2025年5月21日水曜日

【読了】まんがで読破『或阿呆の一生』(イースト・プレス、2009年12月)

   Kindle Unlimited による芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ。1892年3月~1927年7月)の漫画版。3冊目は「或阿呆の一生」「歯車」を収める1冊を読みました。

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芥川龍之介 原作
バラエティ・アートワークス 漫画
『まんがで読破 或阿呆の一生』
(イースト・プレス、2009年12月)
 ※電子版の巻末に「2021年7月25日 電子書籍版改訂」とあり。

「或阿呆の一生(あるあほうのいっしょう)は没後間もなく、雑誌『改造』1927年1月号に掲載。もとは51章の短い断片からなる自伝的な作品で、芥川の一生としてマンガでわかりやすく描き直されていました。芥川がここまでの心の闇を抱えて生きていたとは知らなかったので、あらすじだけでも知られて良かったです。好んで自分から読みたいと思う作風ではありませんが、芥川の晩年(とはいえまだ30代前半!)の作品に見られる精神的な歪みがどこから来たのかがわかり、たいへん興味深く読むことができました。

「歯車(はぐるま)」は亡くなる直前、雑誌『大調和』1927年6月号に第一章のみ掲載。没後『文藝春秋』1927年10月号に全章が掲載されました。精神の歪みをそのまま描写してあるので、私は好きではありません。マンガであらすじだけ知られれば十分に感じました。

 晩年の芥川の作品群から感じられる精神の歪みは根の深いもので、そうよそおっていた訳ではないように感じました。

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