2019年7月14日日曜日

【208冊目】Raymond Chandler, The Big Sleep (Oxford Bookworms Stage 4)

やさしい英語の本、通算208冊目は、
再びオックスフォード・ブックワームズの
レベル4(1,400語レベル)の21冊目として、

アメリカ合衆国シカゴ生まれの小説家
レイモンド・チャンドラー
(Raymond Chandler, 1888年7月23日-59年3月26日)
の長編小説『大いなる眠り The Big Sleepを読みました。

著者50歳の時(1939年春)に出版された最初の長編小説であり

私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とする
推理小説(計7作品)の第1作目でもありました。


Raymond Chandler
The Big Sleep

Retold by Rosalie Kerr
〔Oxford Bookworms Stage 4〕
This simplified edition (c) Oxford University Press 2000
First published in Oxford Bookworms 1991
15,960語

今回割安だったので
上掲の2000年刊行版を手に入れましたが、
表紙のみ変更して、2007年に再販されているので、
時期によっては2007年版のほうが手に入れやすいかもしれません。


チャンドラーの作品は、最近、
村上春樹氏の翻訳が次々に刊行されていましたが、
ハードーボイルド小説の先駆けといわれても、
さほど興味のない分野だったことと、
文庫本でかなりの分厚さになることから読むのを躊躇していました。

今回、やさしい英語で、
手短にその魅力に触れられたらいいなと思い、
読んでみることにしました。


翻訳は、
村上春樹(むらかみはるき)氏と
双葉十三郎(ふたばじゅうざぶろう)氏の
2点のみですので両方手に入れました。

双葉訳のほうが、
ある程度わかりやすく整理された訳文になっているので
きれいな活字で手に入るのならありかもしれませんが、
古本でしか手に入らない状態なので、
今は、村上訳を選ぶのが普通でしょう。

村上訳は、
原文の雰囲気をそのまま活かそうとして、
慣れるまで多少読みにくいところもありますが、
チャンドラーの魅力をうまく伝えているように感じました。


双葉十三郎(ふたばじゅうざぶろう)訳
『大いなる眠り』
(東京創元社〔世界推理小説全集26〕1956年1月◆196頁)

 →『大いなる眠り』
  (創元推理文庫、1959年8月◆279頁)



村上春樹(むらかみはるき)訳
『大いなる眠り』
(早川書房、2012年12月◆328頁)

 →『大いなる眠り』
  (ハヤカワ文庫、2014年7月◆386頁)


主に村上訳を片手に読み進めました。

推理小説としての謎解きよりも、
探偵マーロウのざっくばらんとした生き様が
活き活きとかっこよく描かれていて、
何より魅力的な人物像に惹かれているうちに、
最後まで読み終えていました。

ハードボイルドとはいっても、
人が死ぬ場面が直接的に描かれることはほとんどないのも好感が持てました。

これはぜひ、他の作品も読んでみなければ、
と強く思えたことが一番の収穫でした。

さすがに原文のままはまだ無理なので、
村上氏の翻訳で、他の作品も読んでみようと思います。

次は2作目の長編『さらば愛しき女よ』(清水俊二訳)に挑戦してみます。
※村上春樹訳では『さよなら、愛しい人』


※第208冊目。総計2,245,505語。


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