IBCパブリッシング・ラダーシリーズの
レベル2(1300語レベル)の22冊目として、
イングランドの劇作家
ウィリアム・シェイクスピア
(William Shakespeare, 1564年4月-1616年4月)の
戯曲『十二夜』の小説版を読みました。
本作の古い版本は、
没後の1623年に出版されたものがあるだけで、
成立時期については議論があります。
本作中に、
1599年に出版された世界地図への言及があることから、
1599年以降の成立であることは確実です。
また確かな上演の記録として、
1602年2月のものが残されているので、
1602年以前の成立であることもわかっています。
そのほか最近(2000年)、
河合祥一郎氏の研究によって、
1600年に出版された当時の喜劇の中に、
『十二夜』を前提とした記載がみえることも確認されています。
この河合説を取り入れるのなら、
シェイクスピア35-36歳の頃
(1599-1600年)の成立ということになります。
※河合祥一郎訳『新訳 十二夜』(角川文庫、2011年10月)の「訳者あとがき」(157-57頁)を参照。
Shakespeare's Stories
Twelfth Night
(シェイクスピア 十二夜)
by Stuart Varnam-Atkin
ステュウット・ヴァーナム・アットキン
〔Ladder Series Level 2〕
IBC Publishing,Inc. 2007年2月
13,900語
「十二夜」は初めて読みました。
簡単に手に入る映像はなかったので、
最近の翻訳をとなりに置いて読み始めましたが、
小説仕立てにするために、
編者のステュウット・ヴァーナム=アットキン氏によって、
ある程度、構成面での変更が行われていたため、
翻訳はあまり紐解くことなく、
最後まで読み進めることになりました。
幸いわかりやすい英文でしたので、
それなりに複雑に入り組んだ喜劇でしたが、
筋を見失うことなく、楽しみながら最後まで読み進めることができました。
ストーリーが頭に入って来るまで
ある程度時間がかかるはずなので、
今後繰り返し読んでいくことで
より面白くなりそうな作品ですが、
初めてでもかなり楽しめました。
***
翻訳は、
最近の一番手に入れやすいものを
3種購入しました。
これまでの経験からすると、
河合訳が読みやすいはずなのですが、
読みやすさなら安西訳も負けていないので、
今後時間があるときにじっくり読み比べようと思います。
河合祥一郎(かわいしょういちろう)訳
『新訳 十二夜』
(角川文庫、2011年10月◇157頁)
安西徹雄(あんざいてつお)訳
『十二夜』
(光文社古典新訳文庫、2007年11月◇245頁)
松岡和子(まつおかかずこ)訳
『十二夜 シェイクスピア全集6』
(ちくま文庫、1998年9月◇201頁)
本来は演劇なので、映像(DVD)があると一番なのですが、
程々の値段ですぐに手に入るものは見当たりませんでした。
そうした中で、
今気になっているのはオーディオブック(CD)で、
大久保ゆう監修『50分でわかる十二夜』
というものが出ています。
大久保ゆう(監修、翻訳)
『50分でわかる十二夜 シェイクスピアシリーズ11』
(でじじ発行/パンローリング発売、2014年10月)
よく出来たラジオドラマなら、
はじめにこれを聴くのが一番のようにも思うので、
近々手に入れてみようと考えています。
※第184冊目。総計1,876,013語。
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