2019年1月31日木曜日

【198冊目】Louisa May Alcott, Little Women(Oxford Bookworms Stage 4)

やさしい英語の本、通算198冊目は、
オックスフォード・ブックワームズの
レベル4(1,400語レベル)の12冊目として、

アメリカの作家
ルイーザ・メイ・オルコット
(Louisa May Alcott, 1832年11月- 1888年3月)の
『若草物語 Little Womenを読みました。

著者35歳の時(1868年10月)に出版された作品です


Louisa May Alcott
Little Women

Retold by John Escott
〔Oxford Bookworms Level 4〕
This simplified edition (c) Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms 1995
14,920語

2011年10月に
マクミラン・リーダーズの
レベル2(600語レベル 7,092語)、

2013年1月に
ペンギン・アクティブ・リーディングの
レベル1(300語レベル 3,552語)

2017年11月に
IBCパブリック・ラダーシリーズの
レベル2(1300語レベル 25,960語)

で読んで以来なので、
やさしい英語では4回目の
『若草物語』となりました。


  ***

4回目ともなれば、
飽きて来てもおかしくないのですが、

読み返すたびに新しい発見があって、改めて、
深い魅力のある作品であることを確認できました。

オールコットの描き出す四姉妹が、
古さを感じさせない自由な魅力を放っていて、
いずれ原文でも読みこなしたい作品になってきました。


翻訳はふだん参照している
掛川恭子(かけがわやすこ)訳に加えて、

最近刊行された
海都洋子(かいとようこ)訳も購入してみました。


掛川恭子(かけがわやすこ)訳
『若草物語』
(講談社文庫、1993年8月◇452頁)


海都洋子(かいとようこ)訳
『若草物語(上・下)』
(岩波少年文庫、2013年8月◇258・299頁)


『赤毛のアン』のように、
全編にわたって見事な構成で、
先へ先へと読ませる力がある作品、
とまではいえないので
(多少冗長なところもある)、
翻訳によって印象が随分異なります。

海都訳は、
原文の流れをできるだけ尊重しつつも、
よくこなれた読みやすい訳文に仕上がっていて、
作品への感動を新たにしました。

大きめのきれいな活字で読めるのなら、
今なお掛川訳も捨てがたいのですが、

手に入れやすさも考慮すると、
いまは海都訳を推すべきだと思います。

※第198冊目。総計2,102,005語。


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2019年1月16日水曜日

【197冊目】Jules Verne, 20,000 Leagues Under the Sea(Oxford Bookworms Stage 4)

やさしい英語の本、通算197冊目は、
オックスフォード・ブックワームズの
レベル4(1,400語レベル)の11冊目として、

フランスの小説家
ジュール・ヴェルヌ
(Jules Verne, 1828年2月8日-1905年3月24日)の
小説『海底二万里 Vingt Mille Lieues Sous Les Mers
やさしい英語版20,000 Leagues Under the Seaを読みました。

著者41-42歳の時、フランスの季刊誌
『教育娯楽雑誌 Magasin d'éducation et de récréation
第11-13号(1869年3月-70年6月)に発表された小説です。

単行本は、第1部が1869年10月、
第2部が1870年6月に刊行されました。


Jules Verne
20,000 Leagues Under the Sea

Retold by Rachel Bladon

〔Oxford Bookworms Level 4〕
This simplified edition (c) Oxford University Press 2015
First published in Oxford Bookworms 2015
15,748語

2012年7月に
ペンギン・リーダーズのレベル1
(300語レベル/4,402語)で読んで以来、
6年半ぶりの『海底二万里』となりました。

もとがフランス語の作品なので、
それほどこだわりはないのですが、

子供の頃に読んだヴェルヌの小説で、
面白かった記憶が残るのが、
これと『十五少年漂流記』なので、
この2作については英語で読む機会があれば、
読んでいこうと思っています。

やさしい英語で読む分には、
特に難しいところもなく、少し物足りないくらいで、
最後まで難なく読み終えることができました。

原作はかなり長大で、
なかなか全体像をつかみにくかったのですが、
今回の挑戦でだいぶ把握できたように思います。


  ***

翻訳は、
読みやすいものを探しているうちに
色々集まって来ました。

まだ全然網羅されていませんが、
手元にあるものをまとめておきます。


渋谷豊(しぶやゆたか)訳
『海底二万里(上・下)』
(角川文庫、2016年7月◇349・414頁)


村松潔(むらまつきよし)訳
『海底二万里(上・下)』
(新潮文庫、2012年9月◇471・564頁)


朝比奈美知子(あさひなみちこ)訳
『海底二万里(上・下)』
(岩波文庫、2007年8・9月◇397・481頁)


私市保彦(きさいちやすひこ)訳
『海底二万里(上・下)』
(岩波少年文庫、2005年8月◇392・464頁)


加藤まさし訳
『海底2万マイル』
(講談社青い鳥文庫、2000年4月◇269頁)


大友徳明(おおとものりあき)訳
『海底二万里(上・中・下)完訳版』
(偕成社文庫、1999年10・11月◇346・340・336頁)


荒川浩充(あらかわひろみつ)訳
『海底二万里』
(東京創元社〔創元SF文庫〕1977年4月◇549頁)


清水正和(しみずまさかず)訳
『海底二万海里』
(福音館書店〔福音館古典童話シリーズ〕1972年10月◇752頁)
 ※福音館文庫 上・下巻(2005年5月◇371・426頁)として再刊。


石川湧(いしかわゆう)訳
『海底二万里(上・下)』
(岩波少年文庫、1956年11月・57年5月)
 ※1991年7月、上巻 30刷改版(◇316頁)、
        下巻 24刷改版(◇328頁)。


花輪莞爾(はなわかんじ)訳
『海底二万海里』
(角川文庫、1963年10月◇602頁)
 ※2009年6月、上・下巻 改版(◇299・358頁)


ヴェルヌの文章には冗長なところがあるようで、
丁寧な翻訳であればあるほど、
日本語の小説としては読みづらいものに仕上がりがちで、

これはと思って読み始めても、
まどろっこしい表現にしだいに勢いをそがれて、
結局読むのを止めてしまったものが多数。

いくつか手に取ってみた中で、
最後まで読めそうだったのは、

 ☆花輪莞爾(はなわかんじ)訳〔1963年〕
 ◎清水正和(しみずまさかず)訳〔1972年〕
 ◯荒川浩充(あらかわひろみつ)訳〔1977年〕

の三点でした。

文章を多少刈り込んでいる分、
勢いがあって読みやすいのが花輪訳で、
個人的には一番お薦めです。

清水訳は全部を丁寧に訳してあるにもかかわらず、
ほとんど滞りを感じることなく読み通せる、
文章のうまさに感心する翻訳です。

荒川訳は花輪訳を大人向けに荒々しくした感じで、
よりかっこいいのですが、活字がすり減って読みにくいのが難点です。


※第197冊目。総計2,087,085語。


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