2012年10月31日水曜日

【再読】中川八洋 『正統の哲学 異端の思想』 第Ⅱ部(第四・五章)


中川八洋 著
『正統の哲学 異端の思想 ―「人権」「平等」「民主」の禍毒―』
(徳間書店、平成8年11月)

(承前)
▼「第Ⅱ部 各論―隷従の政治か、自由の政治か」(第四~十章)
▽「第四章『平等教』の教祖ルソー ― 全体主義と大量殺戮の起源」
本章では、
ジャン=ジャック・ルソーの政治哲学について、
その主著
  『学問芸術論』(1750年)
   『人間不平等起源論』(1755年)
   『政治経済論』(『百科全書』第5巻、1755年)
   『社会契約論』(1762年)
   『エミール』(1762年)
によりつつ概要を整理しています。

一言でいえば、
原始(野生)に回帰することによって
理想の人間性が回復すると夢想する、
社会の現実を真逆に捉えた哲学です。


・ルソーが理想とする人間とは、

 人間らしい社会関係の経験を欠く、
 野蛮な自然状態に生きる「自然人」(未開人、野蛮人)であり、

 文明の所産である学問や芸術を身につけた
 「文明人」に対して激しい憎悪を抱いていました。


・ルソーが理想とする社会とは、

 個人の私有財産、自由、権利、生命のすべてを
 「社会契約」(入信)によって共同体に譲り渡した、
 自由のない構成員(奴隷)による完全平等社会であり、

 個人の私有財産、自由、権利、生命を、
 基本的に不可侵のものと考える「文明社会」に対して、
 これまた激しい憎悪を抱いていました。


・ルソーは、
 文明社会(秩序ある自由社会)の活力の源泉である
 「結果の不平等」を徹底的に憎悪しました。

 そして、結果の不平等をなくすためには、
 自由競争を否定し、私有財産を否定し、
 みなが何も持たなくなれば良い、と考えました。


 しかし何一つ、自分のものがない
 自由を失った人間とは「奴隷」に他ならないわけなので、

 ルソーが理想としたのは、
 「全人民の完全奴隷化国家」(107頁)
 だということになります。


・しかし、健常な人間はふつう
 奴隷になることを望まないものなので、

 ルソーの理想を実現するためには、

 人民を強制的に奴隷化する
 法(命令)を下す「立法者」(独裁者)
 の存在が不可欠なものとなって来ます。


・実際、ルソーは自身を
 全知全能の「神」と見立て、

 理想を実現するには、

 人民が服従すべき「一般意志」を体現し、
 命令に背く人民を一方的に処刑しうる、

 「立法者」(独裁者)の存在が不可欠だ、
 と考えました。


・さらにルソーは、
 一般意志(教義)への入信者を増やすために、
 洗脳教育の聖典たる『エミール』を執筆しました。


・絶対者(立法者)が立法と教育を独占し、

 すべての人民が、この絶対者に完全に服従し、
 奴隷のように従順に徹する国家の実現に向けた、
 十全な方策を提示したのが、ルソーです。

以上、大まかな要約でした


ルソーの害毒は、
今でもそれほど知られていないので、

本書に出会わなければ、
何も知らぬままルソーと格闘し、
2、30代の貴重な時間を浪費していたかもしれません。

悪書は反面教師で
読んだ方が良いこともありますが、

ルソーは本音を隠し、
もってまわった言い方で、
読み手に気がつかせぬまま、
異端の道へと誘いこむ洗脳性が高いので、

自分の中で、
健善な哲学が確立されるまでは、
遠ざけておいた方が無難でしょう。


今のところルソーは、
時折、興味半分で読んでみて、
言い知れぬ不快な気分を味わって、
放り投げる程度でいいかな、と思っております。


なお、
ルソーを批判的な立場から解説した
日本語で読める概説書はほとんどありません。

少し調べてみると、
本書の刊行後に翻訳されたものとして、

 デイブ・ロビンソン著、渡部昇一 監訳
 『絵解き ルソーの哲学―社会を毒する呪詛の思想』
 (PHP研究所、2002年8月)

 D.モルネ著、高波秋 訳
 『ルソー』(ジャン・ジャック書房、2003年11月)

