ハリー・ポッターの続きを読むはずが、ふと『三国志』を読んでみたくなりました。といっても、羅漢中(らかんちゅう。14世紀中頃、元末期-明初頭を代表する作家)の歴史小説『三国志演義』を日本語でさらに噛み砕いたものになりますが、個人的に親しんだ吉川英治(よしかわえいじ)氏の小説と、横山光輝(よこやまみつてる)氏の漫画以外に、最近の児童向けに書き下ろされた版にはどのようなのがあるのか興味がわいてきました。
ざっと調べてみると、ほどほどの冊数で刊行されているものとして次の3種が見つかりました。
①ポプラポケット文庫(全5冊、2015年1月)
三田村信行(みたむらのぶゆき)文、若菜等(わかなひとし)+Ki 絵
※もとはポプラ社から単行本で刊行(全5冊、2002年11月~03年4月)
②講談社青い鳥文庫(全7冊、2008年12月~10年2月)
小沢章友(おざわあきとも)作、山田章博(やまだあきひろ)絵
③集英社みらい文庫(全5冊、2011年4月~12年6月)
神楽坂淳(かぐらざかあつし)作、フカキショウコ 絵
読みやすさでは神楽坂淳氏(③)が際立っていますが、すぐに全冊手に入ったのは小沢章友氏(②)のだったので、そちらから読み始めました。②と③は総ルビなので、ひらがなさえ読めれば小学3年生くらいからでも読めそうです。
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羅漢中の『三国志演義』にできるだけ忠実に、数冊で編訳されているものとして次の2種が見つかりました。
④講談社青い鳥文庫(全1冊、1985年11月)
駒田信二(こまだしんじ)訳/井上洋介(いのうえようすけ)絵
⑤岩波少年文庫(全3冊、2000年11月。1980年10月~11月)
小川環樹(おがわたまき)・武部利男(たけべとしお)編訳
/太田大八(おおただいはち)絵
※旧版は1980年10月~11月。
もう1冊、読みやすさ重視で『三国志』の解説本を探してみると、それこそいくらでも見つかるのでしょうが、基礎的な知識の整理に使えそうな1冊を。
⑥集英社みらい文庫(全1冊、2016年12月)
奥山景布子(おくやまきょうこ)著、RICCA 絵
吉川英治氏も横山光輝氏も、手に取りさえすれば今でも現役の面白さだと思いますが、若い人向けにいろいろな『三国志』があり、それぞれに独特の魅力を放っているのは原作の魅力ゆえでしょう。それぞれ個人的な楽しみとして読み進め、適宜報告していこうと思っております。