2024年9月29日日曜日

【読了】さいとうたかお著『マンガ日本の古典18 太平記 上』(中央公論社、1995年6月)

 先日読んだ横山光輝版『平家物語』に続いて、さいとうたかお版『太平記』を読み進めていきます。活字版なら恐らく数ヶ月かかるところ、1冊数日で読み終わるのはマンガの良いところです。マンガで目からも理解できる分、活字のみよりも頭に残りやすいように思われます。自分にとっては『太平記』のほうが『平家物語』よりも馴染みが薄い作品なのですが、飽きる間もなくまずは1冊読み終えました。

 上巻は、

  第一章 北条氏討伐計画ノ事
  第二章 正中ノ変ノ事
  第三章 資朝、俊基ノ斬罪ノ事
  第四章 笠置落城ト武将楠ノ事
  第五章 先帝ノ遷幸ト妖兆ノ事
  第六章 大塔宮ト正成再挙ノ事
  第七章 千早城ノ合戦ノ事
  第八章 義貞・高氏、謀叛ノ事
  第九章 鎌倉幕府滅亡ノ事

の九章構成。以前から中公文庫版を持っていましたが、五十過ぎには活字が小く読みづらかったので、初版の単行本を手に入れて読みました。横山版『平家物語』よりも緻密な印象で、初心者にはもってこいの内容でした。


 
さいとうたかお著
『マンガ日本の古典18 太平記 上』
(中央公論社、1995年6月◇270頁)



さいとうたかお著
『マンガ日本の古典18 太平記 上』
(中公文庫、2000年9月◇272頁)



さいとうたかお著
『ワイド版 マンガ日本の古典18 太平記 上』
(中央公論社、2021年3月◇276頁)

2024年9月27日金曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史9 ヨーロッパの世界進出』(2021年2月)

 羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史9 ヨーロッパの世界進出●一六〇〇~一七九〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。このあたりからは多少知っている時代に入るので、楽しく読み進めることができました。それでも複雑に入り組んだ第1章など、1回読むだけでスッと整理された状態で頭の中に入ったかというと、まだ心もとない。でも数回繰り返し読めば大枠を理解できそうな、期待感を抱かせる内容でした。

 内容的に、高校の世界史でしか習わないことが大多数なので、歴史嫌いの小中学生には受け入れられないかもしれませんが、歴史好きの小中学生にはお薦めのシリーズだと思います。



羽田正(はねだまさし)監修
角川まんが学習シリーズ
『世界の歴史9 ヨーロッパの世界進出●一六〇〇~一七九〇年』
(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)

 第1章 絶対王政と激化する覇権争い
  ・オランダの黄金時代
  ・イングランド初の革命
  ・フランス絶対王政
  ・イギリス議会政治の確立

 第2章 東インド会社、アジアへ
  ・東インド会社の始まり
  ・東インド会社の交易
  ・イギリスとフランスの覇権争い
  ・イギリスのインド支配

 第3章 アメリカ植民地と奴隷貿易
  ・砂糖生産の拡大
  ・奴隷貿易とプランテーション
  ・カリブ海の海賊たち
  ・アメリカ植民地を巡る戦い

 第4章 ロシア帝国の発展
  ・モスクワ大公国の成長と発展
  ・ロマノフ朝の始まり
  ・ピョートル大帝の大改革
  ・エカチェリーナ二世の統治

 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 梶原洋一(かじわらよういち。京都産業大学助教)
      ・山本妙子(やまもとたえこ。国際基督教大学助教)
  第2章 井坂理穂(いさかりほ。東京大学准教授)
      ・鈴木英明(すずきひであき。国立民族学博物館准教授)
  第3章 松尾俊輔(まつおしゅんすけ。東京大学助教)
  第4章 池本今日子(いけもときょうこ。大東文化大学准教授)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕飯尾よーへい、さくら
 〔シナリオ〕阿倍さかな、加納新太(かのうあらた)

2024年9月18日水曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史8 変化するユーラシア諸帝国』(2021年2月)

   羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史8 変化するユーラシア諸帝国●一五五〇~一七二〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。個人的にはイスラム方面の歴史にほとんど縁がないので、新たな気持で学ぶにはギリギリついていける内容で、断片的に知っている中国史、ヨーロッパ史と合わせて、集中を切らさず読み切ることができました。大人が初級編から学び直すのに最適なサイズ感で、忙しい仕事の合間に持続して読み進めることができています。


羽田正(はねだまさし)監修
角川まんが学習シリーズ
『世界の歴史8 変化するユーラシア諸帝国●一五五〇~一七二〇年』
(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)