が見つかりました。

ロビンソンのは内容的に深みに欠けるところがあり、
モルネ(『フランス革命の知的起源』の著者)のは未読なので、
近々手に入れようと思います。



▽「第五章 フランス革命―人類の『負の遺産』」

〔第二・三節より〕
・フランス革命の真の目的は、
 ルソー教(理性教、平等教)を新たな「国教」とする、
 政教一致の新・宗教国家を創造することであったと考えると、
 理解しやすいです。


・フランス革命
 =新宗教「理性教、平等教」による宗教革命運動
 と考えれば、

 既存の政体を破壊する「王制廃止」にとどまらず、
 既存の宗教を破壊する「キリスト教潰し」が行われた理由も了解できます。

 新たな「理性教」への改宗を
 強制せんとする宗教的興奮が、
 史上稀にみる残忍非道な殺戮が行われたと考えれば、それなりに理解できます。


・アメリカの独立を想起すれば、

 「旧体制(君主制)」から
 「新体制(共和制)」へ
 政治体制を変革するために、

 国家の歴史を抹殺し、
 過去との断絶を行なう必要はまったくなかったことがわかるでしょう。


 しかしフランスでは、
 新宗教「理性教」による
 新たな宗教国家の創設を目指していたからこそ、

 旧権力を「聖戦」によって「征服」し、
 現状を徹底的に破壊し、歴史を抹殺し、
 過去との切断を行なう必要があったわけです。


・過去との切断とは、

 それまで国家の強大な権力が、
 個々の国民に直接及ぶのを阻んできた
 「中間組織」(王制下で育まれた伝統や慣習。既存の法秩序など)
 を壊滅させることに他なりません。

 その結果、必然的に、
 権力の「超中央集権化」が進むことになり、
 フランス国王をはるかに上回る権力を、
 独裁者ロベスピエールが手中にすることになりました。


・「共和制」を目ざして
 「君主制」を転覆させたところ、
 国王をはるかにしのぐ権力を手にした「独裁者」が、
 史上稀にみる恐怖政治を行うことになったのがフランス革命でした。


〔第四・五節より〕
・フランス革命の精神的支柱たる
 ルソーの「理性教」のその後の継承は、

  ルソー
   →(ロベスピエール)
     →バブーフ
       →ブォナロッティ
        →マルクス/エンゲルス
          →レーニン/トロツキー
           →スターリン

 という系譜によってまとめられます。

 ルソーの教義が、
 ロシア革命の精神的支柱たる「社会主義教」として、
 より純化されたかたちで継承されていくさまを追うことができます。


・最後に、近代の革命を、

  表-3 近代「革命」の類型

 に整理し、
 「野蛮への退行」型と
 「文明的な発展」型の2つに分類しています。

  イギリス清教徒革命(1642~49年)
  フランス革命(1789~94年)
  ロシア革命(1917~91年)

 は前者であり、

  イギリス名誉革命(1688年)
  アメリカ独立の「革命」(1776~88年)
  明治維新(桜田門外ノ変~1868年)

 は後者です。

以上、要約でした


こうしたフランス革命の見方は、
必ずしも中川氏独自のものではないと思いますが、

ふつうに学校で歴史を学んでいて、
フランス革命が否定的に扱われることは稀でしょうし、
革命に2種類あることを学ぶ機会もまずないでしょう。


日本人の学者が書いた
フランス革命の概説書も、
かつてほど賛美一辺倒でないにしても、

基本的な認識として、
肯定的にフランス革命をとらえているものがほとんどです。


中川氏の本書をスタートに、
より深く学ぼうとした場合の、
信頼の置ける参考書がほしいなあ、と思っています。

まじめに勉強して、気がついたら極左路線に一直線では困ります。


さらにいえば、
フランス革命について勉強しようと思うと、

中川氏のいう「狂信派」の文献の方が、
訳がこなれていて、予定調和な世界が描かれているからか、
わかりやすいものが多いので注意する必要があります。


最近の「良識派」の研究として、

ルネ・セディヨ著、山崎耕一 訳
『フランス革命の代償』(草思社、1991年9月)

