2025年5月19日月曜日

【読了】マンガで読む名作『地獄変・河童』(日本文芸社、2009年7月)

  Kindle Unlimited で芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ。1892年3月~1927年7月)の漫画版はないかと探してみました。数学者岡潔(おかきよし。1901年4月~1978年3月)のエッセイで芥川龍之介を絶賛するのを見て以来、たびたび読む機会を持っているものの、いまださほどの魅力は感じられずに、読まずじまいの作品が多数。いっそ漫画でストーリーだけでも知られればと思い、手に取ってみました。


芥川龍之介 原作
地引かずや(じびきかずや)漫画
『マンガで読む名作 地獄変・河童』
(日本文芸社、2009年7月)

「地獄変(じごくへん)」は1918年5月1日から22日まで『大阪毎日新聞』『東京日日新聞』誌上に連載された後、翌年1919年1月に刊行された第3作品集『傀儡師(かいらいし)』に収録された作品。「河童(かっぱ)」は雑誌『改造』の1927年3月号に掲載された作品です。

 どちらもあまり好きではない作風。でも「地獄変」は本来、絵では描けないはずのものを文学に落とし込んでいるので、原作のほうが凄みを感じられるように思いました。「河童」はマンガで読めば十分な印象。ユーモアよりも、当時の追い詰められた作者の精神が映し出されているようで、その点興味を唆られる作品でした。

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