2026年3月7日土曜日

【読了】佐藤秀峰著『ブラックジャックによろしく』『特攻の島』『海猿』など

 Kindle Unlimitedで、佐藤秀峰(さとうしゅうほう。1973年12月- )氏の代表作『ブラックジャックによろしく』『新ブラックジャックによろしく』『特攻の島』『海猿』が全巻読めることを知りました。

 このうち、かつて読んだことがあったのは『ブラックジャックによろしく』のみ。続編が刊行され、すでに完結していたことを今回初めて知り、まずは『新ブラックジャックによろしく』(全9巻)から読み始めたところ、やはり読ませる力のある作品で、一気に全巻読み終えていました。その流れで、元の『ブラックジャックによろしく』(全13巻)も再読しました。こちらも勢いのままに一気に読破。

 続いて、回天特別攻撃隊を扱った作品『特攻の島』(全9巻)を読んでみました。以前から気になっていたのですが、医療マンガ以上に救いのない重い内容で、読んでいてしんどくなるのは漫画としてどうなんだろうと思いつつ、気がついたら最後まで読了。『ブラックジャックによろしく』でも感じたことですが、客観的なデータの蓄積が多少物足りない。もともと作者の主観が強く出てくる作風なので、もとになった参考文献一覧などはあってほしかったと思います。この作品は、完成に苦労したのではないか、と感じました。

 どれも一気に読めるので、それならば未読であった『海猿』(全12巻)も外せません。初めて読んでみると、他の作品よりもエンターテイメント重視で、最後まで楽しく読み通すことができました。

 書誌をまとめておきます。

●『海猿』
 ◎雑誌「週間ヤングサンデー」(小学館)
   1999年22・23合併号(同年5月)~2001年34号(同年8月
 ◯単行本「小学館 ヤングサンデーコミックス」
   第1巻(1999年5月)~第12巻(2001年10月

●『ブラックジャックによろしく』
 ◎雑誌「モーニング」(講談社)
   2002年2月号 ~ 2006年1月号
 ◯単行本「講談社 モーニングKC」
   第1巻(2002年5月)~第13巻(2006年9月

●『新ブラックジャックによろしく』
 ◎雑誌「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)
   2007年8号(同年2月)~2010年33号(同年7月
 ◯単行本「小学館 ビッグコミックス」
   第1巻(2007年5月)~第9巻(2010年9月

●『特攻の島』
 ◎雑誌「週刊漫画TIMES」(芳文社)
   2004年から2017年12月22日号まで不定期連載(Wikipedia 参照)
 ◯単行本「芳文社コミックス」
  第1巻(2007年1月)~第9巻(2017年3月


 個人的には、新編も含めて『ブラックジャックによろしく』がお気に入りです。Kindle Unlimited にて全編公開されるまでに紆余曲折もあったようですが、今回は深入りしない。ただ大量の優れた作品を一気読みできて楽しく濃い時間を過ごせました。

 おかげて『与謝野源氏』など、定期的な読み物がまた中断。このまま積ん読にならないように再開していきます。

2026年2月15日日曜日

【読了】与謝野晶子訳『源氏物語』第32・33・34帖「梅が枝」「藤のうら葉」「若菜上」

  与謝野晶子(よさのあきこ。1878-1942)氏による現代語訳『源氏物語』。1・2月は、

  第32帖「梅が枝(うめがえ)」https://amzn.to/4cPLOpx
  第33帖「藤のうら葉(ふじのうらは)」https://amzn.to/4da8ill
  第34帖「若菜 上(わかな)」https://amzn.to/4uzerO1

の3帖を読みました。夕霧と雲井の雁の結婚を機に物語が新しい動きを見せていきます。そこで落ち着くかと思えば、女三の宮と柏木の大問題が起こって、再び読ませる力を取り戻した感じがします。とくに「若菜」の帖は紫式部の気合の入り方が違う。またこの先が楽しみになって来ました。

 与謝野『源氏』は、全帖「青空文庫」で読めます。青空文庫版の底本は『全訳源氏物語 中巻』(角川文庫、1971年11月、改版初版発行)の第39版(1994年6月発行)が用いられています。もともとは上田英代(うえだひでよ)氏が、古典総合研究所のHP上(http://www.genji.co.jp)に入力公開されていたものを、青空文庫形式に編集しなおしてあります。

 校正には第44版(2002年1月発行)が使用されました。
  第32帖「梅が枝」は、
   鈴木厚司氏が校正を担当し、
   2003年9月3日に青空文庫ファイルを作成。
  第33帖「藤のうら葉」は、
   kompass氏が校正を担当し、
   2003年9月8日に青空文庫ファイルを作成。
  第34帖「若菜 上」は、
   門田裕志・小林繁雄の両氏が校正を担当し、
   2004年3月9日に青空文庫ファイルを作成。
と、各巻末に明記されていました。


2026年2月8日日曜日

【読了】学研まんが『日本の歴史 12 明治維新 明治時代・前期』(1982年3月)

