2025年11月7日金曜日

【読了】小迎裕美子 編著『胸はしる 更級日記』(KADOKAWA 2024年)

 Kindle Unlimitedで『更級日記』を読みたいと思っていた所、現代語訳でこれは!と思うものは見つからなかったのですが、興味深いマンガ版を見つけました。


菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)原作
小迎裕美子(こむかいゆみこ)編著
赤間恵都子(あかまえつこ)監修
『胸はしる 更級日記(さらしなにっき)』
(株式会社KADOKAWA、2024年10月)

取っ付きやすく、あっと読み終わりました。当時の歴史的な背景も適度に書き加えてあって、『更級日記』入門には十分。こんなに人間味のある作品だとは思いもよらず、強く興味をそそられました。先月の『伊勢物語』と比べれば、今の私には『更級日記』のほうが何倍も面白い。やはり全文の現代語訳で読み直そうと思い、現代語訳をいくつか購入しました。

2025年11月6日木曜日

【暗唱用30-39】『古今和歌集』巻第1 春歌上③

 30 〈雁のこゑを聞きて、こしへまかりける人を思ひてよめる〉
                     凡河内躬恒
春くれば雁かへるなり白雲の道行きぶりにことやつてまし


31 〈帰る雁をよめる〉
                     伊勢
春霞たつを見すてて行く雁は花なき里にすみやならへる


32 〈題しらず〉
                     読人しらず
折りつれば袖こそにほへ梅の花ありとやここにうぐひすのなく

33
色よりもかこそあはれとおもほゆれたが袖ふれしやどの梅ぞも

34
やどちかく梅の花うゑじあぢきなくまつの人のかにあやまたれけり

35
梅の花立ちよるばかりありしより人のとがむるかにぞしみぬる


36 〈むめの花を折りてよめる〉
                 東三条左大臣
鶯のかさにぬふてふ梅の花折りてかざさむ老かくるやと


37 〈題しらず〉
                    素性法師
よそにのみあはれとぞ見し梅の花あかぬ色香は折りてなりけり


38 〈梅の花を折りて人におくりける〉 
                     友則
君ならで誰にか見せむ梅の花色をもかをもしる人ぞしる


39 〈くらぶ山にてよめる〉
                      貫之
梅の花にほふ春べはくらぶ山やみにこゆれど著(しる)くぞありける



※個人的な暗唱用に。本文のテキストは、西本経一(にししたきょういち)校註『日本古典全書 古今和歌集』(毎日新聞社、1948年9月)による。解釈は今はおもに、久曽神昇(きゅうそじんひたく)全訳注『古今和歌集(一)』(講談社学術文庫、1979年9月)と、小沢正夫(おざわまさお)・松田茂穂(まつだしげほ)校注・訳『完訳 日本の古典9 古今和歌集』(小学館、1983年4月)を参照している。

2025年11月5日水曜日

【暗唱用21-29】『古今和歌集』巻第1 春歌上②

21 〈仁和のみかど、みこにおましましける時に、人に若菜たまひける御歌〉
君がため春の野にいでてわかなつむわが衣手に雪はふりつつ

(※「仁和のみかど」光孝天皇にまします。)


22 〈歌たてまつれと仰せられし時、よみてたてまつれる〉
                       貫之
かすが野のわかなつみにや白妙の袖ふりはへて人の行くらむ


23 〈題しらず〉
                 在原行平朝臣
春のきる霞の衣ぬきをうすみ山かぜにこそみだるべらなれ


24 〈寛平の御時きさいの宮の歌合によめる〉
                   源宗于朝臣
とき葉なる松のみどりも春くれば今ひとしほの色まさりけり


25 〈歌たてまつれと仰せられし時、よみてたてまつれる〉
                      貫之
わがせこが衣春雨ふるごとに野辺のみどりぞ色まさりける


26
あをやぎのいとよりかくる春しもぞみだれて春のほころびにける


27 〈西の大寺のほとりの柳をよめる〉
               僧正遍昭
浅緑糸よりかけて白露を珠にもぬける春の柳か

(※「西の大寺」にしのおほてら。羅城門の外にあつたが、いまは廃れ、東の大寺は東寺として残つてゐる。)


28 〈題しらず〉 
                      読人しらず
ももちどりさへづる春はものごとにあらたまれども我ぞふりゆく

29
をちこちのたづきもしらぬ山中におぼつかなくも喚子鳥かな



※個人的な暗唱用に。本文のテキストは、西本経一(にししたきょういち)校註『日本古典全書 古今和歌集』(毎日新聞社、1948年9月)による。解釈は今はおもに、久曽神昇(きゅうそじんひたく)全訳注『古今和歌集(一)』(講談社学術文庫、1979年9月)と、小沢正夫(おざわまさお)・松田茂穂(まつだしげほ)校注・訳『完訳 日本の古典9 古今和歌集』(小学館、1983年4月)を参照している。


