2025年11月26日水曜日

【暗唱用61-68】『古今和歌集』巻第一 春歌上

61 〈やよひにうるふ年ありけるとしよみける〉 
                   伊勢
桜花春くははれる年だにも人の心にあかれやはせぬ


62 〈桜の花のさかりに、久しくとはざりける人のきたりける時に読みけり〉 
                    読人しらず
あだなりと名にこそたてれ桜花としにまれなる人もまちけり


63 〈返し〉 
                        業平朝臣
けふこずばあすは雪とぞふりなまし消えずはありとも花と見ましや


64 〈題しらず〉 
                     読人しらず
ちりぬればこふれどしるしなき物をけふこそ桜をらばをりてめ


65
折りとらば惜しげにもあるか桜花いざ宿かりてちるまではみむ


66 
                   紀有朋
桜色に衣はふかくそめてきむ花のちりなむ後のかた見に


67 〈桜の花のさけりけるを見にまうできたりける人に、よみておくりける〉 
                       躬恒
わがやどの花見がてらにくる人はちりなむ後ぞ恋しかるべき


68 〈亭子の院の歌合の時よめる〉 
                        伊勢
みる人もなき山ざとのさくら花ほかのちりなむのちぞさかまし


※個人的な暗唱用に。本文のテキストは、西本経一(にししたきょういち)校註『日本古典全書 古今和歌集』(毎日新聞社、1948年9月)による。解釈はいろいろ購入しているが、今はおもに、久曽神昇(きゅうそじんひたく)全訳注『古今和歌集(一)』(講談社学術文庫、1979年9月)と、小沢正夫(おざわまさお)・松田茂穂(まつだしげほ)校注・訳『完訳 日本の古典9 古今和歌集』(小学館、1983年4月)を参照している。

2025年11月2日日曜日

【読了】小迎裕美子 編著『胸はしる 更級日記』(KADOKAWA 2024年)

 Kindle Unlimitedで『更級日記』を読みたいと思っていた所、現代語訳でこれは!と思うものは見つからなかったのですが、興味深いマンガ版を見つけました。


菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)原作
小迎裕美子(こむかいゆみこ)編著
赤間恵都子(あかまえつこ)監修
『胸はしる 更級日記(さらしなにっき)
(株式会社KADOKAWA、2024年10月)

取っ付きやすく、あっと読み終わりました。当時の歴史的な背景も適度に書き加えてあって、『更級日記』入門には十分。こんなに人間味のある作品だとは思いもよらず、強く興味をそそられました。先月の『伊勢物語』と比べれば、今の私には『更級日記』のほうが何倍も面白い。やはり全文の現代語訳で読み直そうと思い、現代語訳をいくつか購入しました。

2025年10月26日日曜日

【読了】与謝野晶子訳『源氏物語』第23・24・25帖「初音」「胡蝶」「蛍」

   与謝野晶子(よさのあきこ。1878-1942)氏による現代語訳『源氏物語』。10月は、

  第23帖「初音(はつね)」〈https://amzn.to/43x00hF
  第24帖「胡蝶(こちょう)」〈https://amzn.to/4oWy0fO
  第25帖「蛍(ほたる)」〈https://amzn.to/4rapsns

の3帖を読みました。玉鬘十帖のうち第2~4帖。玉鬘のお話は多少中だるみな感じもしてそこまで惹きつけられませんが、いったん読み出すとそれなりに魅力的な文章で、巻末までは難なくたどり着きます。恐らく後半の山場を築くために必要な数巻なのであろうと思いつつ、先に進みます。

 与謝野『源氏』は、全帖「青空文庫」で読めます。青空文庫版の底本は『全訳源氏物語 中巻』(角川文庫、1971年11月、改版初版発行)の第39版(1994年6月発行)が用いられています。もともとは上田英代(うえだひでよ)氏が、古典総合研究所のHP上(http://www.genji.co.jp)に入力公開されていたものを、青空文庫形式に編集しなおしてあります。

 校正には第44版(2002年1月発行)が使用されました。
  第23帖「初音」は、
   kumi氏が校正を担当し、
   2003年5月に青空文庫ファイルを作成。
  第24帖「胡蝶」は、
   kumi氏が校正を担当し、
   2003年7月に青空文庫ファイルを作成。
  第25帖「蛍」は、
   砂場清隆氏が校正を担当し、
   2003年7月に青空文庫ファイルを作成。
と、各巻末に明記されていました。

2025年10月19日日曜日

【読了】学研まんが『世界の歴史 9 ルネサンス・新航路発見と大航海師コロンブス』(1992年5月)

   kindle unlimited で読む漫画版世界史。早稲田大学教授(※1992年刊行当時)長澤和俊(ながさわかずとし。1928~2019)監修、ムロタニツネ象(まんが)『学研まんが 世界の歴史 9 ルネサンス・新航路発見と大航海師コロンブス(学習研究社、1992年5月)を読みました。


長澤和俊監修)
ムロタニツネ象(案・構成・まんが)
『学研まんが 世界の歴史 9 ルネサンス・新航路発見と大航海師コロンブス』
(学習研究社、1992年5月)

 1 エンリケ航海王子
 2 コロンブス登場
 3 新世界発見
 4 コロンブスの卵
 5 マゼラン登場
 6 太平洋と名づける

の6章仕立て。このあたりからはそれなりに知っている時代なので、興味を持続しやすいです。全体的には、高校で習う世界史の内容をやさしく噛み砕いているのですが、部分的にはさらに詳しく語っているところもあって、メリハリを付けているのがこのシリーズの特徴です。恐らくもともとは小学生高学年くらいからを対象とした企画だと思いますが、大人でも世界史入門として面白いです。

 電子版の奥付には(学研教育出版、2015年6月 version1.0発行)とあり、Amazonの説明書きには、書籍版の「巻頭巻末資料は電子版では未掲載」とありました。書籍版のほうも数年前に購入済みです。

2025年10月12日日曜日

【読了】学研まんが『日本の歴史 9 江戸幕府ひらく 江戸時代・前期』(1982年3月)

     Kindle Unlimited で読む漫画版日本史。国学院大学名誉教授・文学博士(※1982年刊行当時)樋口清之(ひぐちきよゆき。1909~1997)監修、ムロタニ ツネ象(まんが)『学研まんが 日本の歴史 9 江戸幕府ひらく 江戸時代・前期』(学習研究社、1982年3月)を読みました。



樋口清之(監修)
ムロタニ ツネ象(まんが)
『学研まんが 日本の歴史 9 江戸幕府開く 江戸時代・前期』
(学習研究社、1982年3月)

 1 天下分け目の関ヶ原
 2 江戸幕府ひらく
 3 江戸幕府の基礎を固める
 4 三代将軍家光登場
 5 大名を泣かせた参勤交代
 6 武士と百姓・町人
 7 日本人 海外へ発展
 8 島原・天草の一揆起こる

の8章仕立て。1冊全体のバランス感覚にすぐれ、よくまとまっていると感心しながら読み進めました。マンガですが時代全体への見通しに優れていて、オーソドックスな歴史像が身につくよいシリーズだと思います。

 電子版の奥付には(学研教育出版、2011年5月 version1.0発行)と、またAmazonの説明書きには書籍版の「巻頭巻末資料は電子版では未掲載」とありました。