   Kindle Unlimited で読む漫画版日本史。国学院大学名誉教授・文学博士(※1982年刊行当時)樋口清之(ひぐちきよゆき。1909~1997)監修、福田三郎(まんが)『学研まんが 日本の歴史 12 明治維新 明治時代・前期』(学習研究社、1982年3月)を読みました。


樋口清之(監修)
福田三郎(まんが)
『学研まんが 日本の歴史 12 明治維新 明治時代・後期』
(学習研究社、1982年3月)

 1 尊王攘夷
 2 薩長同盟ができる
 3 江戸幕府ほろぶ
 4 戊辰戦争
 5 新政府の出発
 6 版籍奉還と廃藩置県
 7 四民平等と徴兵令
 8 産業をおこす
 9 新政府の外交
 10 文明開化

の10章仕立て。中学の歴史よりは遥かに詳しく、高校の日本史より少し優しいレベル。最近のマンガ版日本の歴史よりはずっと詳しいので、大人の学び直しにもちょうどよいです。大学で樋口清之博士の日本史概説を拝聴する気分で楽しく読み進めることができました。

 電子版の奥付には(学研教育出版、2012年5月 version1.0発行)と、またAmazonの説明書きには書籍版の「巻頭巻末資料は電子版では未掲載」とありました。

2026年2月1日日曜日

【読了】学研まんが『世界の歴史 12 アジアの植民地化と無抵抗主義者ガンジー』(1993年11月)

 kindle unlimited で読み進めている漫画版世界史。早稲田大学教授(※1993年刊行当時)長澤和俊(ながさわかずとし。1928~2019)監修、ムロタニツネ象(まんが)『学研まんが 世界の歴史 12 アジアの植民地化と無抵抗主義者ガンジー』(学習研究社、1993年11月)を読みました。


長澤和俊監修)
ムロタニツネ象(案・構成・まんが)
『学研まんが 世界の歴史 12 アジアの植民地化と無抵抗主義者ガンジー
(学習研究社、1993年11月)

 1 アヘン戦争おこる
 2 洪秀全と太平天国の乱
 3 セポイの反乱とインド帝国
 4 ガンジーとインドの独立

の4章仕立て。高校の世界史を一つ一つ噛み砕いて、やさしく説明してもらえてる感じで、興味深く読み進めることができました。最近のマンガ版世界史と比べると、文字も使ってかなり詳しく描かれているので、大人でも結構勉強になります。小中学生でも十分読めますが、歴史に興味がないとそんなに面白くはないかもしれません。歴史好きなお子さんをますます好きにするための本格的なマンガ版世界史といえそうです。

 電子版の奥付には(学研教育出版、2015年6月 version1.0発行)とあり、Amazonの説明書きには、書籍版の「巻頭巻末資料は電子版では未掲載」とありました。

2026年1月15日木曜日

【暗唱用69-80】『古今和歌集』巻第2 春歌下①

 69 〈題しらず〉 

                読人しらず
春霞たなびく山の桜花うつろはむとや色かはりゆく


70
まてといふに散らでしとまる物ならばなにを桜に思ひまさまし


71
のこりなくちるぞめでたき桜花有りて世の中はてのうければ


72
このさとに旅ねしぬべし桜花ちりのまがひにいへぢ忘れて


73
空蝉の世にもにたるか花ざくらさくとみしまにかつ散りにけり


74 〈僧正遍昭によみておくりける〉 
                     惟喬親王
桜花ちらばちらなむ散らずとてふるさと人のきてもみなくに


75 〈雲林院にて桜の花のちりけるを見てよめる〉 
                 そうく法師
桜ちる花の所は春ながら雪ぞふりつつきえがてにする


76 〈桜の花のちりける見てよみける〉 
                      素性法師
花ちらす風のやどりはたれかしる我にをしへよ行きて恨みむ


77 〈うりんゐんにて桜の花をよめる〉
                   そうく法師
いざさくら我もちりなむひとさかりありなば人にうきめみえなむ


78 〈あひしれりける人のまうできて、かへりにける後に、
    よみて花にさしてつかはしける〉 
                       貫之
ひとめみし君もやくると桜花けふはまちみてちらばちらなむ


79 〈山の桜をみてよめる〉 
春霞なにかくすらむさくら花ちるまをだにもみるべき物を


80 〈心ちそこなひてわづらひける時に、風にあたらじとて、
   おろしこめてのみ侍りけるあひだに、
   をれる桜のちりがたになれりけるをみてよめる〉 
                    藤原因香朝臣
たれこめて春のゆくへもしらぬまにまちし桜もうつろひにけり

※個人的な暗唱用に。本文のテキストは、西本経一(にししたきょういち)校註『日本古典全書 古今和歌集』(毎日新聞社、1948年9月)による。解釈は今はおもに、久曽神昇(きゅうそじんひたく)全訳注『古今和歌集(一)』(講談社学術文庫、1979年9月)と、小沢正夫(おざわまさお)・松田茂穂(まつだしげほ)校注・訳『完訳 日本の古典9 古今和歌集』(小学館、1983年4月)を参照している。