今さら感もありますが、夏目漱石(慶応3年〔1867〕1月5日~大正5年〔1916〕12月9日)の小説『三四郎』を読みました。漱石42歳の時、明治42年(1909)5月に春陽堂から出版されました。初期3部作の1作目で、この後『それから』『門』へと続いていきます。
だいぶ前に総ルビの漱石全集を購入し、初期の作品をいくつか読んだのですが、今一つ何が良いのかわからないところがあって、中断していました。その後『三四郎』『それから』『門』の初期三部作をマンガで読む機会がありました。これが意外な面白さ。今でいう連ドラを観る感覚で、軽めに楽しめば良いのかなと思い直しました。
夏目漱石 著/加藤礼次朗 漫画『三四郎』
(ホーム社漫画文庫、2010年8月)
夏目漱石著/富沢みどり 漫画『それから』
(ホーム社漫画文庫、2010年9月)
夏目漱石著/井上大助 漫画『門』
(ホーム社漫画文庫、2010年10月)
文庫本をいくつか手に取ったなかで、どうせなら今の日本語を読むのと同じ感覚で、楽に読み通せるものをと思い、見比べてみたところ、角川文庫の用字が一番読みやすかったので、こちらを購入しました。表紙のデザインもお気に入りで、あともう少し活字が大きければ言うことなしです。
夏目漱石 著『三四郎』
(角川文庫、初版、1951年10月。145刷、2019年2月)
内容的に、大学進学とともに上京して、都会で青春時代を送ったような人には、より多く共鳴できるものがあるのだろうなと思いました。角川文庫による編集のおかげでかなり読みやすくなっていますが、今では用いない独特な言い回しもところどころ出て来て、現代文として少し荒削りな印象も残りました。
続いて『それから』に挑戦をと思い、購入したのですが、じっくり読んでいると、その間、自分の研究が疎かになっていることに気がつきました。読書は老後の楽しみに取っておいても何とかなるので、漱石は少し置いておくことにしましょう。
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