2025年9月21日日曜日

【読了】与謝野晶子訳『源氏物語』第20・21・22帖「朝顔」「乙女」「玉鬘」

   与謝野晶子(よさのあきこ。1878-1942)氏による現代語訳『源氏物語』。9月は、

  第20帖「朝顔(あさがお)」〈https://amzn.to/3KNYWPQ
  第21帖「乙女(おとめ)」〈https://amzn.to/3IKVapX
  第22帖「玉鬘(たまかずら)」〈https://amzn.to/47bmp59

の3帖を読みました。第21帖でようやく下の世代へと話が移っていくと、物語全体に新しい息吹が吹き込まれた感じがして、この先のお話にまた興味が湧いてきました。でもここから十帖は玉鬘十帖とも呼ばれ、あと少し中休みのような内容が続いていくようです。ストーリー的に斬新なものは感じませんが、紫式部の巧みな筆さばきに、飽きそうで飽きないほどほどの安定した面白さを保っています。

 与謝野『源氏』は、全帖「青空文庫」で読めます。青空文庫版の底本は『全訳源氏物語 上巻』(角川文庫、1971年8月、改版初版発行)の第56版(1994年12月発行)が用いられています。もともとは上田英代(うえだひでよ)氏が、古典総合研究所のHP上(http://www.genji.co.jp)に入力公開されていたものを、青空文庫形式に編集しなおしたものです。

 校正には第71版(2002年4月発行)が使用されました。
  第20帖「朝顔」は、
   kumi氏が校正を担当し、
   2003年7月に青空文庫ファイルを作成。
  第21帖「乙女」は、
   kompass氏が校正を担当し、
   2003年7月に青空文庫ファイルを作成
   (2004年2月に修正)。
  第22帖「玉鬘」は、
   kompass氏が校正を担当し、
   2003年7月に青空文庫ファイルを作成。
と、各巻末に明記されていました。

【読了】学研まんが『日本の歴史 8 天下の統一 安土・桃山時代』(1982年7月)

    Kindle Unlimited で読む漫画版日本史。国学院大学名誉教授・文学博士(※1982年刊行当時)樋口清之(ひぐちきよゆき。1909~1997)監修、ムロタニ ツネ象(まんが)『学研まんが 日本の歴史 8 天下の統一 安土・桃山時代』(学習研究社、1982年7月)を読みました。


樋口清之(監修)
ムロタニ ツネ象(まんが)
『学研まんが 日本の歴史 8 天下の統一 安土・桃山時代』
(学習研究社、1982年7月)

 1 戦国の世に入る
 2 上杉謙信と武田信玄
 3 鉄砲とキリスト教がやってきた
 4 若き日の信長と家康
 5 桶狭間の合戦
 6 新戦術 長篠の勝利
 7 秀吉の天下統一
 8 秀吉の政治と朝鮮侵略の失敗

の8章仕立て。中学の教科書よりかなり詳しく、高校で習う日本史をやさしく語り直した印象。子供の頃にくり返し読む機会があれば、大学受験の日本史がずいぶん楽だったろうなと思う。樋口先生の経験によるものか、バランスのよく取れた、出来の良い漫画版日本史だと思います。

 電子版の奥付には(学研教育出版、2011年5月 version1.0発行)と、またAmazonの説明書きには書籍版の「巻頭巻末資料は電子版では未掲載」とありました。

2025年9月14日日曜日

【読了】学研まんが『世界の歴史 8 アジアとヨーロッパの興亡と十字軍とモンゴル帝国 』(1993年4月)

   kindle unlimited で読む漫画版世界史。早稲田大学教授(※1992年刊行当時)長澤和俊(ながさわかずとし。1928~2019)監修、ムロタニツネ象(まんが)『学研まんが 世界の歴史 8 アジアとヨーロッパの興亡と十字軍とモンゴル帝国』(学習研究社、1993年4月)を読みました。


長澤和俊監修)
ムロタニツネ象(案・構成・まんが)
『学研まんが 世界の歴史 8 アジアとヨーロッパの興亡と十字軍とモンゴル帝国』
(学習研究社、1993年4月)

