2025年7月27日日曜日

【読了】与謝野晶子訳『源氏物語』第13~16帖「明石」「澪標」「蓬生」「関屋」

  与謝野晶子(よさのあきこ。1878-1942)氏による現代語訳『源氏物語』。7月は、

  第13帖「明石(あかし)」〈https://amzn.to/41DoJQj
  第14帖「澪標(みおつくし)」〈https://amzn.to/4mm7YSg
  第15帖「蓬生(よもぎう)」〈https://amzn.to/45xZgZQ
  第16帖「関屋(せきや)」〈https://amzn.to/4lpPQp5

の4帖を読みました。須磨・明石での苦難を乗り越えた、その後の顛末について描かれた数帖。ここまででもう十分お腹いっぱいな気分です。この先どんな展開だったのか、あまり覚えていない。紫式部の筆の冴えを信じて、新しい気持ちで続きを読んでいきましょう。

 与謝野『源氏』は、全帖「青空文庫」で読めます。青空文庫版の底本は『全訳源氏物語 上巻』(角川文庫、1971年8月、改版初版発行)の第56版(1994年12月発行)が用いられています。もともとは上田英代(うえだひでよ)氏が、古典総合研究所のHP上(http://www.genji.co.jp)に入力公開されていたものを、青空文庫形式に編集しなおしたものです。

 校正には第71版(2002年4月発行)が使用され、
  第13帖「明石」は、
   鈴木厚司氏が校正を担当し、
   2003年7月に青空文庫ファイルを作成。
  第14帖「澪標」は、
   伊藤時也氏が校正を担当し、
   2003年4月に青空文庫ファイルを作成。
  第15帖「蓬生」は、
   伊藤時也氏が校正を担当し、
   2003年5月に青空文庫ファイルを作成。
  第15帖「蓬生」は、
   kumi氏が校正を担当し、
   2003年5月に青空文庫ファイルを作成。

と、各巻末に明記されていました。



2025年7月20日日曜日

【読了】杉本苑子著『私家版 かげろふ日記』(文化出版局、1996年5月)

  藤原道綱母(ふじわらみちつなのはは。936年?-995年)が、974年頃に記された女流日記『蜻蛉日記』を、杉本苑子(すぎもとそのこ。1925-2017)氏が、1996年に発表された現代語訳『私家版 かげろふ日記』で読みました(Kindle Unlimited)。


藤原道綱母 原作
杉本苑子 著
『私家版 かげろふ日記』
(講談社文庫、2002年1月)
 ※初出は『ハイスミス』1993年1月号~96年1月号。
  単行本は文化出版局、1996年5月に刊行。
  電子版は、講談社文庫本をもとに、講談社から2019年6月に発行。

 数年前いつもの古本屋で、偶然、講談社文庫の『私家版 かげろふ日記』を見かけ、購入していたのですが、それほど魅力を感じずに途中で投げ出していました。今回の電子版も、はじめのうちは平凡な印象だったのですが、少し我慢していると、夫兼家や子道綱に対する自らの心情を、意外なほど率直に記しているのが好ましくなって来て、興味深く最後まで読み通すことができました。

 日記風に自らの結婚生活を振り返った作品なので、創意工夫を凝らした小説とはまた違った趣がありました。当時の女性の生活の様子をうかがえる興味深い作品でした。当時の人々が、和歌を詠むのにそれなりに苦労し、みなが上手に詠めたわけではないことが知られるのは面白い。それと意外に旅行好きなのも、女性は家にこもっていたような印象があったので。

 詩人室生犀星(むろうさいせい。1889-1962)氏の現代語訳も有名で Kindle Unlimited に収録されているので、そのうち挑戦しようと思案中。


室生犀星訳
『現代語訳 蜻蛉日記』
(岩波現代文庫、2013年8月)
 ※初出は①『日本国民文学全集7 王朝日記随筆集』(河出書房、1956年2月)。
  その後②『国民の文学7 王朝日記随筆集』(河出書房新社、1964年9月)、
  ③『日本文学全集3 王朝日記随筆集』(河出書房新社、1965年11月)に再録。
  岩波現代文庫は③を底本としている。
 ※電子書籍版は、ディスカヴァーebook選書(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2021年4月)。底本を明記していないが、2013年8月に「初版第1刷発行」とある。


 それより随分前に与謝野晶子(よさのあきこ。1878-1942)氏の現代語訳を手元に置いていたことを思い出しました。しかし『源氏物語』の現代語訳と同じく、和歌はもとのまま現代語に翻案されていないので、個人的に魅力は半減。『源氏』よりも和歌が重要な役割を果たしているように思うので、現代語への翻案がほしいところです。


与謝野晶子訳
今西祐一郎補注
『蜻蛉日記』
(平凡社ライブラリー、1996年3月)
 ※初出は『現代語訳国文学全集9 平安朝女流日記』(非凡閣、1938年4月)。