をあげていましたので、この機会に購入しました。
豊富なデータが整理してある便利な本なので、
通読しておこうと思います。


そのほか、
「フランス革命に関する、
 マルクス主義的なドグマなどに基づかない、
 邦訳された代表的著作」(122頁)として、

1) エドマンド・バーク著、半澤孝麿 訳
 『フランス革命の省察』(みすず書房、1978年)
  ※他にもいくつか翻訳がありますが、半澤訳が一番正確です。
  ※原著は1790年。

2) アレクシス・ド・トクヴィル著、井伊玄太郎 訳
 『アンシャン・レジームと革命』
 (りせい書房、1974年。のち講談社学術文庫、1997年)
  ※小山勉の新訳『旧体制と大革命』(ちくま学芸文庫、1997年)もある。
  ※原著は1856年。

3) イポリット・テーヌ著、岡田真吉 訳
 『近代フランスの起源―旧制時代(上・下)』
 (角川文庫、1963年。全12巻のうち最初の2巻分の翻訳)
  ※原著は1885年。

4) D・モルネ著、坂田太郎・山田九朗 訳
 『フランス革命の知的起源(上・下)』
 (勁草書房、1969・1971年)
  ※原著は1933年。

5) J・L・タルモン著、市川泰治郎 訳
 『フランス革命と左翼全体主義の源流』
  (拓殖大学海外事情研究所、1964年)
  ※原著は1951年。

をあげています。

3・4・5は未読なので、
近々手に入れたいと思っています。

未だ邦訳のない重要文献も多いようなので、
遅ればせながら、語学力の鍛錬も続けたいと思います。

2012年10月30日火曜日

【読了】ルブラン 『奇巌城』(南洋一郎 編訳)

フランスの小説家
モーリス・ルブラン(1864-1941)の
小説『奇巌城』(1909年)を読みました。

先日の『怪人二十面相』に続き、
ポプラ社のレトロな表紙にひかれて、
手にとってみました。


モーリス・ルブラン原作/南洋一郎 文
『怪盗ルパン全集 奇巌城』
(ポプラ文庫、平成22年1月)

中高生のころ、
ホームズに多少はまっていたからか、
ルパンの方はあまり興味がわかず、
これまで読む機会はありませんでした。

『奇巌城』はルブラン45歳のとき(1909年)に発表された作品だそうです。

コナン・ドイルほど緻密に、
理で詰めてあるわけではありませんが、
その分、感情に訴える要素が多く、
先へ先へと楽しんで読み終えることができました。

ただしホームズのぞんざいな扱われ方に、
ホームズに熱を上げている頃であれば、
怒り心頭だったかもしれません。

まあ今なら、別個の小説として楽しめそうです。


文章は、
江戸川乱歩よりは流れが悪く感じましたが、

翻訳であることを考えれば、
かなり読みやすい日本語になっていると思います。

余暇の楽しみに、
一冊ずつ、時間をみつけて読んでいきましょうか。


 ***

せっかくなので、
ポプラ社から出版された
南洋一郎(1893-1980)編訳のルパンについて少し調べました。

何度も再刊されているので、
なんだか良くわからない状況でした。


今回手にした
レトロな表紙の「怪盗ルパン全集」は、

 昭和33~36年(第 1-15巻)
 昭和46・47年(第16-25巻)
 昭和49~55年(第26-30巻)

と20年の長きにわたって刊行され、
全30巻で完結しています。
(翻訳者の南氏は昭和55年に亡くなっています。)

しかし時代を反映してか、
ルブラン原作の非ルパン作品や、
南洋一郎による模倣作(第13巻)、
ボアロー&ナルスジャックによる模倣作(第26-30巻)も含めた「全集」であったため、

