2019年2月28日木曜日

【200冊目】George Eliot, The Mill on the Floss (Macmillan Readers Level 2)

やさしい英語の本、通算200冊目は、
オースティンに予定より時間がかかったので、
以前読み残していた軽めの1冊を選び、

マクミラン・リーダーズの
レベル2(600語レベル)の20冊目として、

イギリスの女性作家
ジョージ・エリオット
(George Eliot, 1819年11月22日-80年12月22日)
の小説『フロス河の水車場 The Mill on the Flossを読みました。


George Eliot
The Mill on the Floss

Retold by Florence Bell
〔Macmillan Readers Level 2〕
This retold version by Florence Bell for Macmillan Readers
First published 1997
This edition first published 2005
5,865語

『フロス河の水車場』は著者40歳の時、
1860年3月21日に完成し
同年4月4日に3分冊で出版された作品です。

40歳の時の小説ですが、
エリオットが小説を書き始めたのは
30代後半に入ってからのことで、
 『牧師館物語』(1857)
 『アダム・ビード』(1859)
 『フロス河の水車場』(1860)
 『サイラス・マーナー』(1861)
とともに前期を代表する4作品の一つとされているそうです。

※主に筑摩書房の『世界文学大系85ジョージ・エリオット』所収の解説(工藤好美執筆)と年譜を参照。


エリオットの作品は以前、
やさしい英語で『サイラス・マーナー』を読み、
良い印象だったので読んでみることにしました。

しかし実際に読んでみると、やさしい英語で、
簡単にまとめてあったからかもしれませんが、
それほど心動かされることもなく、
あっさり読み終わっていました。

妹の恋愛を描きたいのか、兄妹愛を描きたいのか、
視点が一点に定まらない、どっちつかずの印象で、
あまり再読したいとは思いませんでした。


翻訳は、

工藤好美(くどうよしみ)・
淀川郁子(よどがわいくこ)共訳
「フロス河の水車場」
『世界文学大系85 ジョージ・エリオット』
(筑摩書房、1965年12月◇396頁)
 ※「とばりの彼方」を併録。

を購入しました。

解説が詳しくその点は有用ですが、
小さな活字で三段組のうえ、
本文340頁(5-345)もある大作だったので、
まだ読んでいません。

調べてみると工藤・淀川共訳の初出は、

「フロス河畔の水車場」
『世界文学全集[第1期]第18《19世紀篇 ジョージ・エリオット》』
(河出書房、1950年9月◇578頁)

であり、のちに

「フロス河の水車場」
『ジョージ・エリオット著作集2』
(文泉堂出版、1994年8月◇477頁)

として再刊もされているので、
どちらかを選んだほうが読みやすいのかもしれません。

個人的には、
読みやすく編集されていても構わないので、

岡上鈴江(おかのえすずえ)訳
『妹マギー フロス河畔の水車場』
(大日本雄弁会講談社〔世界名作全集128〕1957年9月◇335頁)

山主敏子(やまぬしとしこ)訳
『フロス川の水車小屋』
(集英社〔マーガレット文庫 世界の名作〕1977年4月◇180頁)

のほうがより気になっているのですが、

これらは古本に出回らなかったり、
出ても高値がついていることが多く、
まだ拝見できていません。

でも今は、
そこまで夢中になったわけでもないので、
次の機会を待ちたいと思います。


※第200冊目。総計2,121,375語。

 やっと200冊目!なのですが、
 本業に忙しく、ほっと一息つく間もありません。
 また少し暇ができたら、感想を綴ります。


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2019年2月15日金曜日

【199冊目】Jane Austen, Persuasion(Oxford Bookworms Stage 4)

やさしい英語の本、通算199冊目は、
オックスフォード・ブックワームズの
レベル4(1,400語レベル)の13冊目として、

イギリスの小説家
ジェイン・オースティン
(Jane Austen, 1775年12月16日-1817年7月18日)
の長編小説『説得 Persuasionを読みました。

オースティンが
41歳(1817年7月)で亡くなる1年前、
1816年8月に完成され

未出版であった処女作
『ノーサンガー・アビー』と合本され、
没後間もなく(1817年末)出版されました。


Jane Austen
Persuasion

Retold by Jennifer Bassett
〔Oxford Bookworms Level 4〕
This simplified edition (c) Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms 2006
19,370語

2013年12月に
ペンギン・アクティブ・リーディングの
レベル2(600語レベル 6,575語)
で読んで以来、5年3ヶ月ぶり、

やさしい英語で2回目の
『説得』となりました。


  ***

一貫して女性の視点から描かれた小説なので、
男の私が読むと少し距離を感じるところもあるのですが、

再読してみて改めて、
正統派のよく練りこまれた恋愛小説であることが実感できました。

特に刺激的な要素があるわけでもないのですが、
じわじわ心に響いて、楽しみながら読了することができました。


翻訳は以前と同じく、
ちくま文庫の中野康司(なかのこうじ)訳を参照しました。

曖昧さのない明確なわかりやすい日本語なので、
とりあえず内容を知りたい方にはお薦めです。


中野康司(なかのこうじ)訳
『説得』
(ちくま文庫、2008年11月◇430頁)


網羅していませんが、
ざっと調べた限りでは、
次のような翻訳が見つかりました。


藤田永祐(ふじたえいすけ)訳
『説得されて』
(春風社、2019年2月◇360頁)



パーカー敬子(けいこ)訳
『説得』
(近代文藝社、2014年11月◇280頁)


大島一彦(おおしまかずひこ)訳
『説得』
(シネマ旬報社、2001年5月◇329頁)

 ⇒『説得』
  (中公文庫、2008年9月◇411頁)


近藤いね子(こんどういねこ)訳
「説得」
(『世界文学全集11 オースティン』講談社、1969年3月。
  伊吹知勢(いぶきちせ)訳「高慢と偏見」を併録)

 ⇒「説得」
  (『世界文学全集21 オースティン』講談社、1975年11月)
    伊吹訳「高慢と偏見」を併録)

 ⇒「説得」
  (『世界文学全集(豪華版)5 オースティン』講談社、1976年10月)
    伊吹訳「高慢と偏見」を併録)

 ⇒「説得」
  (『ジェイン・オースティン著作集2』文泉堂出版、1996年9月)
   ※豪華版の復刻。


阿部知二(あべともじ)訳
「説きふせられて」
(『世界文学全集(カラー版)9オースティン』河出書房新社、1968年5月
 「高慢と偏見」との合本)



富田彬(とみたあきら)訳
『説きふせられて』
(岩波文庫、1942年2月◇368頁)
 ※改版、1998年10月◇409頁)

このうち、
中公文庫の大島一彦(おおしまかずひこ)訳は、
難しすぎない言い回しで、上品な雰囲気のある表現が実現されていて、
読んでみようか気になっているところです。

なお今回、漫画版が出ていることを知り、
手に入れてみました。


英洋子(はなぶさようこ)作画
『説きふせられて』
(宙出版、2018年1月◇124頁)

原著のほうを熟読されている場合は、
素直に受け入れられないかもしれませんが、

どんな作品か知らないで、
手短にあらすじを知りたい時には有効だと思うので、
少し時間がたってから挑戦してみます。


※第199冊目。総計2,121,375語。


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