003+09:002022-10-26T03:23:18.482+09:00【読了】トーベ・ヤンソン著/冨原眞弓訳『小さなトロールと大きな洪水(新装版)』(講談社青い鳥文庫)スウェーデン語系フィンランド人の作家トーベ・ヤンソン(Tove Jansson, 1914年8月9日~2001年6月27日)の小説『小さなトロールと大きな洪水』を、冨原眞弓(とみはらまゆみ。1954年1月‐)氏の翻訳で読みました。ムーミン・シリーズの第1作目に当たります。本書は1945年にスェーデン語で『Småtrollen och den stora översvämningen(小さなとトロールと大きな洪水)』と題して出版されましたが、219部売れただけですぐに絶版になりました。再刊されたのは45年後の1991年のこと。この時、フィンランド語でも『Muumit ja suuri tuhotulva(ムーミンと大きな洪水)』と題して刊行されました。英語版は2005年に『The Moomins and the Great Flood(ムーミンと大きな洪水)』と題して刊行されました。※以上栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-42432919958564330252022-10-16T03:35:00.002+09:002022-10-20T03:51:16.324+09:00【読了】トーベ・ヤンソン著/下村隆一訳『ムーミン谷の彗星(新装版)』(講談社青い鳥文庫)スウェーデン語系フィンランド人の作家トーベ・ヤンソン(Tove Jansson, 1914年8月9日~2001年6月27日)の小説『ムーミン谷の彗星』を、下村隆一(しもむらりゅういち。1928年-1969年11月)氏の翻訳で読みました。ムーミン・シリーズの第2作目に当たります。本書は1946年にスウェーデン語で『Kometjakten(彗星を追って)』と題して出版されました。1951年には英語版で『Comet in Moominland(ムーミン谷の彗星)』、1955年にはフィンランド語で『Muumipeikko ja pyrstötähti(ムーミン谷の彗星)』と題して出版。その後、1956年にスウェーデン語で第2版が出版される際に『Mumintrollet pa lometjakt(彗星を追うムーミントロール)』、1968年に第3版が出版される際に『Kometen kommer(彗星栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-81944526828975802922022-09-18T23:03:00.005+09:002022-10-15T02:51:31.219+09:00【読了】江戸川乱歩著『少年探偵 大金塊』(ポプラ社) 江戸川乱歩(1894年10月21日-1965年7月28日)の少年探偵シリーズ『怪人二十面相』『少年探偵団』『妖怪博士』につづく第4作『大金塊』を読みました。春先、久しぶりに読んだ『青銅の魔人』はシリーズ5作目でしたので一つさかのぼったことになりますが、これで最初の5作を読み終えることができました。5作目までの単行本の初出をまとめておきます。 1『怪人二十面相』(大日本雄弁会講談社、昭和11年12月)1936年 2『少年探偵団』(大日本雄弁会講談社、昭和13年3月)1938年 3『妖怪博士』(大日本雄弁会講談社、昭和14年2月)1939年 4『大金塊』(大日本雄弁会講談社、昭和15年2月)1940年 5『青銅の魔人』(光文社 痛快文庫、昭和24年11月)1949年第4・5作は終戦をはさんで今から80年ほど前の作品で、そのことを思えば驚くほど読みやすく、新鮮な面白さにあふれていま栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-36736805689959054062022-08-15T02:20:00.006+09:002022-08-27T15:02:09.162+09:00残暑お見舞7月に入ってからは一息つく間もなく一気にお盆まで駆け抜けました。お盆は前半2日で区の会計、後半2日で弊社の会計を整理しました。今年こそは論文執筆をと思い、仕事の量を多少へらすつもりでいたところ、春先に別の仕事が舞い込んできた結果、例年より忙しいくらいになりました。仕事がないのに比べればずっとありがたいのですが、それでは来年にと先送りしているうちに、論文を書けるほどには頭が回らなくなる年齢がふいにやって来るかもしれないので、今断れない仕事と、生きているうちに残しておきたい仕事とのバランスをどう考えるべきか、思案中。そんな中、九条本『官奏抄』と永正本『官奏事』に関する論文Aは、春先に大体出来上がっていた「まえがき」の推敲をくり返した結果、ほぼ満足のいくものに仕上がりました。