ルブラン原作のルパンを再現するという意味では、
少なからず問題がありました。


そこで平成11・12年にかけて、
ルブラン原作のルパン作品だけを選び、
出版順に配列しなおした「新訂/シリーズ怪盗ルパン」
全20巻が刊刊されました。

ひらがなが漢字に変わったり、
漢字がひらがなに変わったりしている所もありますが、
文章はおおむねそのままで、ルビも多いです。

挿絵が変わっている点、
大きく印象が異なりますが、

細かな異同を気にしなければ、
今はこちらの新訂版で読むのが良いのかもしれません。



つまり新訂版も出ている中で、
平成21・22年に、昔の「怪盗ルパン全集」に遡って、
ポプラ文庫から復刊されたことになります。

確かに、
ルパンの受容史を考えると、
南氏による「怪盗ルパン全集」全30巻の資料的価値は
少なくないでしょう。

おどろおどろしい印象的な表紙と挿画にも一定の需要があると思います。


ただし今のところ、
全30巻中の第15巻まで、
しかも南氏の模倣作とみられる第13巻は復刊されていないので、
計14巻が復刊されていることになります。

資料的な価値を考えれば、
むしろ模倣作のほうを復刊してほしいなと思うのですが、
売れ行きしだいなのかもしれません。



◯怪盗ルパン全集(ルブラン原作/南洋一郎 文)全30巻
※第26-30巻は、ボアローとナルスジャックの共作による模倣作。

『怪盗ルパン全集1 奇巌城』
(ポプラ社、昭和33年5月。ポプラ社文庫、昭和51年11月に再録。
 ポプラ文庫、平成21年12月に再録)
  →『新訂シリーズ4 奇巌城』(平成11年12月)

『怪盗ルパン全集2 怪盗紳士』
(ポプラ社、昭和33年6月。ポプラ社文庫、昭和63年4月に再録。
 ポプラ文庫、平成21年12月に再録)
  →『新訂/シリーズ1 怪盗紳士』(平成11年11月)

『怪盗ルパン全集3 8・1・3の謎』
(ポプラ社、昭和33年7月。ポプラ社文庫、昭和51年11月に再録。
 ポプラ文庫、平成21年12月に再録)
  →『新訂/シリーズ6 813の謎』(平成11年12月)

『怪盗ルパン全集4 古塔の地下牢』
(ポプラ社、昭和33年8月。ポプラ社文庫、昭和63年6月に再録。
 ポプラ文庫、平成21年12月に再録)
  →『新訂/シリーズ7 古塔の地下牢』(平成12年1月)

『怪盗ルパン全集5 八つの犯罪』
(ポプラ社、昭和33年10月。ポプラ社文庫、昭和51年11月に再録。
 ポプラ文庫、平成22年3月に再録)
  →『新訂/シリーズ13 八つの犯罪』(平成12年2月)

『怪盗ルパン全集6 黄金三角』
(ポプラ社、昭和33年12月。ポプラ社文庫、昭和63年7月に再録。
 ポプラ文庫、平成22年3月に再録)
  →『新訂/シリーズ10 黄金三角』(平成12年1月)

『怪盗ルパン全集7 怪奇な家』
(ポプラ社、昭和33年12月。ポプラ社文庫、昭和63年6月に再録。
 ポプラ文庫、平成22年3月に再録)
  →『新訂/シリーズ17 怪奇な家』(平成12年3月)

『怪盗ルパン全集8 青い目の少女』
(ポプラ社、昭和34年3月。ポプラ社文庫、昭和63年4月に再録。
 ポプラ文庫、平成22年3月に『緑の目の少女』と改題し再録)
  →『新訂/シリーズ15 緑の目の少女』(平成12年2月)

『怪盗ルパン全集9 怪盗対名探偵』
(ポプラ社、昭和34年5月。ポプラ社文庫、昭和51年11月に再録。
 ポプラ文庫、平成22年4月に再録)
  →『新訂/シリーズ3 ルパン対ホームズ』(平成11年11月)

『怪盗ルパン全集10 七つの秘密』
(ポプラ社、昭和34年6月。ポプラ社文庫、昭和51年11月に再録。
 ポプラ文庫、平成22年4月に再録)
  →『新訂/シリーズ8 七つの秘密』(平成12年1月)

『怪盗ルパン全集11 三十棺桶島』
(ポプラ社、昭和34年11月。ポプラ社文庫、昭和63年5月に再録。
 ポプラ文庫、平成22年4月に再録)
  →『新訂/シリーズ11 三十棺桶島』(平成12年2月)

『怪盗ルパン全集12 虎の牙』
(ポプラ社、昭和35年1月。ポプラ社文庫、昭和63年7月に再録。
 ポプラ文庫、平成22年7月に再録)
  →『新訂/シリーズ12 虎の牙』(平成12年2月)

