2014年5月26日月曜日

【読了】William Shakespeare, Much Ado About Nothing (OBW Stage2)

やさしい英語の本、通算74冊目、
Oxford Bookworms の Stage2(700語レベル)の7冊目は、

イングランド王国の劇作家
ウィリアム・シェイクスピア(1564.4-1616.4)の
戯曲『から騒ぎ』を読みました。

シェイクスピア36歳の時(1600年)に出版された作品です。


William Shakespeare
Much Ado About Nothing

Retold by Alistair McCallum
(Oxford Bookworms Stage2)
This simplified edition (c)Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms 2000
5,687語


『から騒ぎ』
これまでまったく読んだことがなかったのですが、

最近読んだ
『ロミオとジュリエット』『ハムレット』と同じ、
オックスフォード・ブックワームズのステージ2から出ていたので、
手にとってみました。

初めて読む作品でしたが、

他の2作品と同じように、
すっきりと全体を見通すことができて、
軽妙な恋愛喜劇として楽しむことができました。

楽に愉しめることでは、
これが一番なようにも思いました。


翻訳は、
河合俊一郎(かわいしゅんいちろう)氏のがまだ出ていないので、

小田島雄志(おだしまゆうし)氏
松岡和子(まつおかかずこ)氏の翻訳を手に入れてあります。


小田島雄志訳
『シェイクスピア全集 から騒ぎ』
(白水Uブックス、昭和58年10月)


松岡和子訳
『シェイクスピア全集17 から騒ぎ』
(ちくま文庫、平成20年10月)

全訳となると、
やはり多少軽妙さが犠牲になるようで、
どちらを読もうか思案しているところです。

河合祥一郎氏の新訳・演出による
『から騒ぎ』公演が最近(4/27-29)行われたようなので、

予定があるのかは知りませんが、そのうちきっと、
角川文庫の続刊として出版されるはずだと期待しております。


※通算74冊目。計580,139語。

2014年5月20日火曜日

【読了】Rudyard Kipling, The Jungle Book (OBW Stage2)

やさしい英語の本、通算73冊目、
Oxford Bookworms の Stage2(700語レベル)の6冊目は、

イギリスの小説家
ラドヤード・キプリング(1865.12-1936.1)の
小説『ジャングル・ブック』を読みました。

キプリング28歳の時(1894)に第1部、
29歳の時(1895)に第2部が出版されました。


Rudyard Kipling
The Jungle Book

Retold by Ralph Mowat
(Oxford Bookworms Stage2)
This simplified edition (c)Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms 1997
6,510語


昨年の7月に、
ペンギン・リーダーズのレベル2(600語レベル 計8,298語)で読んで以来、
2冊目の『ジャングル・ブック』です。

ほぼ同じくらいの読みやすさで、
難なく読み通すことができました。


ジャングルに生きるオオカミ少年が、
人間社会のムラと対峙していく設定は、

今読むと、

現実のジャングルと
人々との関係ともまた違っていて、

あくまでイギリス人キプリングの眼から観たインド、
ジャングルを反映しているようで、

話の内容に多少の古さを感じました。


他にあまり類例のないお話なので、
キプリング独特のおもしろさがわかるまでに、
もう少し時間がかかるのかもしれません。


翻訳は、


金原瑞人訳
『ジャングル・ブックⅠ・Ⅱ』
(偕成社文庫、平成2年7月)

を読んでいるところです。

素敵な表紙ですが、

実際に読み進めてみると、
金原氏の他の翻訳と比べて、
多少堅さがあるようにも感じています。

この際、
他の翻訳も集めて、
読み比べてみようかなと思っています。


※通算73冊目。計585,103語。

※Wikipediaの「ラドヤード・キップリング」「ジャングル・ブック(小説)」の項目を参照。

【読了】モンゴメリ著(掛川恭子訳)『アンの青春』〔講談社〕

先月に引き続いて、

カナダの作家
ルーシー・モード・モンゴメリ(1874.11-1942.4)の
小説『アンの青春(原題 Anne of Avonlea アヴォンリーのアン)』を読みました。

アン・シリーズの第2作であり、

モンゴメリーが
34歳の時(1909年9月)に出版された作品です

第1作『赤毛のアン』は、
30歳の時(1905年10月)に完成し、
33歳の時(1908年 6月)に出版されているので、

第1作の1年3ヶ月後に出版された作品ということになります。


ルーシー・モード・モンゴメリ著
掛川恭子(かけがわやすこ 1936.1- )訳
『完訳赤毛のアン シリーズ2 アンの青春』
(講談社、平成2年5月)

 ※『完訳クラシック 赤毛のアン2 アンの青春』
  (講談社、平成11年5月)に再録。

 ※『完訳クラシックス 赤毛のアン2 アンの青春』
  (講談社文庫、平成17年5月)に再録。


掛川氏54歳の時に出版された翻訳です。

初出時の単行本にのみ、
巻末にあとがき 「モンゴメリーとアンの島の人たち」を載せてあります。


最初のうち、
多少手探りというか、
展開が読めないところがあったのですが、

後半に入るあたりから持ち直して、
感動のうちに最後まで読み終えることが出来ました。

前回初めて読んだ時の記憶はほとんど消えていたのですが、
2度目の熟読で、おおよそのあら筋は理解できました。


大人に近づくに連れて、
子供時代のアン独特の魅力が薄れていく側面もあるのですが、

その点も含めて、
アンの成長を楽しんでいければ良いのかな、
と思っています。


なお、今でいえば高校生の年齢で、
小中学校の教師として働くという状況は、
今の日本ではあり得ない話なので、

当時のカナダの教育制度がどんなだったのか、
興味深かったのですが、まだ未解決です。

もう一つ、第24章に出て来る
「エイブおじさんの嵐」の描写が真に迫っていたので、
これは実際にあった災害を背景にしているのか、
興味がありました。これも未解決です。


