今年もありがたいことに、忙しい夏を送らせていただいています。夏期講習の折、論文に集中する時間はなかなか作れませんが、立ち止まってしまうことのないように、牛歩の日々を続けています。
「九条本『官奏抄』の成立」に関する「論文A」は、少し寝かせたほうがよい段階に来たので、しばらく棚上げすることにしました。その間、論文Aの中から『北山抄』の成立にかかわる部分を切り離し、「論文B」としてかたちにしていく予定です。論文A・Bはそれほど日を置かずに発表する必要があるので、論文Bのほうもそろそろ書き出すべきと考えました。
最近は『北山抄』の代表的な先行研究を精読したり、見落としていた論文の遠隔複写を国会図書館にたのんだり、基礎作業を積み重ねていました。『西宮記』と比べれば、『北山抄』のテキストの問題はある程度解決されているので、その内容を読み解く研究も蓄積されつつあるのが印象に残りました。『西宮記』もかくありたい。
この他、「雑類略説」についての再論、無追記本『西宮記』の成立に関する論文、『清涼記』と『新儀式』の関係についての論文など、ぜひとも書かねばならぬと思いつつ、まとまった執筆時間をとれないのが悩ましいところです。十余年先(引退後)の楽しみに取っておいても良いのですが、60をこえたらどれくらい頭が回るのかわからないので、できるだけ今のうちに形にしておきたいものです。
数日の休暇の後、夏期講習の後半へと、気を引き締めて参ります。