いつまでも「中間」報告はおかしいので、今回からは「研究報告」とします。春先は本業がそれなりに忙しく、思うように執筆は進みませんでした。相変わらず第1章に苦心しています。
論文の中で、平安朝漢文日記の「部類記」の成立について触れる必要があったので、近年発表された研究に目を通していました。そんな中、壮大なスケールで全体像を描く興味深い論文を見つけました。そんなこともあるのかなと精読してみると、仮説が先に立ち、必ずしも証明されていないことがわかりました。これまでなかった視点を提起するのは大切ですが、肝心の論拠に乏しい場合、そのままよりどころにするのは危険と判断せざるを得ません。
昔書いた拙論も批判の対象にされていたので、何か反論できないか思案しましたが、曖昧な書き方をされている部分が多いと、反論は意外と難しい。今書いている論文のなかに取り込むのは断念し、別稿を準備することにしました。史料の整理に少し時間がかかりそうですが、現行本『西宮記』の成立に深く関わる源経頼の、日次記『左経記』とその部類記『類聚雑例』の成立過程について分析する論文になると思います。
そんなこんなで、平安朝漢文日記(古記録)についての知見をリニューアルするのに少し手間取っていました。次はお盆のころに。第1章がだいたい仕上がっているといいな。
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