『怪盗ルパン全集13 ピラミッドの秘密』
(ポプラ社、昭和36年10月。ポプラ社文庫、昭和51年11月に再録。)
  ※南氏による模倣作と推定されている。

『怪盗ルパン全集14 消えた宝冠』
(ポプラ社、昭和36年10月。ポプラ社文庫、昭和63年8月に再録。
 ポプラ文庫、平成22年7月に再録)
  →『新訂/シリーズ5 消えた宝冠』(平成11年12月)

『怪盗ルパン全集15 魔女とルパン』
(ポプラ社、昭和36年11月。ポプラ社文庫、昭和51年11月に再録)
 ポプラ文庫、平成22年7月に再録)
  →『新訂/シリーズ14 魔女とルパン』(平成12年2月)

『怪盗ルパン全集16 魔人と海賊王』
(ポプラ社、昭和46年8月)※ルブラン原作の非ルパン作品。

『怪盗ルパン全集17 ルパンの大冒険』
(ポプラ社、昭和46年9月。ポプラ社文庫、昭和63年8月に再録)
  →『新訂/シリーズ19 ルパンの大冒険』(平成12年3月)

『怪盗ルパン全集18 まぼろしの怪盗』
(ポプラ社、昭和46年9月)

『怪盗ルパン全集19 ルパンの大失敗』
(ポプラ社、昭和46年10月。ポプラ社文庫、昭和51年11月に再録)
  →『新訂/シリーズ2 ルパンの大失敗』(平成11年11月)

『怪盗ルパン全集20 妖魔と女探偵』
(ポプラ社、昭和46年11月)※ルブラン原作の非ルパン作品。

『怪盗ルパン全集21 ルパンの名探偵』
(ポプラ社、昭和47年4月。ポプラ社文庫、昭和63年9月に再録)
  →『新訂/シリーズ16 ルパンの名探偵』(平成12年3月)

『怪盗ルパン全集22 悪魔の赤い輪』
(ポプラ社、昭和47年5月)※ルブラン原作の非ルパン作品

『怪盗ルパン全集23 ルパンと怪人』
(ポプラ社、昭和47年6月)
  →『新訂/シリーズ18 ルパンと怪人』(平成12年3月)

『怪盗ルパン全集24 ルパン最後の冒険』
(ポプラ社、昭和47年8月。ポプラ社文庫、昭和51年11月に再録)
  →『新訂/シリーズ20 ルパンの最後の冒険』(平成12年3月)

『怪盗ルパン全集25 ルパンの大作戦』
(ポプラ社、昭和47年11月。ポプラ社文庫、昭和51年11月に再録)
  →『新訂/シリーズ9 ルパンの大作戦』(平成12年1月)

◇ボアロー&ナルスジャック原作/南洋一郎 文
『怪盗ルパン全集26 悪魔のダイヤ』(ポプラ社、昭和49年3月)
『怪盗ルパン全集27 ルパンと時限爆弾』(ポプラ社、昭和49年12月)
『怪盗ルパン全集28 ルパン二つの顔』(ポプラ社、昭和51年4月)
『怪盗ルパン全集29 ルパンと殺人魔』(ポプラ社、昭和54年7月)
『怪盗ルパン全集30 ルパン危機一髪』(ポプラ社、昭和55年3月)


◯新訂/シリーズ怪盗ルパン(ルブラン原作/南洋一郎 文)全20巻

『新訂/シリーズ怪盗ルパン1 怪盗紳士』
(ポプラ社、平成11年11月。ポプラ社 文庫版、平成17年2月に再録)
  →『全集2 怪盗紳士』(昭和33年6月)

『新訂/シリーズ怪盗ルパン2 ルパンの大失敗』
(ポプラ社、平成11年11月。ポプラ社 文庫版、平成17年2月に再録)
  →『全集19 ルパンの大失敗』(昭和46年10月)

『新訂/シリーズ怪盗ルパン3 ルパン対ホームズ』
(ポプラ社、平成11年11月。ポプラ社 文庫版、平成17年2月に再録)
  →『全集9 怪盗対名探偵』(昭和34年5月)

『新訂/シリーズ怪盗ルパン4 奇巌城』
(ポプラ社、平成11年12月。ポプラ社 文庫版、平成17年2月に再録)
  →『全集1 奇巌城』(昭和33年5月)

