2011年6月20日月曜日

【読了】塩野七生『ローマ人の物語 4 ハンニバル戦記 中』

ほぼひと月かけて、読み終えました。



塩野七生
『ローマ人の物語4 ハンニバル戦記〔中〕』
(新潮文庫、平成14年7月。初出は平成5年8月)


ハンニバルって、誰?

という状態から読み始めましたので、
同時代を描いた他人の作品と比べてどうなのか、
それはよくわかりません。

ただとても面白く、興味を失うことなく、
最後まで読み進めることができました。

紀元前210年あたりの歴史的な事実を、
これだけ細かく叙述していけるだけの史料が
残っていることにも驚かされました。

これがローマ史の厚みなんだなあ、
と感心しました。

次は、ハンニバル戦記(下)に挑戦です。

2011年6月17日金曜日

【読了】木暮正夫『二宮金次郎』

教室に、子どもの本をたくさん置きたいな、と思っています。
しかし自分で読まずに、ただ置いておくのも違うと思うので、
読み終えしだい紹介していきます。

二宮金次郎の伝記は、
当然あるべきなのですが、
子ども向けのわかりやすいものがあるのかしら、
と思って探したら見つかりました。



木暮正夫(こぐれまさお)『子どもの伝記18 二宮金次郎』
(ポプラポケット文庫、ポプラ社、2010年6月。初出は1999年)



子ども向けにわかりやすく書くことは、
大人向けにむつかしく書くことより、はるかにむつかしいことなので、
参考になるところが多いです。

二宮金次郎について、
名前を知らない人はあまりいないでしょうが、
何をしたのかについて、意外に知らないのではないでしょうか。

木暮さんによる伝記は、わかりやすく勉強になりました。

総ルビなので、もう少し漢字が多くてもいいように感じました。

2011年6月15日水曜日

マザー・テレサ『日々のことば』8月より

ジャヤ・チャリハ&エドワード・レ・ジョリー編、いなます みかこ訳
『マザー・テレサ 日々のことば』
(女子パウロ会、2009年11月。初出は2000年6月)より抜粋。
※印は栗木によるコメント。

◆8月3日
もっとも自然なことは、家庭の生活です。
 何が、家族をいっしょにするのでしょう。
 何が、いっしょに過ごす家族を育てるのでしょう。
 それは、お互いに譲り合うこと、忠実であること、
 そして、お互いに受け入れ合うことです。
」244

※お互い様。
 お互い様で譲りあって、
 いたわりあう生き方は、
 家族の中でこそ、大切なんだと思います。

 でもわりとありがちなのは、
 外でがまんしていい顔をし過ぎて、
 大切な家族に当たり散らしてしまうことです。

 そんな状況になってしまったら、
 たとえ仕事を辞めてでも、
 家族を取り戻す方をとれるだろうか。

 そこから先の生活のことを考えると、
 なかなかそれもできない。

 まずはお互いに話し合って、
 意思疎通を忘れないようにしたいです。


◆8月4日
もし父親と母親に、
 お互いの忠実さと譲り合う心がないなら、
 自分の子供たちに忠実を要求するのは、
 かなり勇気が要ることでしょう。
 今日、わたしたちが抱えている家庭生活の多くの問題は、
 ここから出ていると思います。
」245

※信じ合い。
 何ごとも、自分のことを置いておいて、
 きれいごとを話しても、
 それは伝わらないはず、
 と心得ておきたいです。

 むつかしいことかもしれませんが、
 まず家庭、まず夫婦を
 心がけたいと思います。


◆8月7日
沈黙は、祈りの美しい実です。
 言葉の沈黙だけではなく、
 心の沈黙、目の沈黙、耳の沈黙、精神の沈黙、
 私が五つの沈黙と呼んでいる、
 これらの沈黙を身につけなくてはなりません。
 さあ、あなたの五本の指を使って言ってみて、
 そして覚えてください。
」248

※沈黙がもつ、無限の広がりに。
 しゃべりすぎは体に毒です。
 これはもともとの自分に戻せばいいことなので、
 わたしにはありがたい言葉です。

 しずかに、しずかにいることで、
 自分を取り戻して、
 自分を思い出して、
 心身ともに、
 笑顔になれるようにしたいです。


◆8月19日
与えるために、
 どれだけ持っているかが問題なのではなく、
 わたしたちがどれだけ空っぽであるか、
 ということが大切なのです。
 空っぽなので、 日々、十分にいただくことができるのです。