2025年11月4日火曜日

【暗唱用11-20】『古今和歌集』巻第1 春歌上①

11 〈春のはじめの歌〉
                    壬生忠岑
春きぬと人はいへども鶯のなかぬかぎりはあらじとぞ思ふ


12 〈寛平の御時きさいの宮の歌合のうた〉
                    源當純
谷風にとくる氷のひまごとに打ちいづる波や春のはつ花

(※「寛平の御時きさいの宮の歌合」寛平の始め、皇太夫人班子女王の催し給うた百番の歌合。群書類従百八十に収められる。七條后といふ説は誤り。)


13
                     紀友則
花のかを風のたよりにたぐへてぞ鶯さそふしるべにはやる


14
                   大江千里
鶯の谷よりいづるこゑなくば春くることをたれかしらまし


15
                   在原棟梁
春たてど花もにほはぬ山ざとはものうかるねに鶯ぞなく


16 〈題しらず〉
                     読人しらず
野べちかく家ゐしせれば鶯のなくなるこゑはあさなあさなきく

17
かすが野はけふはなやきそわか草のつまもこもれり我もこもれり

18
み山には松の雪だにきえなくに宮こは野べのわかなつみけり

19
春日野のとぶひの野守(のもり)いでて見よ今いくかありて若菜つみてむ

20
梓弓おして春雨けふ降りぬあすさへふらばわかなつみてむ



※個人的な暗唱用に。本文のテキストは、西本経一(にししたきょういち)校註『日本古典全書 古今和歌集』(毎日新聞社、1948年9月)による。解釈は今はおもに、久曽神昇(きゅうそじんひたく)全訳注『古今和歌集(一)』(講談社学術文庫、1979年9月)と、小沢正夫(おざわまさお)・松田茂穂(まつだしげほ)校注・訳『完訳 日本の古典9 古今和歌集』(小学館、1983年4月)を参照している。

2025年11月3日月曜日

【暗唱用01-10】『古今和歌集』巻第1 春歌上0

01 〈ふる年に春たちける日よめる〉
                          在原元方
年の内に春はきにけりひととせを去年(こぞ)とやいはむ今年とやいはむ


02 〈春たちける日よめる〉
                      紀貫之
袖ひぢてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ


03 〈題しらず〉
                  読人しらず
花霞たてるやいづこみよしのの吉野の山に雪はふりつつ


04 〈二條のきさきの春のはじめの御歌〉
雪の内に春はきにけり鶯のこほれる涙いまやとくらむ

(※「二條のきさき」清和天皇の皇后。中納言長良の御女。御名高子。)


05 〈題しらず〉
                  読人しらず
梅がえにきゐる鶯春かけてなけどもいまだ雪はふりつつ


06 〈雪の木にふりかかれるをよめる〉
                  素性法師
春たてば花とや見らむしら雪のかかれる枝に鶯のなく


07 〈題しらず〉
                     読人しらず
心ざしふかくそめてしをりければ消えあへぬ雪の花とみゆらむ
 〈ある人のいはく、さきのおほきおほいまうちぎみの歌なり〉

(※「さきのおほきおほいまうちぎみ」太政大臣藤原良房。)


08 〈二條のきさきの東宮のみやすむ所ときこえける時、正月三日おまへに召しておほせごとあるあひだに、日は照りながら雪のかしらにふりかかりけるをよませ給ひける〉
                     文屋康秀
春の日のひかりにあたる我なれどかしらの雪となるぞわびしき


09 〈雪のふりけるをよめる〉
                   紀貫之
霞たちこのめも春の雪ふれば花なき里も花ぞちりける


10 〈春のはじめによめる〉
                      藤原言直
はるやとき花やおそきとききわかむ鶯だにもなかずもあるかな



※個人的な暗唱用に。本文のテキストは、西本経一(にししたきょういち)校註『日本古典全書 古今和歌集』(毎日新聞社、1948年9月)による。解釈は今はおもに、久曽神昇(きゅうそじんひたく)全訳注『古今和歌集(一)』(講談社学術文庫、1979年9月)と、小沢正夫(おざわまさお)・松田茂穂(まつだしげほ)校注・訳『完訳 日本の古典9 古今和歌集』(小学館、1983年4月)を参照している。