2025年11月23日日曜日

【読了】与謝野晶子訳『源氏物語』第26・27・28帖「常夏」「篝火」「野分」

    与謝野晶子(よさのあきこ。1878-1942)氏による現代語訳『源氏物語』。11月は、

  第26帖「常夏(とこなつ)」〈https://amzn.to/4au2BNK
  第27帖「篝火(かがりび)」〈https://amzn.to/4s9LGGo
  第28帖「野分(のわき)」〈https://amzn.to/4pakDIz

の3帖を読みました。玉鬘十帖のうち第5~7帖です。やっと半分をこえました(全58帖)。半ばに差し掛かって、ストーリー的にはさすがに無理して作り出している感じがして、物凄くおもしろいとはいえなくなって来ましたが、読み始めるとすぐに最後まで読み切れてしまうのは、紫式部の筆力ゆえでしょう。後半にかけて恐らくどこかで魅力を増すのではないかと思いながら、先へと進みます。

 与謝野『源氏』は、全帖「青空文庫」で読めます。青空文庫版の底本は『全訳源氏物語 中巻』(角川文庫、1971年11月、改版初版発行)の第39版(1994年6月発行)が用いられています。もともとは上田英代(うえだひでよ)氏が、古典総合研究所のHP上(http://www.genji.co.jp)に入力公開されていたものを、青空文庫形式に編集しなおしてあります。

 校正には第44版(2002年1月発行)が使用されました。
  第26帖「常夏」は、
   砂場清隆氏が校正を担当し、
   2003年8月に青空文庫ファイルを作成。
  第27帖「篝火」は、
   kompass氏が校正を担当し、
   2003年7月に青空文庫ファイルを作成。
  第28帖「野分」は、
   伊藤時也氏が校正を担当し、
   2003年5月に青空文庫ファイルを作成。
と、各巻末に明記されていました。

2025年11月16日日曜日

【読了】学研まんが『日本の歴史 10 元禄の世 江戸時代・中期』(1982年9月)

 Kindle Unlimited で読む漫画版日本史。国学院大学名誉教授・文学博士(※1982年刊行当時)樋口清之(ひぐちきよゆき。1909~1997)監修、広岡ゆうえい(まんが)『学研まんが 日本の歴史 9 江戸幕府ひらく 江戸時代・前期』(学習研究社、1982年3月)を読みました。


樋口清之(監修)
広岡ゆうえい(まんが)
『学研まんが 日本の歴史 10 元禄の世 江戸時代・中期』
(学習研究社、1982年9月)

 1 由井正雪の乱
 2 犬公方綱吉
 3 赤穂浪士の討ち入り
 4 新井白石の政治
 5 すすむ産業
 6 交通の発達
 7 強まる町人の力
 8 元禄の文化

の8章仕立て。中学の歴史より遥かに詳しく、高校より多少やさしい印象。バランス感覚にすぐれたオーソドックスな通史としておすすめです。

 電子版の奥付には(学研教育出版、2012年3月 version1.0発行)と、またAmazonの説明書きには書籍版の「巻頭巻末資料は電子版では未掲載」とありました。

2025年11月9日日曜日

【読了】学研まんが『世界の歴史 10 フランス革命・産業革命と軍事の天才ナポレオン』(1993年7月)

    kindle unlimited で読む漫画版世界史。早稲田大学教授(※1993年刊行当時)長澤和俊(ながさわかずとし。1928~2019)監修、ムロタニツネ象(まんが)『学研まんが 世界の歴史 10 フランス革命・産業革命と軍事の天才ナポレオン』(学習研究社、1993年7月)を読みました。


長澤和俊監修)
ムロタニツネ象(案・構成・まんが)
『学研まんが 世界の歴史 10 フランス革命・産業革命と軍事の天才ナポレオン』
(学習研究社、1993年7月)

 1 王妃マリー・アントワネット
 2 フランス革命おこる
 3 ナポレオン登場
 4 産業革命おこる

の4章仕立て。1・2・3章でフランス革命について前後を含めて、マンガでかなり詳しく描かれています。フランス革命は有名な割に、複雑な要素が絡み合ってくるからか、わかりやすい入門書が少ない印象ですが、マンガでは別格の詳しさだと思います。革命それ自体のもつ負の面についてあまり描かれていないのが少し気になりますが、革命バンザイというわけでもないので、まず何が起こったのかを知りたい場合に、おすすめの入門書です。