本論のほうも前より進展しました。今のところ、九条本『官奏抄』と「経頼卿青縹書」に検討を加える第1・2章、永正本『官奏事』栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-64330768185879860122022-07-17T18:42:00.002+09:002022-08-21T12:56:39.252+09:00【読了】江戸川乱歩著『青銅の魔人 私立探偵明智小五郎 』(新潮文庫 2022年刊行)新潮文庫から、江戸川乱歩(えどがわらんぽ、1894年-1965年)の少年探偵団シリーズが出ていることに気がつきました。六七質(むなしち)氏の新しい格好良いカバー装画に惹き寄せられました。調べてみると、現在5冊刊行されていました。『怪人二十面相 ―私立探偵 明智小五郎―』(新潮文庫、2016年9月刊行)『少年探偵団 ―私立探偵 明智小五郎―』(新潮文庫、2016年12月刊行)『妖怪博士 ―私立探偵 明智小五郎―』(2017年3月刊行)『青銅の魔人 ―私立探偵 明智小五郎―』(2022年2月刊行)『地底の魔術王 ―私立探偵 明智小五郎―』(2022年4月刊行)10年近く前に、乱歩の文章のわかりやすさに感心し、少年探偵団のシリーズを一通り読もうと志したものの、3冊目迄(『妖怪博士』)で中断していました(ブログ2013年3月)。今回また初めから読むと、同じくらいで飽きが来そうだった栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-5333260069903136842022-05-10T02:20:00.007+09:002022-08-22T14:16:58.747+09:00研究報告3月後半に少し時間に余裕ができたので、懸案だった論文Aの「まえがき」をうまく整理することができました。拙論(『官奏事』の基礎的研究)への批判にお応えする論文で、反論に当たる部分を先にあらかた書き上げてから「まえがき」に取り組んだところ、思いのほか難航して筆が止まっていました。ただの反論では生産的でないので、『西宮記』研究史のうえにどう位置づけるられるのか考え出すとなかなか手短にはまとめられず、ほどほどの落とし所を見つけるのに手間取りました。わかりやすくするために、あと少し書き加えるべきかまだ少し迷っていますが、おおむね満足したので改めて本論に戻り、仕上げにかかります。今年こそは論文執筆に時間を、と思って4月を迎えたところ、急遽、今年84になる父の代理として地元の区会計の仕事を引き受けることになりました。論文数本分の時間はこちらに回さざるを得なくなりそうですが、地方自治の現場に携われる機会栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-2943741770568884932022-05-09T23:06:00.004+09:002022-05-10T16:11:33.267+09:00【読了】小沢章友作『三国志1-7』(講談社青い鳥文庫、2008-10年)第7巻の前半まで読み終えたところで忙しくなり、一ヶ月ほど放置していましたが、ゴールデンウィーク中に残りを読み終えました。7巻ありますが、どれも150頁くらいで手短にまとめてあるので、すいすい読み進めることができました。記述があっさりしていて多少物足りなく感じるところもありましたが、ストーリーだけ追っても十分に濃い内容なので、全体の流れを知る良いきっかけになりました。小沢章友(おざわあきとも)作/山田章博(やまだあきひろ)絵『三国志1―飛龍の巻』(講談社青い鳥文庫、2008年12月◇156頁)小沢章友(おざわあきとも)作/山田章博(やまだあきひろ)絵『三国志2―風雲の巻』(講談社青い鳥文庫、2009年2月◇157頁)小沢章友(おざわあきとも)作/山田章博(やまだあきひろ)絵『三国志3―激闘の巻』(講談社青い鳥文庫、2009年4月◇157頁)小沢章友(おざわあきとも)作/山田章博(やまだあき栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-34777733972402309562022-04-01T03:19:00.004+09:002022-04-13T15:54:33.225+09:00児童版『三国志』いろいろ ハリー・ポッターの続きを読むはずが、ふと『三国志』を読んでみたくなりました。といっても、羅漢中(らかんちゅう。14世紀中頃、元末期-明初頭を代表する作家)の歴史小説『三国志演義』を日本語でさらに噛み砕いたものになりますが、個人的に親しんだ吉川英治(よしかわえいじ)氏の小説と、横山光輝(よこやまみつてる)氏の漫画以外に、最近の児童向けに書き下ろされた版にはどのようなのがあるのか興味がわいてきました。