2018年7月30日月曜日

【186冊目】Roald Dahl's Short Mysteries(Ladder Series Level 2)

やさしい英語の本、通算186冊目は、
IBCパブリッシング・ラダーシリーズの
レベル2(1300語レベル)の24冊目として、

イギリスの小説家
ロアルド・ダール
(Roald Dahl, 1916年9月13日-1990年11月23日)の
短編集を読みました。


Roald Dahl's Short Mysteries
(ロアルド・ダール傑作短編集)

〔Ladder Series Level 2〕
IBC Publishing,Inc. 2005年8月
16,280語 ※編訳者の記載なし。

ロアルド・ダールって誰だろうと調べてみると、
名のみ知る児童小説
『チョコレート工場の秘密 Charlie and the Chocolate Factory
の作者であることがわかりました。

『チョコレート工場の秘密』は
著者47歳の時(1964年1月)に刊行された児童小説で、

2005年に
ティム・バートン監督のもとで映画化され(2度目)、
同年7月にアメリカとイギリスで公開、
同年9月には日本でも公開されました。

この頃、
初めて作品名を知ったのですが、
CMのおどろおどろしい映像に違和感があって、
観ないまま終わりました。

その後、
たくさんの児童書を執筆されていて、
翻訳も出ていることを知り、
いずれ読んでみようと思っていました。

今回、児童書ではありませんが、
大人向けの短編小説を書かれていたことを知り、
読んでみることにしました。


  ***

収録作品は

1「南から来た男 Man from the South
2「皮膚 Skin
3「天国への道 The Way up to Heaven
4「ミセス・ビクスビーと大佐のコート
   Mrs Bixby and the Colonel's Coat

の4編です。

1と2は、
著者37歳の時(1953年)に刊行された
短編集『あなたに似た人 Something Like You
に収録、

3と4は、
著者44歳の時(1960年)に刊行された
短編集『キス・キス Kiss Kiss
に収録されました。

どんな作風か見当もつかなかったので、
最新の翻訳を手に入れました。


田口俊樹(たぐちとしき)訳
『あなたに似た人[新訳版]Ⅰ・Ⅱ』
(ハヤカワ文庫、2013年5月)


田口俊樹(たぐちとしき)訳
『キス・キス[新訳版]』
(ハヤカワ文庫、2014年5月)

これらの新訳に先行して、

1957年10月に
開高健(かいこうたけし)訳『あなたに似た人』、

1960年12月に
田村隆一(たむらりゅういち)訳『キス・キス』が
それぞれ刊行されていました。

田口氏の新訳は、
十分にこなれた読みやすい訳文なので、
旧訳を選ぶ必要はまったく感じませんでした。


  ***

実際に読んでみると、
これが予想以上の面白さ。

ブラックユーモアと言いますか、
斜めに構えたところのある小説はあまり好きでないのですが、

ロアルド・ダールのそれは、
許されるぎりぎりのところで踏みとどまっていて、
何より文章がセンスのかたまりで、
ぐいぐい読ませる力のある作品に仕上がっていました。

好きな分野ではないが、
これほどのレベルなら読まないと損だな
と思いました。

先に翻訳を読んだからかもしれませんが、
英文もすらすら頭に入ってきました。

意外におもしろかったので、
今後、ロアルド・ダールの作品には注目していきたいです。

ただし、
賭け事、入れ墨、殺人、不倫といった
大人な内容がもりだくさんなので、
中高生向けのリーダーとしては採用できないと思います。


※第186冊目。総計1,902,443語。

 やっと190万語をこえ、
 200万語まで残り10万語を切りました。
 現在、月に2冊で3万語くらいずつ読み進めているので、
 年内には200万語を突破できそうです。

 今は大雑把にいって、
 高校1、2年向けのふつうのリーダーならば、
 日本語とあまり変わらない感覚で読める状態です。

 大学入試レベルの英文を、
 日本語と同じ感覚で読めるまでには、
 300万語ほどの蓄積が必要なのだろうと感じているので、

 気長に300万語までは、
 記録を進めていこうと思っています。

 そこから先は、
 簡単めの児童書から始めて、
 原書をそのまま、語数を気にせず読み進めていこうと
 計画を立てているところです。



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2018年7月15日日曜日

【185冊目】Shakespeare's Stories The Winter's Tale(Ladder Series Level 2)

やさしい英語の本、通算185冊目は、
IBCパブリッシング・ラダーシリーズの
レベル2(1300語レベル)の23冊目として、

イングランドの劇作家
ウィリアム・シェイクスピア
(William Shakespeare, 1564年4月-1616年4月)の
戯曲『冬物語』の小説版を読みました。

シェイクスピアの晩年に連続して書かれた
5つのロマンス劇(『ペリクリーズ』『シンベリン』『冬物語』『テンペスト』『二人の貴公子』)の一つで、

シェイクスピア46・47歳の時(1610-11年)に執筆されたと推定されています。
没後7年をへた1623年に初めて出版されました。

※ロマンス劇とは、ギリシア・ローマ神話の神々のお告げが会ったり、魔法など人知を超えた幻想的な力が働いていたり、長い歳月に及ぶ波乱に満ちた人生が語られたりする「現実離れした空想物語(ロマンス)」の劇である。

以上、河合祥一郎著『あらすじで読むシェイクスピア全作品』(祥伝社新書、2013年12月)206・215頁を参照。


Shakespeare's Stories
The Winter's Tale
(シェイクスピア 冬物語)

by Stuart Varnam-Atkin
ステュウット・ヴァーナム=アットキン

〔Ladder Series Level 2〕
IBC Publishing,Inc. 2006年5月
10,150語

『十二夜』に続いて、
シェイクスピアの『冬物語』を読んでみました。

『十二夜』と同じく、
事前の情報が何もないまま読み始めましたが、
さすがシェイクスピア、
それなりの面白さで最後まで引き付けられ、
読み通すことができました。

ギリシャ神話に仮託した
古典的な装いの中に、
いつの間にかシェイクスピアらしい
味わいのある世界が広がっていて、
初めてでもそれなりに楽しめる、
程良く出来たお話でした。

繰り返し読んで、
ストーリーが頭に入ってからのほうが
より楽しめるのでしょうが、
最初のとっかかりとして、
ざっとあらすじをつかむのに最適な1冊でした。


翻訳は、河合祥一郎氏も
安西徹雄氏も上梓されていなかったので、
ちくま文庫の松岡和子(まつおかかずこ)訳を手に入れました。


松岡和子(まつおかかずこ)訳
『シェイクスピア全集18 冬物語』
(ちくま文庫、2009年1月)

ただこちら(松岡訳)を参照するまでもなく、
やさしい英語のほうを読み終わっていましたので、
精読はまたの機会に取っておきます。

その前に、最近気になっているCDブックのシリーズ、
『50分でわかる 冬物語』を聴いてみようと思っています。


大久保ゆう・矢冨弘(やどみひろし)翻訳
『50分でわかる 冬物語  シェイクスピアシリーズ17 』
(でじじ発行/パンローリング発売、2017年1月)

もとは舞台なので、
舞台を観るのが一番なのでしょうが、
そんな時間を取れない身には、
よく出来たCDブックなら全然ありかなと。

お盆休みに『十二夜』と『冬物語』を聴こうと思っているので、
良かったらまた報告します。


※第185冊目。総計1,886,163語。


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