久松文雄(ひさまつふみお。1943-2021)著『まんがで読む 古事記』第6・7巻(青林堂、2014年8月・2019年2月)を読みました。全7巻の刊行年月を掲げておきます。
第1巻(青林堂、2009年8月◇207頁)
第2巻(青林堂、2010年4月◇249頁)
第3巻(青林堂、2011年4月◇206頁)
第4巻(青林堂、2012年7月◇216頁)
第5巻(青林堂、2014年1月◇212頁)
第6巻(青林堂、2014年8月◇173頁)
第7巻(青林堂、2019年2月◇126頁)※漫画本文は78頁迄。
第6巻の章立ては次の通り。
久松文雄(ひさまつふみお)著
『まんがで読む 古事記6』
(青林堂、2014年8月◇173頁)
第三十八章 仁徳天皇(にんとくてんのう)
第三十九章 妬み深い大后と黒比売(くろひめ)
第 四 十 章 皇后の家出
第四十一章 仁徳天皇と八田若郎女(やたのわきいらつめ)
第四十二章 女鳥王(めどりのおう)と速総別王(はやぶさわけのみこ)
第四十三章 雁(かり)の卵
第四十四章 枯野(からの)の歌
第四十五章 履中天皇(りちゅうてんのう)と墨江中王[前編]
第四十六章 履中天皇と墨江中王(すみのえのなかつみこ)[後編]
第四十七章 反正天皇(はんぜいてんのう)
第四十八章 允恭天皇(いんぎょうてんのう)の氏姓制度の改革
第四十九章 木梨之軽王(きなしのかるのみこ)と軽大郎女
第 五 十 章 木梨之軽王と軽大郎女(かるのおおいらつめ)の悲恋
第五十一章 安康天皇(あんこうてんのう)と目弱王
第五十二章 目弱王(まよわのみこ)の乱[前編]
第五十三章 目弱王(まよわのみこ)の乱[中編]
第五十四章 目弱王(まよわのみこ)の乱[後編]
第五十五章 雄略天皇(ゆうりゃくてんのう)
第五十六章 意富祁王(おほけのみこ)と袁祁王(をけのみこ)
第五十七章 顕宗天皇(けんぞうてんのう)
第五十八章 仁賢天皇(にんけんてんのう)から安閑天皇(あんかんてんのう)
第五十九章 宣化天皇(せんかてんのう)
第 六 十 章 欽明天皇(きんめいてんのう)
第六十一章 敏達天皇(びだつてんのう)
第六十二章 用明天皇(ようめいてんのう)
第六十三章 崇峻天皇(すしゅんてんのう)/推古天皇(すいこてんのう)
久松文雄インタビュー
まんがで読む 古事記 ダイジェスト版
おおむね第1・2巻が『古事記』上巻、第3・4・5巻が『古事記』中巻、そして第6・7巻が『古事記』下巻に相当するようです。第6巻では、
⑯仁徳天皇(にんとくてんのう)
⑰履中天皇(りちゅうてんのう)
⑱反正天皇(はんぜいてんのう)
⑲允恭天皇(いんぎょうてんのう)
⑳安康天皇(あんこうてんのう)
の5代の天皇について語られていました。第7巻では、
㉑雄略天皇(ゆうりゃくてんのう)
㉒清寧天皇(せいねいてんのう)
㉓顕宗天皇(けんぞうてんのう)
㉔仁賢天皇(にんけんてんのう)
㉕武烈天皇(ぶれつてんのう)
㉖継体天皇(けいたいてんのう)
㉗安閑天皇(あんかんてんのう)
㉘宣化天皇(せんかてんのう)
㉙欽明天皇(きんめいてんのう)
㉚敏達天皇(びだつてんのう)
㉛用明天皇(ようめいてんのう)
㉜崇峻天皇(すしゅんてんのう)
㉝推古天皇(すいこてんのう)
の13代の天皇について語られていました。
原文だと、㉔仁賢天皇以降の10代は系譜が記されているだけなので、マンガの方も終わりが近づくにつれて、あまり丁寧には描かれなくなった印象でした。最後の系譜についても、血縁関係が詳しくわかるように系図化したり、もうひと工夫あっても良かったのでは、と思いました。
ただ最終巻はそれまでと比べて、分量(78頁)が圧倒的に少なく、無理やり急いで終わらせたようにも感じられました。元はこの2倍くらいの分量で描く予定であったものの、体調面などから早めに切り上げざるを得なかったのかもしれません。久松氏はこの2年後、2021年4月に病気のため亡くなっています。
10年の長期にわたる執筆であったためか、若干統一感を欠くところもありましたが、『古事記』全編初めてのマンガ化の試みは、おおむね楽しく飽きずに読み進めることができました。しばらく時間を置いてから、再読しようと思います。
今後より精緻なマンガ版『古事記』が出て来てくれることにも期待したいです。『古事記』の豊かな世界観を伝えるのに、マンガは最適な表現手段だと思いました。
これから秋にかけては年初の計画通り、
横山光輝(よこやまみつてる)著
『マンガ日本の古典 平家物語 上・中・下』
(中央公論社、1995年1・9月、96年3月)
と
さいとうたかお著
『マンガ日本の古典 太平記 上・中・下』
(中央公論社、1995年6・11月、96年5月)
を読み進める予定です。