2016年9月29日木曜日

【141冊目】Fiona Beddall, A History of Britain (PR Level 3)

やさしい英語の本、通算141冊目は、
ペンギン・リーダーズのレベル3(1200語レベル)の11冊目として、

英語学習者向けに
やさしい英語の本を執筆されている
フィオナ・ベダル氏による
歴史の入門書『イギリスの歴史 A History of Britainを読みました。


Fiona Beddall
A History of Britain

〔Penguin Readers Level 3〕
First published 2006
This edition published 2008
8,500語

やさしい英語の本を読み進めているので、
イギリスとアメリカの歴史はそれなりに知っておきたいと思っています。

まずはイギリスの歴史について、
簡単な入門書を読んでみることにしました。

さすがに何も知らなくては読みづらいと思い、
日本語でも入門書を1冊読んだ上での挑戦だったので、
難なく読み通すことができました。

日本でいえば、
小学校で習う日本史くらいの、
重要なところを手際よく整理してあるので、
最初の1冊にお薦めです。

高校の世界史を多少かじったことがある方なら、
ほんの少しインターネット検索の力をかりれば、
難なく読み通せるレベルだと思います。


日本語による入門書としては、
『イギリスの歴史が2時間でわかる本』
がもう少し詳しい記述になっていて、
一番お薦めです。

さすがに2時間では読めませんが、
急げば2日、のんびり読んでも2週間はかからずに読み通せるはずです。


歴史の謎を探る会編
『イギリスの歴史が2時間でわかる本』
(KAWADE夢文庫、2012年5月)

新書版では、
岩波新書の近藤和彦著『イギリス史10講』や、
中公新書の君塚直隆著『物語 イギリスの歴史』も手に入れましたが、

高校レベルの西洋史の知識があることを前提に、
イギリス史の基本を理解してから読んだら面白そうな内容だったので、
まったくの初心者には難しかったです。
しばらく積み上げておくことにしました。


近藤和彦(こんどうかずひこ)著
『イギリス史10講』
(岩波書店、2013年12月)


君塚直隆(きみづかなおたか)著
『物語 イギリスの歴史(上・下)』
(中公新書、2015年5月)

今は当初の予定通り、
指昭博著『はじめて学ぶイギリスの歴史と文化』を読み進めている所です。
『2時間でわかる本』を少し充実させたくらいの内容で、
これを最初の1冊としても問題ないように感じています。


指昭博(さしあきひろ)著
『はじめて学ぶイギリスの歴史と文化』
(ミネルヴァ書房、2012年7月)

これが終わったら、
指氏のもう1冊の通史も読もうと思っています。


指昭博(さしあきひろ)著
『図説 イギリスの歴史』
(河出書房新社〔ふくろうの本〕、2002年2月。増補新版、2015年6月)

もう少しいろいろ読み進めた上で、
あらためてお薦めの概説を整理する予定です。


※第141冊目。総計1,234,666語。


2016年9月11日日曜日

【140冊目】William Shakespeare, A Midsummer Night's Drean (PR Level 3)

やさしい英語の本、通算140冊目は、
ペンギン・リーダーズのレベル3(1200語レベル)の10冊目として、

イングランドの劇作家
ウィリアム・シェイクスピア
(William Shakespeare 1564.4-1616.4)の
喜劇『夏の夜の夢』を読みました。

推定執筆年は1595-6年、初版は1600年とされているので、
シェイクスピア30代初めの作品ということになります

※河合祥一郎『あらすじで読むシェイクスピア全作品』(祥伝社新書、2013年12月)107頁参照。


William Shakespeare
A Midsummer Night's Dream

Retold by Chris Rice
〔Penguin Readers Level 3〕
First published by Penguin Books 2005
This edition published 2008
12,290語

昨年(2015)5月に、
 オックスフォード・ブックワームズのステージ3
 (1000語レベル/総語数11,167語)

今年7月に、
 ペンギン・リーダーズのレベル3
 (1200語レベル/総語数13,148語)
  ※4話収録の短編集なので1話3000語ほど。

で読んでいるので3回目の『夏の夜の夢』です。


  ***

翻訳は以前に、
新潮文庫の福田恆存(ふくだつねあり)訳、
白水uブックスの小田島雄志(おだしまゆうし)訳、
ちくま文庫の松岡和子(まつおかかずこ)訳に目を通した上で、

一番読みやすかった角川文庫の
河合祥一郎(かわいしょういちろう)氏をすでに読み終えています。



河合祥一郎訳
『新訳 夏の夜の夢』
(角川文庫、2013年10月)
 ※巻末に、「この翻訳による初演は、2012年4月22日、シェイクスピア祭(聖心女子大学宮代ホール)で新国立劇場演劇研修所卒業生・研修生による朗読劇として行われた(大幅なカットを加え、上演時間100分に収めた)」とある。


今回はさらに映画もと思い、
1935年(昭和10年)にアメリカ合衆国で制作、公開された映画を観てみました。




廉価版で手に入れた10枚組DVDの1枚です。

今から80年も昔の作品なのであまり期待していなかったのですが、
予想外に、最後まで飽きることなく楽しむことができました。

絢爛豪華に仕上げた昔の舞台をそのまま観ているようで、
『夏の夜の夢』を観るのが初めての方にもお薦めできます。

監督は
マックス・ラインハルト
(Max Reinhardt, 1873-1943)と、
ウィリアム・ディターレ
(William Dieterle, 1893-1972)のお二人。