ざっと調べてみると、ほどほどの冊数で刊行されているものとして次の3種が見つかりました。①ポプラポケット文庫(全5冊、2015年1月) 三田村信行(みたむらのぶゆき)文、若菜等(わかなひとし)+Ki 絵 ※もとはポプラ社から単行本で刊行(全5冊、2002年11月~03年4月)②講談社青い鳥文庫(全7冊、2008年12月~10年2月) 小沢章友(おざわあきとも)作、山田章博(やまだあき栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-28781214953243124452022-02-12T23:16:00.006+09:002023-04-19T16:09:33.545+09:00【読了】J.K.ローリング著/松岡佑子訳『ハリー・ポッターと賢者の石』(翻訳1999/原作1997) 今更感もありますが、J・K・ローリング(J.K.Rowling 1965年7月~ )氏が、1997年6月にイギリスのブルームズベリー出版社(Bloomsbury Publishing plc)から刊行された『ハリー・ポッターと賢者の石(Harry Potter and the Philosopher's Stone)』を読みました。日本語版は2年後の1999年12月に、松岡佑子(まつおかゆうこ 1943年9月~ )氏の翻訳で、静山社から刊行されました。J.K.ローリング著松岡佑子(まつおかゆうこ)訳『ハリー・ポッターと賢者の石』(静山社、1999年12月◇462頁) こちらは前々から手に入れていましたが、ずっと「積ん読」状態でした。最近古本屋で、2014年に刊行された静山社ペガサス文庫版を手に入れました。新書サイズで上下2分冊されていて持ち運びに便利なうえ、総ルビなのも好栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-34101659253443661862022-01-26T23:06:00.005+09:002022-02-06T02:12:31.365+09:00【読了】はやみねかおる著『都会のトム&ソーヤ(1)』(2003)昨年の秋に古本屋で、こうやまのりお著『ヒット商品研究所へようこそ! 「ガリガリ君」「瞬足」「青い鳥文庫」はこうして作られる』(講談社、2001年7月)を手にしました。子供向けにヒット作を飛ばし続ける「青い鳥文庫」シリーズの秘密に迫る、興味深い1冊でした。どちらかとえいば古典的な作品のほうが好きなのですが、今の小中学生の心をしっかりとつかんだ作品群にも目を向けなければと思いました。こうやま氏は、青い鳥文庫の中から、 石崎洋司(いしざきひろし)氏の『黒魔女さん』シリーズ、 令丈ヒロ子(れいじょう)氏の『若おかみは小学生!』シリーズ はやみねかおる氏の『名探偵夢水清志郎』シリーズ 松原秀行(まつばらひでゆき)氏の『パスワード』シリーズ 福永令三(ふくながれいぞう)氏の『クレヨン王国』シリーズなどを紹介していました。こちらも何冊か手に入れたのですが、インターネットでいろいろ探しているうちにふと気栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-14810018288307627222022-01-18T15:25:00.007+09:002022-08-22T14:17:18.951+09:00最近買った本(研究報告の代わりに)年末年始、論文執筆が思うように進まなかったので、その代わりとして秋から冬にかけて購入した専門書をいくつか紹介します。近くに大きな図書館がないので、毎月1、2冊、古本で安値がつくのを待って少しずつ購入しています。細谷勘資著細谷勘資氏遺稿集刊行会編『中世宮廷儀式書成立史の研究』(勉誠出版、2007年2月◇520頁)※ここ数年、一番購入したかった1冊です。めったに市場に出ないので困っていたところ、12月のはじめに比較的安値で出ているのに気づき、急いで購入しました。遺稿集のため全体的な総論を欠いており、独特の取っ付きにくさはありますが、この分野で欠かすことのできない論文ばかりなので、田島公氏の諸論文と合わせて熟読し、研究史の正確な把握につとめたいです。国書逸文研究会編『国書逸文研究』1~30号(1978年8月~1997年10月)※かなり安値で出ていたので思わず購入しました。全巻揃えるつもりはなか栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-61215580053545129642022-01-15T00:00:00.015+09:002022-02-03T01:12:47.955+09:00黒猫騒動(新年のご挨拶)明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。