 第1章 オスマン帝国とムスリム諸王朝
  ・オスマン帝国の誕生と拡大
  ・スレイマン一世と帝国の隆盛
  ・栄えるサファヴィー朝
  ・インドの覇者ムガル帝国

 第2章 ヨーロッパを巻き込む三十年戦争
  ・スペイン黄金時代とフェリペ二世
  ・オランダ独立戦争とイングランド
  ・カトリック対プロテスタント
  ・ヨーロッパ初の大戦、三十年戦争

 第3章 明の滅亡と清帝国
  ・中国東北の女真、国号を清に
  ・李自成の乱と明の滅亡
  ・反清勢力 鄭成功と呉三桂
  ・清帝国の拡大と康熙帝

 第4章 オーストリアとプロイセン
  ・ハプスブルク家の勢力拡大
  ・プロイセン王国の成立
  ・大公マリア=テレジアの治世
  ・啓蒙思想と君主たち

 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 小澤一郎(おざわいちろう。東洋文庫研究員)
  第2章 梶原洋一(かじわらよういち。京都産業大学助教)
      ・山本妙子(やまもとたえこ。国際基督教大学助教)
  第3章 杉山清彦(すぎやまきよひこ。東京大学准教授)
  第4章 大西克典(おおにしかつのり。川村学園女子大学准教授)
      ・弓削尚子(ゆげなおこ。早稲田大学教授)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕城咲綾(しろさきあや)、みずなともみ
 〔シナリオ〕阿倍さかな、加納新太(かのうあらた)

2024年9月14日土曜日

【読了】横山光輝著『マンガ日本の古典12 平家物語 下』(中央公論社、1996年3月)

    横山光輝(よこやまみつてる。1934.6~2004.4)著『マンガ日本の古典12 平家物語 下』(中央公論社、1996年3月◇272頁)を読みました。下巻には、

  「木曾義仲上洛」※巻第八「山門御幸」「名虎」
  「太宰府落ち」※巻第八「太宰府落」「緒環」
  「平家反攻」 ※巻第八「太宰府落」「水島合戦」、(六「祇園女御」)
  「法住寺合戦」※巻第八「鼓判官」「法住寺合戦」
  「義仲の最期」※巻第九「生ずきの沙汰」「宇治川先陣」「河原合戦」「木曾最期」
  「一の谷合戦」※巻第九「三草勢揃」「三草合戦」「老馬」「坂落」「越中前司最期」「重衡生捕」「敦盛最期」、十「首渡」「内裏女房」「請文」「海道下」「維盛出家」「藤戸」、(七「忠度都落」、八「名虎」)
  「屋島の合戦」※巻第十一「逆櫓」「勝浦付大坂越」「那須与一」「弓流し」
  「平家滅亡」 ※巻第十一「鷄合壇浦合戦」「遠矢」「先帝身投」「能登殿最期」

の8章が収録されていました。本来10冊くらいの分量で描くべきところ、3冊に圧縮してあるので、あらすじのみをざっと把握するのに最適な内容でした。作品の魅力は十分に感じられたものの、個々の人物を詳しく掘り下げる紙面が足りないからか、この顔は誰なのかを多少悩むところもあり、今後どなたかがより詳しく描き上げた新たなマンガ版を読んでみたくなりました。

横山版をもう数回読んたあとは、吉村昭氏の現代語訳に挑戦しようと思っています。


横山光輝 著
『マンガ日本の古典12 平家物語 下』
(中央公論社、1996年3月◇272頁)


横山光輝 著
『マンガ日本の古典12 平家物語 下』
(中公文庫、2000年3月◇274頁)


横山光輝 著
『ワイド版 マンガ日本の古典12 平家物語 下』
(中公文庫、2020年11月◇274頁)

2024年9月9日月曜日

【読了】横山光輝著『マンガ日本の古典11 平家物語 中』(中央公論社、1995年9月)

   横山光輝(よこやまみつてる。1934.6~2004.4)著『マンガ日本の古典11 平家物語 中』(中央公論社、1995年9月◇272頁)を読みました。上巻を読んだら止まらなくなり、すぐに中巻まで読み終えました。中巻には

  「牒状」    ※巻第四「山門牒状」「南都牒状」
  「平等院の合戦」※巻第四「永僉議」「大衆揃」「橋合戦」「宮御最期」
  「福原遷都」  ※巻第四「三井寺炎上」、五「都遷」
  「水鳥の羽音」 ※巻第五「早馬」「富士川」「五節之沙汰」
  「南都炎上」  ※巻第五「都帰」「奈良炎上」、六「新院崩御」
  「清盛死去」  ※巻第六「廻文」「飛脚到来」「入道死去」
  「倶梨迦羅落し」※巻第六「横田河原合戦」、七「北国下向」「火打合戦」「願書」「倶梨迦羅落」
  「平家都落ち」 ※巻第七「主上都落」「福原落」(八「山門御幸」)