音楽は、
オーストリアとアメリカで活躍されたクラシックの作曲家
エーリヒ・ヴォルフガング・コンゴルド
(Erich Wolfgang Korngold, 1897-1957)
が担当。

メンデルスゾーンの音楽を巧みに用いて、
センスのある映画音楽に仕上がっていました。

コンゴルド本人の作品も聴いてみたくなりました。


 ***

語彙数が増えて来て、
まだ日本語を読むようにスラスラとは読めないのですが、

あらすじもよくわかっているので、
ほぼ辞書なしで楽しみながら読み進めることができました。

400年も前の作品なのですが、
2度3度と繰り返し読むにつれ、
シェイクスピアって面白い!と自然に思えるようになって来ました。

いずれは原文でも読めるようになりたいな、
と思い始めているところです。


※第140冊目。総計1,226,166語。


2016年9月10日土曜日

【読了】シェイクスピア著(安西徹雄訳)『リア王』(光文社古典新訳文庫)

イギリスの劇作家
ウィリアム・シェイクスピア
(William Shakespeare 1564.4-1616.4)の
悲劇 『リア王』を読みました。

推定執筆年は1605-6年、初版は1608年なので、
シェイクスピア40代初めの作品ということになります


シェイクスピア著
安西徹雄(あんざいてつお)訳
『リア王』
(光文社古典新訳文庫、2006年9月)

※1976年10月以降に、安西氏が演劇集団「円」において、「翻訳ないし翻案し、みずから演出にあたってきた」複数の演劇の上演台本をおさめた電子ブック「BBC文庫」での翻訳をもとにする。ただし上演台本の場合、「上演時間はほぼ二時間半、いくら長くとも三時間は超えないように、原文を大幅にカット、圧縮しなくてはならなかった」ので、「この古典新訳文庫版は、BBC版とは違って、あくまでカットなしの完訳版である。上演台本としてカットした部分は四割ほどだが、今回新しく訳して完全に補ってある。」(「訳者あとがき」文庫272頁)

やさしい英語で読む前にと思ったのですが、
それより後に読み終わりました。

一気に読めば恐らく数日で読めるはずですが、
8月は忙し過ぎたので、
細切れの時間を見つけて一月ほどで読み終えました。

翻訳は、日頃親しんでいる
河合祥一郎訳はまだ出てなかったので、

 新潮文庫の福田恆存訳、
 白水uブックスの小田島雄志訳、
 ちくま文庫の松岡和子訳

と読み比べた上で、
圧倒的に読みやすかった
光文社古典新訳文庫の安西徹雄訳を選びました。

翻訳らしい ぎこちなさを感じる所がほとんどなく、
もとから日本語で書かれた作品のように、
違和感なく読み通すことができました。

どろどろした悲劇は
どちらかといえば苦手なのですが、

人の心の醜い部分をこれでもかとえぐり出しながら、
先へ先へと読み進めたくなる不思議な魅力があって、

シェイクスピアって凄い!
と思い直しました。

ただただ人の醜さを描くのみではない、
人間の肯定的な側面を、裏の裏から見通していく
とんでもない作品だと思いました。


リア王には漫画版も出ています。


シェイクスピア(原作)
バラエティ・アートワークス(企画・漫画)
『リア王 まんがで読破』
(イースト・プレス、2008年5月)

原作通りにわかりやすく、
かといって学習漫画風でつまらない訳でもなく、
魅力的な漫画に仕上がっていると思います。

作品をもうよくわかっている方には物足りないかもしれませんが、
一番最初のとっかかりには最適な内容でした。

2016年9月5日月曜日

【読了】『イギリスの歴史が2時間でわかる本』(KAWADE夢文庫)

もうすぐやさしい英語で、
イギリスの歴史を読む予定なので、
とりあえず最低限の知識をと思い、
日本語で書かれたイギリス史の概説を探しています。

最初の1冊を読み終えたので、
ここに記しておきます。


歴史の謎を探る会編
『イギリスの歴史が2時間でわかる本』
(KAWADE夢文庫、2012年5月)

他のどの概説よりも、
コンパクトにわかりやすくまとめてあるので、

まったく初心者の私でも、
2週間ほどで最後まで読み通せました。

恐らく休みなく読み続けるのなら「2日間」くらいで読めますが、
2時間は無理でしょう。

昔やっていたように、
黄色のマーカーを片手に、
大事なところに線をひきながら読み進めました。

日本史でいうと、
小中学生向けの簡単な教科書レベルでしょうか。

はじめは、
誰か一人で書いた概説をとも思っていたのですが、

独りよがりにならない分、
最初の1冊としてはバランスもよく取れていて、
入門書にもってこいだと思います。


引き続いて読もうと思っているのは、
指昭博(さしあきひろ)氏による1冊です。



指昭博(さしあきひろ)編著
『はじめて学ぶイギリスの歴史と文化』
(ミネルヴァ書房、2012年7月)

大学1年時の教養科目で、
取り急ぎ1年でイギリス史を学ぶための
よくできたテキストといった感じです。

指氏にはもう1冊概説が出ています。
『はじめて』よりは記述が細かく、
まったくの初心者には少し難しい印象でした。



指昭博(さしあきひろ)著
『図説 イギリスの歴史』
(河出書房新社〔ふくろうの本〕2002年2月。増補新版、2015年6月)

そのほかいろいろ手に入れてあるのですが、
読まずに積んである状態なので、
ある程度読んだ上で改めてまとめたいと思います。