2025年10月26日日曜日

【読了】与謝野晶子訳『源氏物語』第23・24・25帖「初音」「胡蝶」「蛍」

   与謝野晶子(よさのあきこ。1878-1942)氏による現代語訳『源氏物語』。10月は、

  第23帖「初音(はつね)」〈https://amzn.to/43x00hF
  第24帖「胡蝶(こちょう)」〈https://amzn.to/4oWy0fO
  第25帖「蛍(ほたる)」〈https://amzn.to/4rapsns

の3帖を読みました。玉鬘十帖のうち第2~4帖。玉鬘のお話は多少中だるみな感じもしてそこまで惹きつけられませんが、いったん読み出すとそれなりに魅力的な文章で、巻末までは難なくたどり着きます。恐らく後半の山場を築くために必要な数巻なのであろうと思いつつ、先に進みます。

 与謝野『源氏』は、全帖「青空文庫」で読めます。青空文庫版の底本は『全訳源氏物語 中巻』(角川文庫、1971年11月、改版初版発行)の第39版(1994年6月発行)が用いられています。もともとは上田英代(うえだひでよ)氏が、古典総合研究所のHP上(http://www.genji.co.jp)に入力公開されていたものを、青空文庫形式に編集しなおしてあります。

 校正には第44版(2002年1月発行)が使用されました。
  第23帖「初音」は、
   kumi氏が校正を担当し、
   2003年5月に青空文庫ファイルを作成。
  第24帖「胡蝶」は、
   kumi氏が校正を担当し、
   2003年7月に青空文庫ファイルを作成。
  第25帖「蛍」は、
   砂場清隆氏が校正を担当し、
   2003年7月に青空文庫ファイルを作成。
と、各巻末に明記されていました。

2025年10月19日日曜日

【読了】学研まんが『世界の歴史 9 ルネサンス・新航路発見と大航海師コロンブス』(1992年5月)

   kindle unlimited で読む漫画版世界史。早稲田大学教授(※1992年刊行当時)長澤和俊(ながさわかずとし。1928~2019)監修、ムロタニツネ象(まんが)『学研まんが 世界の歴史 9 ルネサンス・新航路発見と大航海師コロンブス(学習研究社、1992年5月)を読みました。


長澤和俊監修)
ムロタニツネ象(案・構成・まんが)
『学研まんが 世界の歴史 9 ルネサンス・新航路発見と大航海師コロンブス』
(学習研究社、1992年5月)

 1 エンリケ航海王子
 2 コロンブス登場
 3 新世界発見
 4 コロンブスの卵
 5 マゼラン登場
 6 太平洋と名づける

の6章仕立て。このあたりからはそれなりに知っている時代なので、興味を持続しやすいです。全体的には、高校で習う世界史の内容をやさしく噛み砕いているのですが、部分的にはさらに詳しく語っているところもあって、メリハリを付けているのがこのシリーズの特徴です。恐らくもともとは小学生高学年くらいからを対象とした企画だと思いますが、大人でも世界史入門として面白いです。

 電子版の奥付には(学研教育出版、2015年6月 version1.0発行)とあり、Amazonの説明書きには、書籍版の「巻頭巻末資料は電子版では未掲載」とありました。書籍版のほうも数年前に購入済みです。

2025年10月12日日曜日

【読了】学研まんが『日本の歴史 9 江戸幕府ひらく 江戸時代・前期』(1982年3月)

     Kindle Unlimited で読む漫画版日本史。国学院大学名誉教授・文学博士(※1982年刊行当時)樋口清之(ひぐちきよゆき。1909~1997)監修、ムロタニ ツネ象(まんが)『学研まんが 日本の歴史 9 江戸幕府ひらく 江戸時代・前期』(学習研究社、1982年3月)を読みました。



樋口清之(監修)
ムロタニ ツネ象(まんが)
『学研まんが 日本の歴史 9 江戸幕府開く 江戸時代・前期』
(学習研究社、1982年3月)

 1 天下分け目の関ヶ原
 2 江戸幕府ひらく
 3 江戸幕府の基礎を固める
 4 三代将軍家光登場
 5 大名を泣かせた参勤交代
 6 武士と百姓・町人
 7 日本人 海外へ発展
 8 島原・天草の一揆起こる

の8章仕立て。1冊全体のバランス感覚にすぐれ、よくまとまっていると感心しながら読み進めました。マンガですが時代全体への見通しに優れていて、オーソドックスな歴史像が身につくよいシリーズだと思います。

 電子版の奥付には(学研教育出版、2011年5月 version1.0発行)と、またAmazonの説明書きには書籍版の「巻頭巻末資料は電子版では未掲載」とありました。

2025年10月5日日曜日

【読了】ビキナーズ・クラシックス『伊勢物語』(角川ソフィア文庫、2007年12月)