 1 アッバース朝の黒旗あがる
 2 十字軍とサラディン
 3 チンギス・ハン登場
 4 モンゴル大帝国へ
 5 オスマン・トルコ帝国

の5章仕立て。あまり詳しくない時代のお話なので、すらすら読めるものの、読むそばから忘れている自分がいるのも事実。高校で習う世界史の内容をやさしく噛み砕いている印象。頭にしっかり定着するまで繰り返すと先に進めないので、全巻読み通してからまた戻って来ようと思います。

 電子版の奥付には(学研教育出版、2015年6月 version1.0発行)とあり、Amazonの説明書きには、書籍版の「巻頭巻末資料は電子版では未掲載」とありました。書籍版のほうも数年前に購入済みです。

2025年9月7日日曜日

【読了】夏目漱石『それから』(1910年)

 夏目漱石(なつめそうせき。1867年2月~1916年12月)の小説『それから』を、「青空文庫」で読みました。青空文庫版の『それから』は、漱石の自筆原稿にもとづく岩波書店版「漱石全集 第六巻」(1994年5月)を底本としつつ、ルビは漱石の原稿にあったルビのみを付け、岩波編集部が付けたルビを省いています。青空文庫版の巻末には、このほか
 入力:Godot、野口英司、oto
 校正:門田裕志、小林繁雄
 2005年4月16日作成
 2006年5月20日修正
とありました。


 小説『それから』は、1909年6月27日から10月14日まで『東京朝日新聞』『大阪朝日新聞』に連載ののち、1910年1月に春陽堂から単行本が刊行された作品です。2021年に角川文庫版で『三四郎』を読んで、間もなく『それから』にも挑戦していたのですが、ストーリーが平凡な感じがして、退屈になって途中で止めていました。今年の春にふと青空文庫版『それから』を開いてみたところ、歴史的仮名遣いでルビも多めに振ってあって、漱石の文体をたいへん瑞々しく新しいものに感じ、これを機会にと読み進めることにしました。

 四分の一ほど読んだところで先が気になって、kindle Unlimited で漫画版『それから』を読んでみたところ、陳腐なストーリーを思い出して一気に熱が冷め、読むスピードがゆっくりに。それでも後半に入り、告白の場面に向かって物語が動き出すと再び興味がわいてきて、スピードアップして最後までたどり着くことができました。後半の心理描写が見事で、しかしどれだけ絶望的な場面でも、ある種突き放したところがあるのは、漱石に独特。透徹した文体の面白さに、気がつくことができました。


夏目漱石(原作)
バラエティ・アートワークス(企画・漫画)
『まんがで読破 それから』
(イースト・プレス、2009年8月)
 ※電子書籍版改訂、2024年7月。


 『三四郎』『それから』と読んできて、それほどの名作には思えませんが、漱石の文章自体には魅力を感じているので、少し時間をおいてから『門』に挑戦しようと思います。

2025年8月31日日曜日

【読了】与謝野晶子訳『源氏物語』第17・18・19帖「絵合」「松風」「薄雲」

  与謝野晶子(よさのあきこ。1878-1942)氏による現代語訳『源氏物語』。8月は、

  第17帖「絵合(えあわせ)」〈https://amzn.to/3V3rBlT
  第18帖「松風(まつかぜ)」〈https://amzn.to/41CCvD0
  第19帖「薄雲(うすぐも)」〈https://amzn.to/3JItD8L

の3帖を読みました。第19帖で藤壺が亡くなったことは、物語の前半の区切りともいえそう。ふつうに読めますが、多少物語の力が弱まっているようにも感じます。しかし人生の後半を、誰にも興味深く書いてみせるのは相当難しいことのはず。私には、まだまだ面白い。

 与謝野『源氏』は、全帖「青空文庫」で読めます。青空文庫版の底本は『全訳源氏物語 上巻』(角川文庫、1971年8月、改版初版発行)の第56版(1994年12月発行)が用いられています。もともとは上田英代(うえだひでよ)氏が、古典総合研究所のHP上(http://www.genji.co.jp)に入力公開されていたものを、青空文庫形式に編集しなおしたものです。

 校正には第71版(2002年4月発行)が使用され、
  第17帖「絵合」は、
   kumi氏が校正を担当し、
   2003年5月に青空文庫ファイルを作成。
  第18帖「松風」は、
   kumi氏が校正を担当し、
   2003年6月に青空文庫ファイルを作成。
  第19帖「薄雲」は、
   kompass氏が校正を担当し、
   2003年7月に青空文庫ファイルを作成。
と、各巻末に明記されていました。