 自分自身をみつめることをやめ、
 何も持っていないこと、
 何者でもないこと、
 何もできないことを喜びましょう。
 あなたの無があなたを脅かすときはいつでも、
 イエスさまに、大きなほほえみをささげましょう。
」261

 ※空っぽの私=元気な私

◆8月29日
死は、自分の家に帰ることですが、
 人は、何が起こるかを恐れて死にたくないものです。
 そこには良心の問題もあります。
 〈もっとよくやるべきだったのに〉と。

 私たちは生きたように死ぬものです。
 死とは人生の続きであり、 また、人生を完成させるだけでなく、
 体をお返しするに過ぎないのです。
 しかし、心と魂はずっと永遠に生き続けます。
 死なないのです。
」272

 ※魂を意識する。

◆8月30日
ご両親へ
 子供たちが、自分たちのお父さんとお母さんから、
 どのように互いに愛し合うのかを学ぶことは、
 とても大切な事です。
 学校でではなく、先生からでもなく、あなたがたから。
 あなたがたが、
 子どもたちと、ほほえみを交わす喜びを共有することも、
 とても大切です。

 意見の相違はあるでしょう。
 どんな家庭にも、辛いときや苦しいときがあります。
 そんなときは必ず、まずほほえんでゆるすこと。
 いつも朗らかで、幸せでありますように。
」273

 ※朗らかな私。まずほほえもう。

2011年6月12日日曜日

スマイルズ『向上心』第1章



サミュエル・スマイルズ(Samuel Smiles)著、竹内均 訳、
『向上心(CHARACTER)』
(三笠書房、知的生きかた文庫、2011年6月改訂新版)より

先に『自助論』を読んで、
次は『CHARAKTER』の方をと思っていたら、
都合よく竹内均さん訳の『向上心』が久しぶりに再刊されたので、
これを読んでいきます。

第1章を読んでみると、
『自助論』よりも少し取っつきにい印象ですが、
話の内容は、こちらの方が深いようです。

※印はわたし(栗木)のコメントです。


第1章 自分を大きく育てる

物事の明るい面を見るか、
 暗い面を見るかを、
 われわれは自分で選ぶことができる
」12

※心がけだけでどうにかなる部分は、
 できるだけ明るく朗らかに、
 まず前を見ることを心がけたい。
 そうしていると、
 意外にどうにかなっていくものです。


勝手に災いを予測し、
 つくり出していたのでは、
 それに克つことはできない。
 いつも災難を背負い込んでいては、
 いつかはその重みに押し潰されてしまう。
 災難に見舞われたら、
 希望を捨てずに勇敢に処理しなければならない。
」14

※前向きに生きていても、
 それなりに苦しいことはあります。

 それをあえて自分から、後ろを向いて、
 壁に向かって体当たりしていたのでは、
 苦しみだらけでどうしようもなくなるでしょう。

 辛いことの多い世の中でも、
 笑って前を向いて生きて行くことを
 信条としたいものです。


人生には、
 考え方しだいで常に二つの面がある。
 陰を選ぶか陽を選ぶかである。
」17

※不幸であるかどうかは、
 その人の心が、不幸だと感じるかどうかにかかっている。
 幸せであるかどうかは、
 その人の心が、幸せと感じるかどうかにかかっている。
 幸せか不幸せかは、自分の心の持ちようで、
 相当程度変わってくるものだ。


まず第一に朗らかであること、
 第二に朗らかであること、
 そして第三にも朗らかであることだ
』18
 (ある現代作家)

※朗らかで明るく前向きに生きることは、
 自分の内面の問題であって、
 自分の努力でどうにかなることですから、

 自分に向かって、
 前を向くこと、
 明るく楽しく生きることを語り続けていこう。


明朗さは人間を育てるための何よりの土壌である。
 それは心に明るさを、精神に弾力性を与える。
 明朗さは人間愛を生み、忍耐力を生み、
 智恵の母胎となる。
」18

