2024年5月6日月曜日

【読了】石ノ森章太郎著『新装版マンガ 日本の歴史』(全27巻)

 2020年11月から2022年6月にかけて全27巻で刊行された石ノ森章太郎(1938-98)著『新装版 マンガ 日本の歴史』(中公文庫)を読み終えました。1冊なら数日あれば読み終わりますが、27冊となると数冊読んではしばらくお休みするのを繰り返していたので、全部読み終わるのに1年半ほどかかりました。古代編3から現代編3まで順に読み進め、最後まで残してあった原始編1・2と古代編1・2の4冊を、ゴールデンウィーク中に読了しました。

 もとは1989年10月から1994年6月にかけて、全55巻で中央公論社から刊行されました。ちょうど自分が大学に入る頃だったので、一人で日本史のすべてを描き切る、という心意気に感銘を受け、はじめの数冊のみ購入しました。しかし単行本でまずまずの値段だったのと、5年8ヶ月もかけて一つの作品を読み進める気の長さについて行けなくなり、途中で読むのを止めました。その後、1997年3月から1999年5月にかけて中公文庫から再刊されましたが(全55巻)、このときも余りの冊数に圧倒されて、気になりつつも読まずに終わりました。

 今回は旧版の2巻を1巻に仕立て直した27巻の構成で、これなら読み切れるかもと思い、馴染みのある古代編3から順番に読み進めていきました。数冊読んで、マンガだけで描き切るには、これだけの巻数を費やしてもなお限界があることを痛感しました。しかし、日本史全体のイメージを映像でざっとつかむのには有効だと思い、気長に読み進めました。各時代ごとに、大学の先生方が原案を執筆しているので、石ノ森氏独自の史観が際立つというよりは、良くも悪くも戦後の歴史学の成果を穏当なバランスで知ることができる、優れた企画だと思いました。


 とりあえず第1巻と第27巻のみ、書誌データを記しておきます。

石ノ森章太郎(いしのもりしょうたろう)著
『新装版 マンガ 日本の歴史1 秦・漢帝国と邪馬台国』
(中公文庫、2020年11月◇431頁)
 ※裏表紙に「原案執筆・義江彰夫」とある。
 ※巻末に、義江彰夫「時代概説1 民衆と神祭り」、
      義江彰夫「時代概説2 弥生文化の多様性」、
      佐藤信「解説」を載せてある。

巻末に、以下の2冊を合本したと明記あり。

 『マンガ 日本の歴史1 秦・漢帝国と稲作を始める倭人』
 (中公文庫、1997年3月◇212頁)

 『マンガ 日本の歴史2 邪馬台国と卑弥呼のまつりごと』
 (中公文庫、1997年3月◇212頁)

この2冊のさらに元となった単行本は以下の通り。

 『マンガ 日本の歴史1 秦・漢帝国と稲作を始める倭人』
 (中央公論社、1989年11月◇221頁)

 『マンガ 日本の歴史2 邪馬台国と卑弥呼のまつりごと』
 (中央公論社、1989年12月◇237頁)


石ノ森章太郎(いしのもりしょうたろう)著
『新装版 マンガ 日本の歴史27 太平洋戦争から高度成長時代まで』
(中公文庫、2022年6月◇679頁)
 ※裏表紙に「原案執筆・伊藤隆」「解説・武田知己」とある。
 ※巻末に、石ノ森章太郎「完結にあたって」
      伊藤隆「時代概説53〈大東亜共栄圏〉構想」、
      伊藤隆「時代概説54 占領下の日本」、
      伊藤隆「時代概説55「経済大国」 への軌跡」、
      武田知己「解説」を載せてある。

巻末に、以下の3冊を合本したと明記あり。

 『マンガ 日本の歴史53 日中戦争・太平洋戦争』
 (中公文庫、1999年4月◇228頁)

 『マンガ 日本の歴史54 占領から国際社会へ』
 (中公文庫、1999年4月◇222頁)

 『マンガ 日本の歴史55 高度成長時代』
 (中公文庫、1999年5月◇221頁)

この3冊のさらに元となった単行本は以下の通り。

 『マンガ 日本の歴史 現代篇5 日中戦争・太平洋戦争』
 (中央公論社、1994年4月◇203頁)

 『マンガ 日本の歴史 現代篇6 占領から国際社会へ』
 (中央公論社、1994年5月◇203頁)

 『マンガ 日本の歴史 現代篇7 高度成長時代』
 (中央公論社、1994年6月◇204頁)


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