2025年7月1日火曜日

【読了】与謝野晶子訳『源氏物語』第10・11・12帖「賢木」「花散里」「須磨」

 与謝野晶子(よさのあきこ。1878-1942)氏による現代語訳『源氏物語』。6月は、

  第10帖「賢木(さかき)」〈https://amzn.to/3ZYosqv
  第11帖「花散里(はなちるさと)」〈https://amzn.to/44KX6GY
  第12帖「須磨(すま)」〈https://amzn.to/44HIpUZ

の3帖を読みました。まだまだ半分にもほど遠く先は長いものの、久しぶりに「須磨」まで辿り着きました。物語には苦難の一時期がないと面白みに欠けるので、「須磨」でだいぶ趣が変わって来ました。安和の変や菅原道真の左遷と同じようなものと記憶していたのですが、大事になる前に、自ら京都を離れる決断をしていたことを知り、驚きました。光源氏と同じような事例は当時あったのかな、と興味がわきました。

 与謝野『源氏』は、全帖「青空文庫」で読めます。青空文庫版の底本は『全訳源氏物語 上巻』(角川文庫、1971年8月、改版初版発行)の第56版(1994年12月発行)が用いられています。もともとは上田英代(うえだひでよ)氏が、古典総合研究所のHP上(http://www.genji.co.jp)に入力公開されていたものを、青空文庫形式に編集しなおしたものです。

 校正には第71版(2002年4月発行)が使用され、
  第10帖「賢木」は、
   小林繁雄氏が校正を担当し、
   2003年7月に青空文庫ファイルを作成。
  第11帖「花散里」は、
   kumi氏が校正を担当し、
   2003年7月に青空文庫ファイルを作成。
  第12帖「須磨」は、
   砂場清隆氏が校正を担当し、
   2003年7月に青空文庫ファイルを作成。
と、各巻末に明記されていました。

2025年6月18日水曜日

【読了】学研まんが『日本の歴史5 源氏と平氏 鎌倉時代・前期』(1982年3月)

 Kindle Unlimited で読む漫画版日本史。国学院大学名誉教授・文学博士(※1982年刊行当時)樋口清之(ひぐちきよゆき。1909~1997)監修、堀江卓(まんが)『学研まんが 日本の歴史5 源氏と平氏 鎌倉時代・前期』(学習研究社、1982年3月)を読みました。


樋口清之(監修)
堀江卓(まんが)
『学研まんが 日本の歴史5 源氏と平氏 鎌倉時代・前期』
(学習研究社、1982年3月)

 1 後白河法皇と平氏
 2 源頼朝の旗あげ
 3 平氏の滅亡
 4 鎌倉幕府始まる
 5 源氏がほろぶ
 6 実権をにぎる北条氏

の6章仕立て。中学の歴史教科書よりはるかに詳しく、高校で習う日本史をやさしく語り直した印象。樋口先生のよく練り込まれた講義を聴く感覚で、たいへん勉強になりました。日本史の軸を作るのに役立ちそうな構成の巧みさで、今後も繰り返し読みたくなりました。

 電子版の奥付には(学研教育出版、2011年10月 version1.0発行)と、またAmazonの説明書きには書籍版の「巻頭巻末資料は電子版では未掲載」とありました。

2025年6月15日日曜日

【読了】学研まんが『世界の歴史5 ローマの拡大と大将軍カエサル』(1993年2月)

 kindle unlimited で読む漫画版世界史。早稲田大学教授(※1992年刊行当時)長澤和俊(ながさわかずとし。1928~2019)監修、ムロタニツネ象(まんが)『学研まんが 世界の歴史 5 ローマの拡大と大将軍カエサル』(学習研究社、1993年2月)を読みました。


長澤和俊監修)
ムロタニツネ象(案・構成・まんが)
『学研まんが 世界の歴史 5 ローマの拡大と大将軍カエサル』
(学習研究社、1993年2月)