   Kindle Unlimited で、坂口由美子(さかぐちゆみこ)『ビキナーズ・クラシックス 日本の古典 伊勢物語』(角川ソフィア文庫、2007年12月)を読みました。角川ソフィア文庫のなかから何か平安時代の古典を、と思い、そういえばちゃんと読んだことがなかったなと『伊勢物語』を開いてみました。全125段のなかから58段を選んで原文+現代語訳+解説を付しています。


坂口由美子(さかぐちゆみこ)
『ビキナーズ・クラシックス 日本の古典 伊勢物語』
(角川ソフィア文庫、2007年12月)
 ※電子書籍は2011年11月に角川学芸出版より刊行。

 読みやすくてすらすら読めますが、どちらかといえば素朴な味わい。全体としての整った構成を見せるわけでもなく、おおむね一話完結のお話がひたすら続いていくだけなので、正直なところ途中で飽きが来ましたが、抄出本だったので何とか読み終えることができました。どちらかといえば、恋愛における和歌のやり取りから物語が生まれる様子が、素材のまま書き残されている印象で、ここから色々話を膨らましていったら面白いのかもしれない、と思いました。

 もう少し時間を置いてからまた読んでみます。今回は抄出本だったので、全文を読むとまた違った印象になるかもしれません。

 

2025年9月28日日曜日

【読了】池田理代子著『皇帝ナポレオン』第3・4巻(フェアベルコミック)

   池田理代子(いけだりよこ。1947~)『皇帝ナポレオン』の第3・4巻を読みました。全12巻のうち第1~6巻まで Kindle Unlimited で読めるので、まずは6巻までを目処に。
  『ベルサイユのばら』の続編とされる作品です。

 本作品の初出は、『婦人公論』誌上で1986年5月から1995年1月まで『エロイカ』と題して連載されたのち、『エロイカ』全14巻(中公コミックス・スーリ、1987年1月~1995年2月)として単行本が刊行されました。そののち『栄光のナポレオン ―エロイカ―』全12巻(中公文庫コミック版、1997年5~10月)と改題して再刊。さらに10年をへて『皇帝ナポレオン』全9巻(フェアベルコミックス、2007年11月~2008年7月)と改題して再刊されました。

 フェアベルコミックスは、コンビニ仕様のためか巻次を明記していないのですが、わかりにくいので便宜的に全巻を整理しておきます。

 ① ナポレオン・ボナパルト将軍編(2007年11月)
 ② 栄光へ 27歳の天才司令官編(2007年12月)
 ③ ナポレオン イタリア征服す編(2008年1月)
 ④ ナポレオンの危機 エジプト編(2008年2月)
 ⑤ ナポレオンの逆襲 フランス大改革編(2008年3月)
 ⑥ フランス皇帝ナポレオン(2008年4月)
 ⑦ ヨーロッパ大陸の支配者編(2008年5月)
 ⑧ 二人の皇帝編(2008年6月)
 ⑨ 英雄ナポレオンの最期編(2008年7月) 

このフェアベルコミックスの電子版が全12巻に再編され、Kindle ストアで 2014年1月 に刊行されたのが、今回読むバージョンです。電子版は ほかにも色々な媒体のものが出ており、刊行年次にも違いがあるのですが、紙の本より正確な情報がつかみにくいので、もう少し調べてから報告します。



 電子版の第3巻は、単行本『エロイカ』第3巻(第Ⅱ部 第3~6章 1987年11月)と第4巻(第7~9章 1988年6月)に対応しています。(初出はそれぞれ『昭和公論』1987年7~12月号、1988年1・2月号に掲載。)
 電子版では、章数の表示はカットされています。


 電子版の第4巻は、単行本『エロイカ』第4巻(第Ⅱ部 第10~12章 1988年6月)と第5巻(第Ⅲ部 第1~6章 1989年2月)に対応しています。(初出はそれぞれ『昭和公論』1988年3~5月号、1988年8~12月号・1989年1月号に掲載。)
 電子版では、章数の表示はカットされています。

 なお単行本の第5巻(1989年2月刊行)で興味深いのは、全6章(1~6章)のうち第3・4章の部分のみ明らかに黄ばんでいて、紙質が劣化していることです。当初、私が手に入れた1冊だけかと思い、買い直すつもりでいたのですが、調べてみると他の古本屋のものにも同様の劣化が見えるようで、なぜだろうかと興味がわいてきました。

 決定的な証拠はまだ見つかっていませんが、1989年1月は、昭和天皇が崩御され、昭和から平成へと改元が行われたときなので、恐らく代替りにともなう急な紙不足が発生したのではないかと推測されます。急な紙不足のため、単行本を印刷する際に、上質紙で統一することができなかった可能性が想定されますが、ざっと調べた限りではそのような事実を裏づける資料に欠く状態なので、仮説のみを示して今後の課題としておきます。