 電子版の奥付には(学研教育出版、2015年6月 version1.0発行)とあり、Amazonの説明書きには、書籍版の「巻頭巻末資料は電子版では未掲載」とありました。書籍版のほうも数年前に購入済みです。

2025年11月8日土曜日

【暗唱用61-68】『古今和歌集』巻第1 春歌上⑥

61 〈やよひにうるふ年ありけるとしよみける〉 
                   伊勢
桜花春くははれる年だにも人の心にあかれやはせぬ


62 〈桜の花のさかりに、久しくとはざりける人のきたりける時に読みけり〉 
                    読人しらず
あだなりと名にこそたてれ桜花としにまれなる人もまちけり


63 〈返し〉 
                        業平朝臣
けふこずばあすは雪とぞふりなまし消えずはありとも花と見ましや


64 〈題しらず〉 
                     読人しらず
ちりぬればこふれどしるしなき物をけふこそ桜をらばをりてめ


65
折りとらば惜しげにもあるか桜花いざ宿かりてちるまではみむ


66 
                   紀有朋
桜色に衣はふかくそめてきむ花のちりなむ後のかた見に


67 〈桜の花のさけりけるを見にまうできたりける人に、よみておくりける〉 
                       躬恒
わがやどの花見がてらにくる人はちりなむ後ぞ恋しかるべき


68 〈亭子の院の歌合の時よめる〉 
                        伊勢
みる人もなき山ざとのさくら花ほかのちりなむのちぞさかまし


※個人的な暗唱用に。本文のテキストは、西本経一(にししたきょういち)校註『日本古典全書 古今和歌集』(毎日新聞社、1948年9月)による。解釈は今はおもに、久曽神昇(きゅうそじんひたく)全訳注『古今和歌集(一)』(講談社学術文庫、1979年9月)と、小沢正夫(おざわまさお)・松田茂穂(まつだしげほ)校注・訳『完訳 日本の古典9 古今和歌集』(小学館、1983年4月)を参照している。


2025年11月7日金曜日

【暗唱用50-60】『古今和歌集』巻第1 春歌上⑤

50 〈題しらず〉
                  読人しらず
山たかみ人もすさめぬ桜花いたくなわびそ我見はやさむ
   〈又は里遠み人もすさめぬ山ざくら〉

51
山ざくらわが見にくれば春がすみ峯にもをにもたちかくしつつ


52 〈染殿のきさきのお前に、花がめに桜の花をささせ給へるをみてよめる〉
                    前太政大臣
年ふればよはひはおいぬしかはあれど花をしみれば物思もなし

(※「染殿のきさき」 文徳天皇の皇后。太政大臣良房の御女。御名明子)
(※「前太政大臣」 良房のこと)


53 〈渚の院にてさくらをみてよめる〉
                 在原業平朝臣
世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし

(※「渚の院」河内の国交野群にあって惟喬親王はここにおはしました)


54 〈題しらず〉 
                     読人しらず
いしばしるたきなくもがな桜花たをりても来むみぬ人のため


55 〈山の桜をみてよめる〉
                    素性法師
見てのみや人にかたらむ桜花てごとにをりて家づとにせむ


56 〈花ざかりに京をみやりてよめる〉
みわたせば柳さくらをこきまぜて宮こぞ春の錦なりける


57 〈桜の花のもとにて、年の老いぬることを嘆きてよめる〉 
                     紀友則
色もかもおなじ昔にさくらめど年ふる人ぞあらたまるける


58 〈をれる桜をよめる〉 
                      紀貫之
たれしかもとめてをりつる春がすみ立ちかくすらむ山の桜を


59 〈歌たてまつれと仰せられし時に、よみてたてまつれる〉
桜花さきにけらしもあしひきの山のかひよりみゆるしら雲


60 〈寛平の御時きさいの宮の歌合のうた〉
                      友則
みよし野の山辺にさける桜花雪かとのみぞあやまたれける



※個人的な暗唱用に。本文のテキストは、西本経一(にししたきょういち)校註『日本古典全書 古今和歌集』(毎日新聞社、1948年9月)による。解釈は今はおもに、久曽神昇(きゅうそじんひたく)全訳注『古今和歌集(一)』(講談社学術文庫、1979年9月)と、小沢正夫(おざわまさお)・松田茂穂(まつだしげほ)校注・訳『完訳 日本の古典9 古今和歌集』(小学館、1983年4月)を参照している。