 1 ローマは一日にしてならず
 2 ポエニ戦争はじまる
 3 カエサル将軍とクレオパトラ
 4 ローマ帝国とキリスト教
 5 ゲルマン民族の大移動

の5章仕立て。塩野七生(しおのななみ)氏の『ローマ人の物語』で一通り読んだはずのところですが、これくらいコンパクトな方がわかりやすく、頭にも残りやすいように思われました。高校の世界史の授業を数倍わかりやすくしたような内容なので、若い頃にこのシリーズに出会っていたら良かったなと強く思いました。

 電子版の奥付には(学研教育出版、2015年4月 version1.0発行)とありました。Amazonの説明書きには、書籍版の「巻頭巻末資料は電子版では未掲載」ともありました。書籍版のほうは数年前に購入済みです。

2025年6月11日水曜日

【読了】ビキナーズ・クラシックス『土佐日記』(角川ソフィア文庫、2007年8月)

  Kindle Unlimited で『竹取物語』に続いて、紀貫之(きのつらゆき)著/西山秀人(にしやまひでと)『ビキナーズ・クラシックス 日本の古典 土佐日記(全)』(角川ソフィア文庫、2007年8月)を読みました。


紀貫之(きのつらゆき)
西山秀人(にしやまひでと)
『ビキナーズ・クラシックス 日本の古典 土佐日記(全)』
(角川ソフィア文庫、2007年8月)
 ※電子書籍は2011年10月に角川学芸出版より刊行。

 『土佐日記』の名を知らぬはずはありませんが、そういえばまともに読んだことはなかったなと思い、手に取りました。精読はまた別の機会として、原文はさっと目を通す程度に。現代語訳はしっかりと。寸評やコラムは端折りながら。

 素朴な味わいの中、すぐに思いついたのが松尾芭蕉の『奥の細道』。当然『土佐日記』の方がはるか昔の作品なので、芭蕉は『土佐日記』について何か触れているのかなと興味がわいて来ました。和歌が人々の生活のなかに深く浸透している様子が垣間見えたのもおもしろい。歌をひねり出すのに苦労して、みながそんなに上手く詠めるわけでもないことが知られるのは、今の我々と同じだと安心しました。

 平安時代の漢文日記については多少研究して来ましたが、文学としての平安時代の「日記」にも一通り目を通しておかなければと思い、さっそく新潮日本古典集成本の『土佐日記』を注文しました。

2025年6月8日日曜日

【読了】ビキナーズ・クラシックス 『竹取物語』(角川ソフィア文庫、2001年9月)

 Kindle Unlimited で『ビキナーズ・クラシックス 日本の古典 竹取物語(全)』(角川ソフィア文庫、2001年9月)を読みました。表紙には角川書店編とあるだけですが、ブックカバーのそでに「武田友宏(たけだともひろ)」氏の略歴を掲げてあり、「はじめに」の文末にも「平成十三年七月 古典茶房 武田 友宏/協力 前田 恵美」とあることから、主な編者は武田友宏氏とみて問題ないでしょう。


角川書店編
『ビキナーズ・クラシックス 日本の古典 竹取物語(全)』
(角川ソフィア文庫、2001年9月)
 ※電子書籍は2011年9月に角川学芸出版より刊行。

 平安時代に刊行された日本の古典は、あらすじだけでもざっと一通り目を通しておきたいと思い、まずは『竹取物語』から読んでみました。毎年中1の国語で一部を取り上げますが、そういえば全体を読んでいなかったなあと思い、とりあえず、わかりやすい現代語訳がついていて全文が読めるものを探してみました。

 原文はさっと目を通す程度に。現代語訳はしっかりと。寸評やコラムは端折りながら。予想していたよりも巧みに構成された文章で、無理することなく最後まで興味深く読み終えることができました。御伽草子のようなイメージでいましたが、もう少し作為の跡が明らかな印象。馴染みのある官職名がいろいろと出て来たので、作者の推測などしたら面白そうですが、恐らくそんな研究は尽くされているのでしょう。

 これは原文をそばに置いておきたいと思ったので、新潮日本古典集成本の『竹取物語』を注文しました。