年末年始は、論文執筆に少し時間を割きたいなと思っていたところ、十一月の後半に我が家の黒猫が事故にあい、治療にかかり切りになったため、研究はしばらくお休みせざるを得ませんでした。幸運に恵まれ、前より元気になって復活しましたので、事の顛末をまとめてみました。 **** 黒 猫 騒 動 忙しさも落ち着いてきた十一月半ば、多少は研究に時間がさけるかなと思った矢先、春に家の軒先で産まれそのまま居ついていた黒猫が、おどけて来客の車の下に入り込みそのままひかれてしまうという一件がありました。 月曜の朝、ぎゃんという鳴き声とともにかけていったきり、二日ほどそのまま見えなくなって、もう駄目かと思った水曜の昼過ぎにふと現れ、縁側でじっとしているのを見つけました。触ってみると下腹と後ろ脚をひどく擦りむいていたものの、折れている様子はありません栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-86539281592988381232021-11-02T22:13:00.003+09:002022-08-22T14:17:46.809+09:00愛知県図書館へ(研究報告) 秋休みの最終日、家から1時間ほどかけて、愛知県図書館へ調べ物に行ってきました。「青縹書」「青縹紙」の逸文を再検討する上で、『図書寮叢刊 御産部類記』をみる必要に迫られました。宮内庁書陵部のホームページ上に写真版が公開されていますが、翻刻が出ている以上、見ておくのが筋でしょう。いっそ購入しようかとも思いましたが、古書でまずまずの値がついていたので今回は見送りました。近くの図書館で検索をかけると、愛知県図書館に所蔵されていることがわかったので、この機会に拝見し、必要箇所をコピーして来ました。『西宮記』と『北山抄』の関係を追求しようと、『北山抄』に手を広げたところ、『北山抄』の研究者として大江匡房の名が自然に上がってきました。今のところ『江家次第』そのものについて扱うつもりはないのですが、『江記』『江家次第』『江家年中行事』『年中行事秘抄』などの研究史だけでも正確に把握しておこうと栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-88730514411793898772021-10-28T17:27:00.011+09:002021-11-05T16:32:35.211+09:00【読了】下村湖人著『次郎物語 第一部』下村湖人(しもむらこじん 1884-1955)氏の名作『次郎物語』が、岩波文庫にお目見えしたことを知り、購入したのは昨年夏のこと。中学生のころに学校の図書室で出会い、夢中で読んだ記憶が鮮やかに残る一冊です。それ以来、いずれ再読をと思っていました。下村湖人(しもむらこじん)著『次郎物語 第一部』(岩波文庫、2020年4月)※『次郎物語(第二部)』(ポプラ社文庫、1980年2月)所収「年譜」に、 1936年1月(52歳)、『次郎物語』の執筆に着手。雑誌「青年」に連載。 1938年8月(54歳)、『次郎物語』(後の次郎物語第一部)を脱稿。 1941年2月(57歳)、『次郎物語』(後の第一部)を出版。 とある。年譜の編者について明記されていないが、「解説」執筆者の永杉喜輔(ながすぎきすけ)氏が作成されたものであろう。美しい装丁にも惹かれ、読む気満々だったのですが、いざ読もうとすると活字の小栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7384734300364462314.post-74957437511639060502021-08-12T15:54:00.008+09:002022-08-22T14:18:05.596+09:00暑中見舞(研究報告)今年もありがたいことに、忙しい夏を送らせていただいています。夏期講習の折、論文に集中する時間はなかなか作れませんが、立ち止まってしまうことのないように、牛歩の日々を続けています。「九条本『官奏抄』の成立」に関する「論文A」は、少し寝かせたほうがよい段階に来たので、しばらく棚上げすることにしました。その間、論文Aの中から『北山抄』の成立にかかわる部分を切り離し、「論文B」としてかたちにしていく予定です。論文A・Bはそれほど日を置かずに発表する必要があるので、論文Bのほうもそろそろ書き出すべきと考えました。最近は『北山抄』の代表的な先行研究を精読したり、見落としていた論文の遠隔複写を国会図書館にたのんだり、基礎作業を積み重ねていました。『西宮記』と比べれば、『北山抄』のテキストの問題はある程度解決されているので、その内容を読み解く研究も蓄積されつつあるのが印象に残りました。『西宮記』もかく栗木睦http://www.blogger.com/profile/14659846990224313849noreply@blogger.com0