羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史20 現代文明のグローバル化●一九九〇~二〇二〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。ようやく最終巻にたどりつきました。近年30年間に起こった事実を、穏当な語り口で大雑把にならべた印象で、自分が生まれ育ってきた時代を「歴史」として語ることの難しさを感じました。書かれた瞬間に再評価の対象となる「現代史」は、自分自身が生き証人でもある分、人の数だけ様々な語り口が成立しうるので、なるほど!と思わせるのはなかなか難しいと思いました。
全巻を通して、文章や図表をもちいた解説は心持ち少なめで、マンガのみで世界史を語り尽くすことを目標としていたように感じました。事典的な使い方には向きませんが、「世界史」の取っかかりをつかむのに最適な企画でした。
羽田正(はねだまさし)監修
角川まんが学習シリーズ
『世界の歴史20 現代文明のグローバル化●一九九〇~二〇二〇年』
(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)
第1章 冷戦終結後の世界
・湾岸戦争
・中東和平の試み
・ユーゴスラヴィア内戦
・アパルトヘイトの終わり
第2章 加速する人・モノ・カネの流れ
・WTO(世界貿易機関)の誕生
・チェチェン紛争
・グローバル経済
・反グローバリズム
第3章 テロとの戦い
・9・11同時多発テロ
・イスラエルとパレスチナ
・リーマン=ショック
・中国の台頭
第4章 世界と人々の未来
・東日本大震災
・アラブの春からシリア内戦へ
・揺れるEUとトランプ大統領誕生
・変化しつづける世界
〔プロット執筆・監修〕
第1・2・3・4章 紺野奈央
寺田悠紀(てらだゆき。東京大学東京カレッジ特任研究員)
〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
〔まんが作画〕樹生ナト(きおなと)
〔シナリオ〕齊藤睦志(さいとうちかし。クラフトワークス)
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