『新訂/シリーズ怪盗ルパン5 消えた宝冠』
(ポプラ社、平成11年12月。ポプラ社 文庫版、平成17年2月に再録)
  →『全集14 消えた宝冠』(昭和36年10月)

『新訂/シリーズ怪盗ルパン6 813の謎』
(ポプラ社、平成11年12月。ポプラ社 文庫版、平成17年2月に再録)
  →『全集3 8・1・3の謎』(昭和33年7月)

『新訂/シリーズ怪盗ルパン7 古塔の地下牢』
(ポプラ社、平成12年1月。ポプラ社 文庫版、平成17年2月に再録)
  →『全集4 古塔の地下牢』(昭和33年8月)

『新訂/シリーズ怪盗ルパン8 七つの秘密』
(ポプラ社、平成12年1月。ポプラ社 文庫版、平成17年2月に再録)
  →『全集10 七つの秘密』(昭和34年6月)

『新訂/シリーズ怪盗ルパン9 ルパンの大作戦』
(ポプラ社、平成12年1月。ポプラ社 文庫版、平成17年2月に再録)
  →『全集25 ルパンの大作戦』(昭和47年11月)

『新訂/シリーズ怪盗ルパン10 黄金三角』
(ポプラ社、平成12年1月。ポプラ社 文庫版、平成17年2月に再録)
  →『全集6 黄金三角』(昭和33年12月)

『新訂/シリーズ怪盗ルパン11 三十棺桶島』
(ポプラ社、平成12年2月。ポプラ社 文庫版、平成17年2月に再録)
  →『全集11 三十棺桶島』(昭和34年11月)

『新訂/シリーズ怪盗ルパン12 虎の牙』
(ポプラ社、平成12年2月。ポプラ社 文庫版、平成17年2月に再録)
  →『全集12 虎の牙』(昭和35年1月)

『新訂/シリーズ怪盗ルパン13 八つの犯罪』
(ポプラ社、平成12年2月。ポプラ社 文庫版、平成17年2月に再録)
  →『全集5 八つの犯罪』(昭和33年10月)

『新訂/シリーズ怪盗ルパン14 魔女とルパン』
(ポプラ社、平成12年2月。ポプラ社 文庫版、平成17年2月に再録)
  →『全集15 魔女とルパン』(昭和36年11月)

『新訂/シリーズ怪盗ルパン15 緑の目の少女』
(ポプラ社、平成12年2月。ポプラ社 文庫版、平成17年2月に再録)
  →『全集8 青い目の少女』(昭和34年3月)

『新訂/シリーズ怪盗ルパン16 ルパンの名探偵』
(ポプラ社、平成12年3月。ポプラ社 文庫版、平成17年2月に再録)
  →『全集21 ルパンの名探偵』(昭和47年4月)

『新訂/シリーズ怪盗ルパン17 怪奇な家』
(ポプラ社、平成12年3月。ポプラ社 文庫版、平成17年2月に再録)
  →『全集7 怪奇な家』(昭和33年12月)

『新訂/シリーズ怪盗ルパン18 ルパンと怪人』
(ポプラ社、平成12年3月。ポプラ社 文庫版、平成17年2月に再録)
  →『全集23 ルパンと怪人』(昭和47年6月)

『新訂/シリーズ怪盗ルパン19 ルパンの大冒険』
(ポプラ社、平成12年3月。ポプラ社 文庫版、平成17年2月に再録)
  →『全集17 ルパンの大冒険』(昭和46年9月)

『新訂/シリーズ怪盗ルパン20 ルパンの最後の冒険』
(ポプラ社、平成12年3月。ポプラ社 文庫版、平成17年2月に再録)
  →『全集24 ルパン最後の冒険』(昭和47年8月)


※wikipedia の「モーリス・ルブラン」「アルセーヌ・ルパン」
        「コナン・ドイル」「シャーロック・ホームズシリーズ」
        「南洋一郎」の各項目を参照。

※ポプラ社のHP〈http://www.poplar.co.jp/〉を参照しました。

2012年10月27日土曜日

【読了】Miguel de Cervantes, Don Quixote(PAR Level2)

やさしい英語の本、通算31冊目
Penguin Active Reading Level2 の3冊目、

スペインの作家
ミゲル・デ・セルバンテス(1547-1616)の
冒険物語『ドン・キホーテ』を読みました。



Miguel de Cervantes
Don Quixote

Retold by Nancy Taylor
(Penguin Active Reading のLevel2)
2008年刊(11,223語)