 あと一点、川村裕子(かわむらゆうこ)氏の訳注『蜻蛉日記』に添えられている現代語訳が、こなれていて実に読みやすい。次はこれだけ読んで、あとは原文に当たれば良いかとも考えている。


右大将道綱母(うだいしょうみちつなのはは)
川村裕子訳注
『新版 蜻蛉日記Ⅰ(上巻・中巻)・Ⅱ(下巻)』
(角川ソフィア文庫、2003年10月)


2025年7月13日日曜日

【読了】学研まんが『日本の歴史 6 元寇のあらし 鎌倉時代・後期』(1982年6月)

  Kindle Unlimited で読む漫画版日本史。国学院大学名誉教授・文学博士(※1982年刊行当時)樋口清之(ひぐちきよゆき。1909~1997)監修、堀江卓(まんが)『学研まんが 日本の歴史6 元寇のあらし 鎌倉時代・後期』(学習研究社、1982年6月)を読みました。


樋口清之(監修)
堀江卓(まんが)
『学研まんが 日本の歴史6 元寇のあらし 鎌倉時代・後期』
(学習研究社、1982年6月)

 1 北条氏の執権政治
 2 武士の生活
 3 人々のくらしと産業の発達
 4 新しい仏教
 5 元の襲来
 6 鎌倉の文化
 7 鎌倉幕府おとろえる

の7章仕立て。中学の歴史教科書より一回り詳しく、高校で習う日本史をやさしく語り直した印象。大学の一般教養で、わかりやすい歴史の講義を聞くならこんな感じでしょうか。樋口先生のよく練られた講義を拝聴しているようで、勉強になりました。

 電子版の奥付には(学研教育出版、2011年11月 version1.0発行)と、またAmazonの説明書きには書籍版の「巻頭巻末資料は電子版では未掲載」とありました。

2025年7月6日日曜日

【読了】学研まんが『世界の歴史 6 激動の東アジアと唐の皇帝玄宗』(1992年11月)

 kindle unlimited で読む漫画版世界史。早稲田大学教授(※1992年刊行当時)長澤和俊(ながさわかずとし。1928~2019)監修、ムロタニツネ象(まんが)『学研まんが 世界の歴史 6 激動の東アジアと唐の皇帝玄宗』(学習研究社、1992年11月)を読みました。


https://amzn.to/3U9Un40

長澤和俊監修)
ムロタニツネ象(案・構成・まんが)
『学研まんが 世界の歴史 6 激動の東アジアと唐の皇帝玄宗』
(学習研究社、1992年11月)

 1 三国史の英雄去る
 2 隋と聖徳太子
 3 世界帝国・唐
 4 玄宗と遣唐使
 5 黄巣の乱

の5章仕立て。高校の世界史の準備段階として読むとちょうど良さそうな内容でした。慣れるまで繰り返し読んでおけば、歴史嫌いにならずに済みそう。

 電子版の奥付には(学研教育出版、2015年5月 version1.0発行)と、Amazonの説明書きには、書籍版の「巻頭巻末資料は電子版では未掲載」とありました。書籍版のほうも数年前に購入済みです。

2025年7月1日火曜日

【読了】与謝野晶子訳『源氏物語』第10・11・12帖「賢木」「花散里」「須磨」

 与謝野晶子(よさのあきこ。1878-1942)氏による現代語訳『源氏物語』。6月は、

  第10帖「賢木(さかき)」〈https://amzn.to/3ZYosqv
  第11帖「花散里(はなちるさと)」〈https://amzn.to/44KX6GY
  第12帖「須磨(すま)」〈https://amzn.to/44HIpUZ

の3帖を読みました。まだまだ半分にもほど遠く先は長いものの、久しぶりに「須磨」まで辿り着きました。物語には苦難の一時期がないと面白みに欠けるので、「須磨」でだいぶ趣が変わって来ました。安和の変や菅原道真の左遷と同じようなものと記憶していたのですが、大事になる前に、自ら京都を離れる決断をしていたことを知り、驚きました。光源氏と同じような事例は当時あったのかな、と興味がわきました。

 与謝野『源氏』は、全帖「青空文庫」で読めます。青空文庫版の底本は『全訳源氏物語 上巻』(角川文庫、1971年8月、改版初版発行)の第56版(1994年12月発行)が用いられています。もともとは上田英代(うえだひでよ)氏が、古典総合研究所のHP上(http://www.genji.co.jp)に入力公開されていたものを、青空文庫形式に編集しなおしたものです。

 校正には第71版(2002年4月発行)が使用され、
  第10帖「賢木」は、
   小林繁雄氏が校正を担当し、
   2003年7月に青空文庫ファイルを作成。
  第11帖「花散里」は、
   kumi氏が校正を担当し、
   2003年7月に青空文庫ファイルを作成。
  第12帖「須磨」は、
   砂場清隆氏が校正を担当し、
   2003年7月に青空文庫ファイルを作成。
と、各巻末に明記されていました。