※明るく朗らかであれ!
 元気がないと明るくはなれないものですが、
 少しのことであれば、
 明るく朗らかにしているうちに、
 元気が出てくるもの。

 今の自分は、
 明るく朗らかであろうか、
 日々問い直して生きるようにしたい。


朗らかさを身につけているのは何よりの強みである。」19

※少し冷静になれば、
 ブスッとして、暗く落ち込んでいたり、
 物事の悪い面ばかり見て、
 いつも怒ってばかりいるよりも、

 何があっても、
 明るく朗らかでいられる方が、
 人生幸せです。


痛風、喘息の他に七つほどの病気にかかっているが、
 それ以外はどこも故障はない
』23
 (評論家シドニー・スミス)23

※物事を前向きに捉え、
 より多くの幸せを感じられるようにするためには、
 いつも朗らかでいられるようにすることが重要である。
 朗らかなわたしを手に入れること。


朗らかさの基礎となるのは、愛と希望と忍耐力である。

 愛は愛を呼び覚まし、慈悲を生む。
 愛は惜しみなくやさしくそして誠実であり、
 善悪を見きわめるものである。

 愛は物事を明るく変え、常に幸福を追求する。
 愛は明るい考え方を育て、
 朗らかな雰囲気の中に宿る。
」23

※心身が健康でないと、
 それなりに元気がないと、
 明るく朗らかではいられない。

 心身の健康を支えるおおもとは、
 愛情である。

 愛情につつまれた生活を送っていられるのなら、
 心身はまず大丈夫。

 でもそれが、身近にないこともある。
 そんなときにも、
 それなりに自分の健康を維持して、
 明るく朗らかに生きられるようにしたい。


詩人リー・ハントは、
 『力そのものにはやさしさの半分ほどの威力もない』
 と言ったが、
 人間はまさしく、力よりも愛情によって支配されるものなのだ。
」27

※人間にとって
 愛情が決定的に大切であることは、
 少しでもそれを欠いた生活をしたことがあれば、
 すぐにわかることでしょう。

 少なくとも自分にとってはそうです。


哲学者ターレスが、
 『他には何もなくても、
  希望だけは誰もが持っている』
 と言ったように、
 確かに希望はごくあたりまえのものではある。

 しかしまた、希望は貧しい者を救う強い力であり、
 『貧しい者のパン』
 とも呼ばれてきた。
」31

※どこかに、なにがしかの希望がなければ、
 生き続けていくのは相当苦痛になる。

 何かの希望があるから、
 生きるのが楽しくなって、
 明日もがんばろう、と思える。

 自分にとっての希望とは何だろう。

 日々小さな希望を見つけて、
 少しずつ新しい扉を開いて、
 生きていけたらいいと思います。


将来への希望があればこそ、
 人はあらゆる努力と試練に立ち向かっていける
」32

※将来への希望、
 それはある程度、
 自分で切り開いていくものです。

 どこにどのように開いているのかは、
 人それぞれよくわからないものです。


希望がなければ、
 未来はどこにあるというのだ?
 地獄にしかない。
 現在はどこにあるかと問うのは愚かしいことだ。
 われわれはみなそれをよく知っているのだから。
 過去はどうだ。
 くじかれた希望だ。
 ゆえに人間社会で必要なのは、
 どこにいても希望、希望、希望なのである。
』32
 (バイロン)

※希望は与えられるものではなく、
 何気ない日常の中から、自分で見つけ出し、
 創り出すものである。

 どこにでも、
 どんなかたちでも、
 それなりに希望は創りだして行けるものです。

 目の前の現状に絶望したいときは、
 しばらく休養して、
 心をやすめて、落ちついて、自分の歩く道を考えなおし、
 新しい希望を見つけ出すといいでしょう。

 なんだっていいんです。
 とりあえず生きましょう。

【読了】ドナルド・キーン『明治天皇(二)』



ドナルド・キーン著、角地幸男訳『明治天皇(二)』
(新潮文庫、平成19年3月。初出は平成13年10月)

ほぼひと月かけて、第2巻を読了しました。

5月の後半から、新しい仕事がはじまりましたが、
今のところ読書の時間は確保できております。

淡々とした冷めた筆致で、
つまらなくなったら止めてもいいのですが、
意外におもしろいのは、やはり明治天皇という
日本人にとって興味を抱かざるをえない人物であるからでしょう。

日本の学者であれば、
おそらく叙述の端々に何かしらチクリと
左よりのコメントを加えてしまうところ、
そうした愚を犯すことがないのは、さすがです。

第2巻も興味深く読み進めることができました。
次は第3巻に入ります。