2018年10月30日火曜日

【192冊目】Rosemary Sutcliff, The Eagle of the Ninth(Oxford Bookworms Stage 4)

やさしい英語の本、通算192冊目は、
オックスフォード・ブックワームズの
レベル4(1,400語レベル)の6冊目として、

イギリスの作家
ローズマリー・サトクリフ
(Rosemary Sutcliff, 1920年12月14日- 1992年7月23日)の
歴史小説『第九軍団のワシ』を読みました。

著者33歳の時(1954年)に出版された作品です


Rosemary Sutcliff
The Eagle of the Ninth

Retold by John Escott

〔Oxford Bookworms Level 4〕
This simplified edition (c) Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms 1995
14,950語

サトクリフの作品は、
3年程前、岩波少年文庫の目録を眺めている時に、
「ローマン・ブリテン四部作」と呼ばれる
 『第九軍団のワシ』
 『銀の枝』
 『ともしびをかかげて』
 『辺境のオオカミ』
の書名をみたのが初めでした。

子供向けの歴史小説なら、
イギリス史に素人の私でも読めるかもと思い、
翻訳で『第九軍団のワシ』を手に入れました。


猪熊葉子(いのくまようこ)訳
『第九軍団のワシ』
(岩波少年文庫、2007年4月)

いざ読んでみると、
イギリス史の基本すら学んでいない私にはやや難しく、
途中で読むのを止めていました。

その後わずかながら、
イギリスやローマの歴史の勉強を進めきて、
今回やさしい英語での再挑戦となりました。

やはり背景となる史実を知らないと、
読みづらくなるかもしれませんが、
15,000語ほどに要約されているので、

翻訳を横に置いて、
わかりにくいところを確認しながら、
最後まで読み通すことができました。

なお塩野七生(しおのななみ)氏の
『ローマ人の物語』に記述はないか調べてみると、
第9巻「賢帝の世紀」
第2部「皇帝ハドリアヌス」のなかに
「ブリタニア」の項を立てていて、
わずかに記述されているのを見つけました(249-255頁)。

塩野七生著
『賢帝の世紀 ローマ人の物語Ⅸ』
(新潮社、2000年9月)

直接関係はないのですが、
背景を知る手助けにはなりました。


一つ壁を越えたので、
また次の一冊に挑戦したいところですが、
サトクリフの作品、読んでいて多少冗長な感じがして、
まだそこまで惹かれていない自分がいるのも確かです。

少し時間を置いてから、
また機会があれば挑戦してみようと思います。


※第192冊目。総計2,004,899語。

 ようやく200万語に到達しました!

 2011年9月に第1冊目に取り掛かってから、
 毎月2冊ほどのペースで読み進め、

 それから2年5ヶ月後の
 2014年2月に50万語(64冊目)、

 それから1年10ヶ月後の
 2015年12月に100万語(122冊目/+58冊)、

 それから1年7ヶ月後の
 2017年7月に150万語(160冊目/+38冊)を
 それぞれこえてきました。

 今回はそれから1年3ヶ月後の
 2018年10月に200万語(191冊目/+31冊)
 に到達しました。


 100万語刻みで言い直すと、
 2011年9月に第1冊目をスタートし、

 それから4年3ヶ月後の
 2015年12月に100万語(122冊目)、

 それから2年10ヶ月後の
 2018年10月に200万語(191冊目/+69冊)
 に到達したことになります。

 現状では、高1、高2のリーダーなら、
 かなり自由に読めるようになって来ましたが、

 大学受験レベルの英文だと、
 まだ日本語を読むようにすらすらとは読めません。

 やはり100万語を読み終えた頃からの予想通り、
 300万語越えが一つの目安になるようです。

 今のペースで続けられるなら、
 恐らく2年半くらいで実現できそうなので、
 ぜひそこまでは記録を残しながら、気長に続けたいなと思っています。



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2018年10月15日月曜日

【191冊目】Jerome K. Jerome, Three Men in a Boat(Oxford Bookworms Stage 4)

やさしい英語の本、通算191冊目は、
オックスフォード・ブックワームズの
レベル4(1,400語レベル)の5冊目として、

イギリスの作家
ジェローム・K・ジェローム
(Jerome Klapka Jerome, 1859年5月2日-1927年6月14日)の
小説『ボートの三人男』を読みました。

著者30歳の時(1889年9月)に出版された作品です


Jerome K. Jerome
Three Men in a Boat

Retold by Diane Mowat

〔Oxford Bookworms Level 4〕
This simplified edition (c) Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms 1990
18,055語

オックスフォード・ブックワームズの、
レベル4(1,400語レベル)の目録を眺めている時に、
何となく気になった1冊です。

『ボートの三人男』という書名はもとより、
ジェローム・K・ジェロームという作家の名前すら知らなかったのですが、

「いまだ世界で愛読されている英国ユーモア小説の古典」
という中公文庫の紹介文をみて
(丸谷才一訳『ボートの三人男』中公文庫)、
挑戦してみることにしました。

実際に読んでみると、

気心の知れた仲間三人で、
ボートに乗ってテムズ川を上る船旅を、
軽めの冗談をふんだんに散りばめながら
面白おかしく綴ってある小説で、
気楽に読み進めることができました。

ユーモアとはいっても、
今から130年前の品のある笑いなので、
そこまで刺激的なものではなく、
日本の『東海道中膝栗毛』を少し真面目にしたような印象でした。


高校などのリーダーにちょうど良いような気がしました。


  ***

ボートで川上りの経験はなく、
イギリスの地名にも詳しくないので、
一部何を言っているのかわからない所も出て来ました。

翻訳は、
丸谷才一(まるやさいいち)氏のものに定評がありますが、
ごく最近、小山太一(こやまたいち)氏の新訳も出たことを知り、
そちらも手に入れてみました。


丸谷才一(まるやさいいち)訳
「ボートの三人男 ― 犬は勘定に入れません」
(筑摩書房〔世界ユーモア文学全集 第11〕筑摩書房、1961年10月)

 ⇒『ボートの三人男 ― 犬は勘定に入れません』
  (筑摩書房〔世界ユーモア選〕1969年6月◇208頁)

 ⇒『ボートの三人男 ― 犬は勘定に入れません』
  (筑摩書房〔世界ユーモア文庫4〕1977年12月◇208頁)


 ⇒『ボートの三人男』
  (中公文庫、1976年7月。改版、2010年3月◇321頁)



小山太一(こやまたいち)訳
『ボートの三人男 もちろん犬も』
(光文社古典新訳文庫、2018年4月◇398頁)

丸谷訳でも十分読めますが、
小山訳のほうがより現代の感覚に近く、
すらすら読み進めることが出来ました。
地図や年譜も完備しているので、
個人的には小山訳のほうをお薦めします。


丸谷訳が有名ですが、
本邦初訳というわけではなく、
1911年に浦瀬白雨(うらせはくう)氏によって翻訳され、
のちに岩波文庫にも入っています。

浦瀬白雨(うらせはくう)訳
『のらくら三人男』
(内外出版協会、1911年5月◇441頁)

 ⇒『ボートの三人男』(岩波文庫、1941年7月◇294頁)

そのほか児童向けの編訳が1点見つかりました。

森いたる 訳・文
「ボートの三人男」
(『少年少女世界の名作文学8 イギリス編6』小学館、1966年4月)

 ⇒『少年少女世界の名作文学4 イギリス編5・6』(小学館、1977年5月)

これらは未見なので、
確認できしだい情報を書き加えていきます。


※第191冊目。総計1,989,949語。




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