2013年6月30日日曜日

【読了】Sir Arthur Conan Doyle, Three Short Stories of Sherlock Holmes (PR Level 2)

やさしい英語の本、通算46冊目、
Penguin Readers の Level 2 の5冊目は、

イギリスの小説家、
アーサー・コナン・ドイル(1859.5-1930.7)の、
ホームズの短編3本を収めた1冊を読みました。


Sir Arthur Conan Doyle
Three Short Stories of Sherlock Homes

Retold by John Escott
(Penguin Readers  Level 2)
2005年刊(9,179語)

収録されているのは、

Sherlock Holmes and the Strange Mr Angel
『シャーロック・ホームズの冒険』所収の「花婿の正体」

Sherlock Holmes and the Important Exam Paper
『シャーロック・ホームズの生還』所収の短編「三人の学生」

Sherlock Holmes and the Dangerous Road
『シャーロック・ホームズの生還』所収「美しき自転車乗り」

の3編です。

手短ではありますが、よくまとめられていて、
推理小説のおもしろさを味わうことができました。


それぞれ、


日暮まさみち訳
『名探偵ホームズ 消えた花むこ』
(講談社青い鳥文庫、平成23年2月)所収「消えた花むこ」

『名探偵ホームズ 六つのナポレオン像』
(講談社青い鳥文庫、平成23年10月)所収「三人の大学生」

『名探偵ホームズ 三年後の生還』
(講談社青い鳥文庫、平成23年8月)所収「あやしい自転車乗り」

に対応しています。

大人向けの全訳として


  日暮雅通訳
『シャーロック・ホームズの冒険』(光文社文庫、平成18年1月)
『シャーロック・ホームズの生還』(光文社文庫、平成18年10月)

も横において比べてみましたが、
青い鳥文庫版でもストーリーをはしょっているわけではなく、

より流れの良い、
わかりやすい現代語に変わっているだけなので、

まず手早く内容を理解したい方には、
青い鳥文庫版がお薦めです。

※46冊目。計380,863語

2013年6月25日火曜日

【読了】Alexandre Dumas, The Three Musketeers (MMR Beginner)

やさしい英語の本、通算45冊目、
Macmillan Readers  Beginner Level の19冊目は、

フランスの作家
アレクサンドル・デュマ(1802.7-1870.12)の
代表作『三銃士』を読みました。


Alexandre Dumas
The Three Musketeers

Retold by Nicholas Murgatroyd
(Macmillan Readers  Beginner Level)
2009年刊(10,724語)


先に藤本ひとみ氏の
編訳版『三銃士』を読んでいたおかげで、

あらすじを見失うこともなく、
楽しみつつ読み終えることができました。



ただし、
初めて『三銃士』を読むのであれば、
フランス語の人名や地名は発音を想像しにくく、

また、すんなりとはまとめにくいお話ですので、

わずか1万語では、大体のすじはつかめても、
作品の魅力まではそれほど伝わって来ないように思いました。

『三銃士』は Penguin Readers にも
リトールド版で収録されているようなので、
そちらも読み比べてみようと思います。


全訳は、鈴木力衛氏のが一番しっくりきたので
『三銃士』の部分のみ購入しましたが、まだ読んでおりません。





 むしろ『モンテ・クリスト伯』のほうが気になって来た今日このごろです。


※45冊目。計361,033語

2013年6月19日水曜日

【読了】ユゴー著 『レ・ミゼラブル(四)』(佐藤朔訳)

フランスの作家
ヴィクトル・ユゴー(1802.2-1885.5)が
43歳から60歳(1845-1862)にかけて、
17年間を費やして執筆した大作

『レ・ミゼラブル』
第四部「プリュメ通りの牧歌とサン・ドニ通りの叙事詩」
を読み終えました。


ヴィクトル・ユゴー著/佐藤朔訳
『レ・ミゼラブル(四)』
(新潮文庫、改版、平成24年11月。昭和42年8月)

 ※第四部 プリュメ通りの牧歌とサン・ドニ通りの叙事詩
  第一章 歴史の数ページ
  第二章 エポニーヌ
  第三章 プリュメ通りの家
  第四章 下からの救いは上からの救いになりうる
  第五章 結末が初めと違っていること
  第六章 プチ・ガヴローシュ
  第七章 隠語
  第八章 喜びと悲しみ
  第九章 彼らはどこへ行く?
  第十章 一八三二年六月五日
  第十一章 原子が大風に協力する
  第十二章 コラント
  第十三章 マリユス闇に入る
  第十四章 絶望の偉大さ
  第十五章 ロマルメ通り

第4冊目は、
第3冊目の路線を、
政治的な方面へ一歩広げた感じがありました。

個人的な感想として、
ユゴーの政治的な見解を展開する文章は、

学園紛争時代の
「文化大革命」等の革命を賛美する
熱に浮かされた方々の文章を読むようで、

面映くて読むに堪えない側面がありました。


ところがいったん
政治的な文章を離れ、

登場人物の感情を表現する文章になると、
とたんに場面が活き活きとしてきて、

ユゴーの凄い才能を感じることもできました。

そのコントラストで、
大いに違和感の残る1冊となりました。


政治家でもあったユゴーにとって、
自分に正直な一冊とも言えるのでしょうが、

現在では、
政治的な主張の部分をカットした
抄訳版が一般的になっているのもわかる気がしました。


さて第5部は、
第1部の感動をもう一度味わえればいいのですが、
どうでしょうか。


※Wikipediaの「ヴィクトル・ユーゴー」
「レ・ミゼラブル」を参照。

2013年6月17日月曜日

【読了】吉川英治著『宮本武蔵(四)』(新潮文庫)


吉川英治 著 『宮本武蔵(四)』
(新潮文庫、平成25年5月)
 ※全編の初出は
  『朝日新聞』昭和10年(1935)8月23日から
   昭和14年(1939)7月11日まで。

『宮本武蔵』の第4巻を読み終えました。

このあたりからは今回初めて読むので、
こう言い切って良いのかはまだわかりませんが、

宮本武蔵という歴史上の人物に仮託して、

一人の男子が男性へと成長していくまでの
心の葛藤が見事に描かれた小説であるように感じました。

今読んでも十分に面白いのですが、
できれば二十歳前後までに読んでおけたら良かったな、
と後悔しました。

絶妙な匙加減で
心のひだに入り込んで来る
文章のうまさにも感服しました。

それでは楽しみつつ、
第5巻へと進みます。