最近、
『赤毛のアン』関係の書籍が
いろいろと出版されているので、
どこかで言及されていないか探していみます。

それでは次は第3冊目、
『アンの愛情』を読んでいきます。

2014年5月17日土曜日

【読了】シェイクスピア著(河合祥一郎訳)『新訳 ハムレット』〔角川文庫〕

先日やさしい英語で読んだのを受けて、
完訳で、

イングランドの劇作家
ウィリアム・シェイクスピア(1564.4-1616.4)の
戯曲『ハムレット』を読みました。

シェイクスピア39歳の時(1603)に初めて出版された作品です。


ウィリアム・シェイクスピア著
河合祥一郎(かわいしょういちろう)訳
『新訳 ハムレット』
(角川文庫、平成15年5月)


『ハムレット』には版の問題があります。
(巻末「訳者あとがき」221・222頁を参照。)

初版本の
1603年の第1クォート版〔Q1:約2,154行〕は、
テクストの乱れがひどく、不完全なものとして、
ふつう底本とされることはありません。

信頼できる版には、
1604年の第2クォート版〔Q2:約3,674行〕と、
1623年のフォリオ版〔F:約3,535行〕の2つがあります。

それまでの翻訳の多くは、
Q2とFの折衷版を底本としてきたのですが、

草稿レベルのQ2に、
シェイクスピアが改訂を加えて上演用のFができた、

という考え方から、

Fを翻訳の底本とし、
Q2固有のセリフは脚注に盛り込む

というスタイルで翻訳されたのが本書です。


本書は、

平成15年(2003)8-9月に行われた、
狂言師 野村萬斎(のむらまんさい 1966.4-)氏が主演する
「ハムレット」公演のために、

河合祥一郎氏が訳した台本をもとに、
公演でカットされた部分を補った上で、

平成15年5月に刊行されたものです。


パッと見、小さめの活字で
読みにくそうだったのですが、

実際に読んでみると、
言葉の感覚に独特の冴えがあって、
読んでいてカッコイイ!と感じる翻訳でした。


公演台本の部分は、
野村萬斎氏が「徹底的に吟味」され、
二人の共同作業によって仕上げられたそうなので、

そうした経緯が、
本書の読みやすさに
影響を与えているように感じました。



最初に『ハムレット』を読んだのは、
安西徹雄(あんざいてつお)氏の翻訳でした。


安西徹雄 訳
『ハムレットQ1』
(光文社古典新訳文庫、平成22年2月)

上記Q1を底本としてある点で、
かなり特色のある翻訳なのですが、

この時はまだQ1どころか、
シェイクスピアといわれても何もわからない状態でしたので、

難なくすらすら読み通せたこと以外、
どんな内容だったのか余り記憶に残っていません。



続いて読んだのは、
福田恆存(ふくだつねあり)氏の翻訳でした。


福田恆存訳
『ハムレット』
(新潮文庫、昭和42年9月。改版、平成22年10月)
 ※初出は『シェイクスピア全集10 ハムレット』(新潮社、昭和34年10月)

日本語のリズムを重視した訳文で、
実際の舞台を観るような雰囲気があって、
まずまず楽しめた記憶があります。

ただし今となっては古めの言い回しが多く、

現在の日本語として
多少の読みにくさを感じさせる訳文だと思います。


ほかに現代の翻訳として、
読みやすさで抜きん出ていたのは、

小田島雄志(おだしまゆうし)氏と
松岡和子(まつおかかずこ)氏のおふたりなのですが、

まだ読み通していません。

もう購入してあるので、
少し時間を置いてから挑戦しようと思っています。

2014年5月12日月曜日

【読了】William Shakespeare, Hamlet (OBW Stage2)

やさしい英語の本、通算72冊目、
Oxford Bookworms の Stage2(700語レベル)の5冊目は、

イングランド王国の劇作家
ウィリアム・シェイクスピア(1564.4-1616.4)の
戯曲『ハムレット』を読みました。

シェイクスピア39歳の時(1603年)に出版された作品です。


William Shakespeare
Hamlet

Retold by Alistair McCallum
(Oxford Bookworms Stage2)
This simplified edition (c)Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms 2004
5,945語


最近、同じシリーズの
『ロミオとジュリエット』を読んだところですが、

その時と同じく
わかりやすい英語で、
『ハムレット』の全体的な流れを把握することができました。

戯曲はふだん読み慣れていない分、
独特の読みにくさがあるのですが、
そんな私でも楽しみながら読み通すことができました。


2年ほど前に、
福田恆存(ふくだつねあり)氏の翻訳で読み、
それなりに感銘を受けていたはずなのですが、

よくわからなかったところもあったので、
今回初めて『ハムレット』の全体像をつかめた気がします。


翻訳は、
『ロミオとジュリエット』の時と同じく、
河合祥一郎(かわいしょういちろう)氏のを購入し、
読み始めたところです。


シェイクスピア著
河合祥一郎 訳
『新訳 ハムレット』
(角川文庫、平成15年5月)

読みやすさでは、
小田島雄志(おだしまゆうし)氏と
松岡和子(まつおかかずこ)氏の翻訳も捨てがたいのですが、

読んでいて一番歯切れがよく、
かっこいい感じがしたのは河合氏の翻訳でした。


※通算72冊目。計567,942語。

※Wikipediaの「ウィリアム・シェイクスピア」「ハムレット」の項目を参照。