これまで全く読んだことがなかったので、
簡単なあらすじをがわかるものはないか探し、

 バラエティアートワークス編
 『まんがで読破 ドン・キホーテ』
 (イースト・プレス、平成21年3月)


を一読しました。
1日あれば読める分量のマンガでまとめてあるので、
とりあえずどんな作品か知りたい方にはお薦めです。


実際読んでみると、
スペインの地名、人名は読み方がわからず、
あらすじもそれほど頭に入っていないので、
若干読みにくくもありましたが、

2週間ほどで、楽しんで読み終えることができました。


これまで、ドン・キホーテの名前のみ聞いて、
かっこいい、模範的な騎士の話なのかと思っていたのですが、
もっと滑稽な、でも純粋で愛すべき老人のお話で、

確かに不思議な魅力をそなえた、
楽しい小説であることはよく理解できました。


近々翻訳でも読んでみようと思います。

邦訳は次のようなものが出ています(網羅していません)。


◎完訳

 堀口大學 訳
 『ドン・キホーテ』(新潮社、昭和40年)
  ※前篇のみ。『世界文学全集』(講談社、昭和51年3月)に再録。

 永田寛定 訳
 『ドン・キホーテ 正篇 第1・2・3/続編第1・2』
 (計5冊。岩波文庫、昭和23・24・26/28・50年)※完結前に病没。

 高橋正武 訳
 『ドン・キホーテ 続編 第3』
 (岩波文庫、昭和52年)※永田訳の完結を引継ぐ。

 会田由 訳
 『ドン・キホーテ 前篇1・2/後篇1・2』
 (全4冊。ちくま文庫、昭和62年6~9月)

  ※会田訳の初出は
   『世界文学全集(決定版)第三期』(河出書房新社、昭和33年)。
   ただし1巻本なので、編訳か、前篇のみの完訳と思われますが、

   未確認です。その後、いくつかの文学全集に再録されていますが、
   詳しい異同は調査中。
   4巻本の初出は、晶文社、昭和60年2・4・5・6月です。

 牛島信明 訳
 『ドン・キホーテ』(全6冊。岩波文庫、平成13年1・2・3月)

 萩内勝之 訳
 『ドン・キホーテ』(全4冊。新潮社、平成17年10月)



◎編訳

 永田寛定 編訳
 『ドン・キホーテ』(全1冊。岩波少年文庫、昭和26年)

 牛島信明 編訳
 『ドン・キホーテ』(全1冊。岩波少年文庫、平成12年6月)

 草鹿宏 編訳
 『ドン・キホーテ』(全1冊。集英社 少年少女世界名作の森、平成2年4月)

 窪田般弥 編訳
 『ドレ画 ドン・キホーテ物語』(全1冊。現代教養文庫、平成2年12月)

 安藤美紀夫 編訳
 『ドン=キホーテ』
 (全1冊。講談社 21世紀版少年少女世界文学館、平成23年3月)

 ヴィルジリ・妙子、ヴィルジリ・クリスティーナ・幸子 編訳
 『ドレの絵で読む ドン・キホーテ』(全1冊。精興社、平成23年3月)

 谷口江里也 編訳
 『ドレのドン・キホーテ』(全1冊。宝島社、平成24年1月)


◎事典、解説書

 樋口正義・本田誠二・坂東省治・山崎信三・片倉充造 編
 『「ドン・キホーテ」事典』
 (行路社、平成18年1月)

 中丸明 著
 『丸かじり ドン・キホーテ』
 (新潮文庫、平成14年7月。初出は日本放送出版協会、平成10年6月)

 牛島信明 著
 『ドンキホーテの旅 ― 神に抗う遍歴の騎士』
 (中公新書、平成14年11月)

 山浦宣 著
 『ドン・キホーテを読む暇がない人の本』
 (東京図書出版会、平成19年10月)




