2018年3月30日金曜日

【178冊目】Daniel Defoe, Robinson Crusoe(Ladder Series Level 2)

やさしい英語の本、通算178冊目は、
IBCパブリッシング・ラダーシリーズの
レベル2(1300語レベル)の16冊目として、

イギリスの小説家
ダニエル・デフォー
(Daniel Defoe, 1660年9月~1731年4月)の
小説『ロビンソン・クルーソー』を読みました。

著者58歳の時(1719年4月)に出版された作品です


Daniel Defoe
Robinson Crusoe
 ロビンソン・クルーソー[新版]

〔Ladder Series Level 2〕
IBC Publishing,Inc. 2013年9月
15,350語 ※編訳者の記載なし。


[新版]とあるので調べてみると、
旧版は2006年11月に同シリーズのレベル3として刊行されていました。

レベルが異なりますが、見比べてみると、
同じ章構成のうえ文章もよく似ているので、

旧版(レベル3)を簡略化して[新版](レベル2)ができたことがわかります。


やさしい英語では、

2013年7月に
ペンギン・リーダーズの
レベル2(600語レベル/9,711語)、

2014年6月に
オックスフォード・ブックワームズの
ステージ2(700語レベル/6,830語)

で読んで以来なので、
3回目の『ロビンソン・クルーソー』になりました。


 ***

小学生のころに、
夢中になって繰り返し読んだ物語なので、

既知のストーリーを楽しみながら、
どんどん読み進めることができました。

デフォーの創作ですが、
あたかも実際に起こったことを、
一つ一つ記録するように書かれているので、

その場で書かれた日記を読むような、
臨場感豊かな印象を受けました。


翻訳は、5年程前に、
武田将明(たけだまさあき)氏による
全訳を読んでみたところ、

読みやすい訳文にもかかわらず、
原文そのままの構成では
多少冗長で、まどろっこしい印象が残りました。


武田将明(たけだまさあき)訳
『ロビンソン・クルーソー』
(河出文庫、2011年9月◇499頁)

今回は、
海保眞夫(かいほまさお)氏の編訳を隣において
読み進めたのですが、

原文をよく吟味し、
冗長な部分をうまく整理した
知的な読みやすい翻訳に仕上がっていました。


海保眞夫(かいほまさお)訳
『ロビンソン・クルーソー』
(岩波少年文庫、2004年3月◇349頁)

なお以前は活字が小さくて、
老眼が入りかけている身には読みづらかった

 岩波文庫の平井正穂(ひらいまさお)訳、
 新潮文庫の吉田健一(よしだけんいち)訳

の2編は、
改版して活字が大きくきれいになり、
かなり読みやすくなりました。

これなら少し昔の訳でも読めるかなと思っているところです。


※第178冊目。総計1,787,853語。


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2018年3月15日木曜日

【177冊目】R.S.Stevenson, Dr.Jekyll and Mr.Hyde(Ladder Series Level 2)

やさしい英語の本、通算177冊目は、
IBCパブリッシング・ラダーシリーズの
レベル2(1300語レベル)の15冊目として、

スコットランド生まれの小説家
ロバート・ルイス・スティーヴンソン
(1850年11月~1894年12月)の
小説『ジキルとハイド』を読みました。

著者35歳の時(1886年1月)に出版された作品です


R. L. Stevenson
Dr. Jekyll and Mr. Hyde
 ジキルとハイド[新版]

〔Ladder Series Level 2〕
IBC Publishing,Inc. 2014年6月
11,970語 ※編訳者の記載なし。

[新版]とあるので旧版を探してみると、
2006年8月にラダーシリーズのレベル4として刊行されていました。

レベルが2つも違うのですが、
見比べてみると、全く同じ章構成で、
文章もよく似ているので、
旧版(レベル4)を簡略化して
[新版](レベル2)ができたことがわかります。

やさしい英語では、2012年3月に
マクミラン・リーダーズのレベル3
(1,100語レベル/9,340語)で読んで以来なので、
2回目の『ジキルとハイド』になりました。

ただスティーブン独特の
よく練り込まれた文体が反映されているからか、
レベル2にしては文の構造がわかりにくく感じました。


  ***

翻訳は読みやすさ重視で選ぶなら、
岩波少年文庫の海保眞夫(かいほまさお)訳が一番です。


海保眞夫(かいほまさお)訳
『ジーキル博士とハイド氏』
(岩波少年文庫、2002年1月◇173頁)

海保訳は、この7年程前(1997年11月)に、
岩波文庫から大人向けの翻訳も刊行されていたからか、

原文に忠実かつよくこなれた訳文になっていて、
日本語として違和感を感じさせない、
見事な翻訳に仕上がっていると思います。

もとの岩波文庫のほうも、
少年文庫版ほど読みやすくはありませんが、
大人向けの味のある訳文ではあるので、
いずれじっくり取り組んでみたいです。

海保眞夫訳
『ジーキル博士とハイド氏』
(岩波文庫、1994年11月◇144頁)


ほかの訳本はまだ網羅していないので、
取り敢えず手元にある訳本を掲げておきます。
◯印をつけたものが読みやすいです。

 佐々木直次郎(ささきなおじろう)訳
 『ジーキル博士とハイド氏』
 (新潮文庫、1950年*月◇119頁)

◯大谷利彦(おおたにとしひこ)訳
 『ジーキル博士とハイド氏』
 (角川文庫、1963年2月◇126頁)

 田中西二郎(たなかにしじろう)訳
 『ジーキル博士とハイド氏』
 (新潮文庫、1967年3月◇頁)

 百々佑梨子(ももゆりこ)訳
 『ジキル博士とハイド氏』
 (ポプラポケット文庫、2006年12月◇174頁)
  ※初出はポプラ社文庫(1985年7月◇174頁)

◯加藤まさし訳
 『ジキル博士とハイド氏』
 (講談社青い鳥文庫、1999年4月◇217頁)

 夏来健次(なつきけんじ)訳
 『ジキル博士とハイド氏』
 (創元推理文庫、2001年8月◇154頁)

 村上博基(むらかみひろき)訳
 『ジーキル博士とハイド氏』
 (光文社古典新訳文庫、2009年11月◇159頁)

 田口俊樹(たぐちとしき)訳
 『ジキルとハイド』
 (新潮文庫、2015年1月◇153頁)

 田内志文(たうちしもん)訳
 『新訳 ジキル博士とハイド氏』
 (角川文庫、2017年4月◇144頁)

スティーブンソンの文章を、
日本語としてうまく翻訳するのは一筋縄ではいかないようで、
新しいものが必ずしも読みやすいわけではないので、
注意が必要です。


※第177冊目。総計1,772,503語。


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