の八章が収録されていました。恐らく原典通りの『平家物語』を描こうと思えば、この数倍の分量が必要になるはずなので、どうしても粗筋のみをさっと通り過ぎていく感じになりますが、全体的な流れをとりあえずつかむのには、これくらいが最適のようにも思えます。

中公文庫本も持っていますが、五十過ぎの目には文字が小さかったので、初版の単行本を手に入れて、そちらで読みました。


横山光輝 著
『マンガ日本の古典11 平家物語 中』
(中央公論社、1995年9月◇272頁)


横山光輝 著
『マンガ日本の古典11 平家物語 中』
(中公文庫、2000年2月◇274頁)


横山光輝 著
『ワイド版 マンガ日本の古典11 平家物語 中』
(中公文庫、2020年11月◇273頁)

2024年9月8日日曜日

【読了】横山光輝著『マンガ日本の古典10 平家物語 上』(中央公論社、1995年1月)

  横山光輝(よこやまみつてる。1934.6~2004.4)著『マンガ日本の古典10 平家物語 上』(中央公論社、1995年1月◇264頁)を読みました。いずれは原文で楽しみたいと思いつつ、まずはマンガでさっとあらすじを頭に入れておくのもいいかな、と、前から買い置きしてあった「マンガ日本の古典」シリーズから『平家物語』と『太平記』と『吾妻鏡』の三作品を読み進める予定。

 上巻には
  「平家の台頭」
  「我が世の春」※巻第一「殿下乗合」「鹿谷」
  「御輿振り」 ※巻第一「俊寛沙汰 鵜川軍」「御輿振」
  「陰謀発覚」 ※巻第二「西光被斬」「小教訓」「教訓状」「烽火之沙汰」
  「法皇幽閉」 ※巻第三「赦文」「医師問答」「法印問答」「法皇被流」
  「大乱の前兆」※巻第四「厳島御幸」「源氏揃」「競」「信連」
の六章を収録。昔読んだときは、顔が皆同じようにみえて途中で読むのを止めていたのですが、じっくり眺めていると違いがわかってきて、今回は一気に読み進めることができました。中公文庫版をずっと手元に置いてあったのですが、文字の小ささにギブアップ。初版の単行本のほうを手に入れて読みました。


横山光輝 著
『マンガ日本の古典10 平家物語 上』
(中央公論社、1995年1月◇264頁)



横山光輝 著
『マンガ日本の古典10 平家物語 上』
(中公文庫、2000年1月◇266頁)



横山光輝 著
『ワイド版 マンガ日本の古典10 平家物語 上』
(中公文庫、2020年11月◇267頁)


2024年9月5日木曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史7ひとつながりになる世界』(2021年2月)

  羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史7 ひとつながりになる世界●一四〇〇~一六〇〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。夏期講習の忙しさと夏の猛暑にやられて、ひと月空いてしまいましたが、また読み進めていきます。第7巻は、個人的にそれなりに知っている地域と歴史なので、世界史としてバランスよく構成されていることが伝わってきました。大人の学び直しにはちょうど良いかと。

 歴史に馴染みのない小中学生にとってどうなのかは、反応が知りたいところですが、歴史に興味のない子は、漫画であろうとまず手に取らないはずなので、歴史好きのお子さんがさらに知見を深めるためのシリーズだと思えば、大成功かなと思えてきました。



 第1章 明の盛衰とアジアの海
  ・紅巾の乱と朱元璋の明建国
  ・鄭和の南海遠征
  ・北虜南倭 ― モンゴルと倭寇
  ・明代の文化

 第2章 ルネサンスと宗教改革
  ・花開くルネサンス
  ・宗教改革の幕開け
  ・プロテスタントの広がり
  ・カトリックの自己改革と海外布教

 第3章 アジアの海に来たヨーロッパ人
  ・ガマ出航 ― 新たな航路を求めて
  ・インド到達
  ・ポルトガル人のアジア参入
  ・ポルトガルの海上交易帝国

 第4章 ヨーローッパのアメリカ大陸進出
  ・スペイン王国成立とレコンキスタ
  ・コロンブスの航海
  ・中南米の征服と植民地化
  ・「太陽の沈まぬ帝国」

 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 小澤一郎(おざわいちろう。東洋文庫研究員)
      ・杉山清彦(すぎやまきよひこ。東京大学准教授)
  第2章 梶原洋一(かじわらよういち。京都産業大学助教)
      ・山本妙子(やまもとたえこ。国際基督教大学助教)
  第3章 鈴木英明(すずきひであき。国立民族学博物館准教授)
  第4章 松尾俊輔(まつおしゅんすけ。東京大学助教)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕坂木原レム(さかきばら)、ゆづか正成(まさなり)
 〔シナリオ〕こぐれ京(きょう)