たくさんありますが、
まずは定評のある牛島信明 訳(全6冊。岩波文庫)でしょうか。

教室には同氏の編訳した岩波少年文庫を置いてあります。

解説書として手に入れた同氏の『ドンキホーテの旅』(中公新書)もわかりやすく、よくまとまっていました。



※計31冊 計256,660語。


2012年10月23日火曜日

【読了】塩野七生『ローマ人の物語13』


塩野七生 著
『ローマ人の物語13 ユリウス・カエサル ルビコン以後[下]』
(新潮文庫、平成16年10月。初出〔単行本〕は新潮社、平成8年3月)

※第七章 「三月十五日」Idus Martiae
     紀元前四四年三月十五日~前四二年十月

 第八章 アントニウスとクレオパトラ対オクタヴィアヌス
     紀元前四二年~前三〇年

 エピローグ/カエサル年記/参考文献


文庫本で6冊からなるカエサルの評伝、
ほぼ十ヶ月かけてようやく読了しました。

本冊では、
カエサルが亡くなってしばらくの混乱を経て、
オクタヴィアヌスが彼の遺志を継ぐまでの過程が描かれていました。


カエサルが殺されてしまったのだから、
さらにもう1冊、何を書くことがあるのだろう、
と思っていたのですが、

暗殺者たちが
カエサルを殺しはしたけれど、
その後のことを何も考えていなかった事実に愕然とし、

そうした中で、
カエサルがこれ以上ない適任者を、
後継者として選んでいた事実に驚嘆し、

歴史上、奇跡的に成功した
権力継承の過程を、興味深く読み進めることができました。


権力の継承とは、
基本的にうまくいかないものだと思い込んでいたのですが、
突然の死に際してなお、

またとない適任者を自分の後に残し得たのですから、

西洋史を学ぶ者にとって、
カエサルが特別な人物になるのも当然だと思いました。


元は、カエサルといわれても、
名前しか知らない状態で読み始めましたが、

本書を起点として、
自分なりに知見を深めることができました。


一素人の身でも飽きることなく、
楽しんで読み終えることができたのは、
塩野さんの筆力の賜物でしょう。


これでようやく、
シリーズの3分の1を読み終えることができました。
マイペースで、また1冊ずつ読み進めて参ります。

2012年10月16日火曜日

【読了】江戸川乱歩 『少年探偵 怪人二十面相』

江戸川乱歩(1894 - 1965)が
41歳のとき(1936)に発表された
少年向けの探偵小説『怪人二十面相』を読みました。


江戸川乱歩 著
『少年探偵 怪人二十面相』
(ポプラ文庫、平成20年11月)
 ※巻末に「この作品は、昭和三十九年にポプラ社より刊行されました」とある。
  もともとの初出は『少年倶楽部』昭和11年1月から12月。


ポプラ社の「少年探偵」シリーズの表紙は、
小中学生のころ、学校の図書室でみた記憶が残っています。

しかし表紙のおどろおどろしい雰囲気が嫌で、
実際に読んでみることはありませんでした。


江戸川乱歩については、
高校のときにこれまた学校の図書室で、

渡部昇一氏の『発想法』(講談社現代新書)を読んでいたときに、
江戸川乱歩の興味深い話が出て来て、
強く印象に残ったのを覚えています。

しかしこのときも、
独特なオカルトのほの暗い雰囲気が苦手で、
読んでみようとは思いませんでした。


結局今まで、
乱歩を読む機会はなく、このまま
縁はないのかなとも思っていたのですが、

最近になって復刊されたようで、
懐かしい表紙はそのままに、
本屋の棚に見かけるようになったのに惹かれ、
1冊手にとってみたのですが、

「です・ます」調の美しく丁寧な日本語で、
大変わかりやすく書かれていることに感心し、

こんな文章が書けたらな、と思って読んでいるうちに、
どんどん惹き込まれ、楽しんで読み終えることができました。


トリック自体は、
今読むと若干稚拙かな、
と感じさせるところもありますが、

昭和11年に書かれたことを思えば、
驚くほど若々しい感性で、

今でも十分に読者を魅了する力のある
娯楽小説に仕上がっていると思いました。


今から86年前の子ども向けの作品が、

思いのほか美しく上品で、
なおかつわかりやすい日本語で書かれていたことを知り得たのは、
一番の収穫でした。


一気にシリーズ全部を読み通す必要もないので、
時折暇をみて、読み進めていこうと思います。


※wikipedia「江戸川乱歩」の項目を参照。