フランスの作家
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(1900.6-1944.7)の
小説『星の王子さま』を読みました。
テグジュペリが亡くなる前年、
43歳の時(1943)に刊行された作品です。
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ著
倉橋由美子(くらはしゆみこ)訳
『新訳 星の王子さま』
(宝島社文庫、平成18年6月。初出の単行本は宝島社、平成17年7月)
書名だけ知っていて、
読まずにいた1冊です。
ふと手にした
倉橋由美子(くらはしゆみこ)氏の翻訳を気に入り、
いずれ読もうと思いつつ、しばらく積んでありました。
夏に入り、
何となく手にして読みはじめたところ、
そのまま一気に読み終えていました。
1度読んだだけで、
まだ何かがわかったといえる段階では全然ないのですが、
くりかえし読むに足る、
不思議な魅力のある繊細な作品であることは良くわかりました。
子供時代の
豊かな感受性をなくしつつある
大人の自分との対話であるようにも感じました。
美しい詩を読むような、
ふわりとしたつかみどころのない、
でも全体として十分なまとまりをもった
不思議な魅力のある小説でした。
***
翻訳はざっと調べただけでも
たくさん見つかりました。
内藤濯(ないとうあろう)訳
『星の王子さま』
(岩波少年文庫、昭和28年3月)
小島俊明 訳
『新訳 星の王子さま』
(中央公論新社、平成17年6月)
※中公文庫、平成18年3月に再録。
三野博司 訳
『星の王子さま』
(論創社 RONSO fantasy collection、平成17年6月)
倉橋由美子(くらはしゆみこ)訳
『新訳 星の王子さま』
(宝島社、平成17年7月)
※宝島社文庫、平成18年6月に再録。
山崎庸一郎 訳
『小さな王子さま』
(みすず書房、平成17年8月)
※山崎庸一郎著『『星の王子さま』のひと』(新潮文庫、平成12年5月)。初出は『サン=テグジュペリの生涯』(新潮選書、昭和46年)に興味がありますが、未見。
池澤夏樹 訳
『星の王子さま』
(集英社文庫、平成17年8月)
藤田尊潮 訳
『小さな王子 ―新訳『星の王子さま』』
(八坂書房、平成17年10月)
川上勉・甘樂美登利 訳
『プチ・プランス ―新訳 星の王子さま』
(グラフ社、平成17年10月)
石井洋二郎 訳
『星の王子さま』
(ちくま文庫、平成17年12月)
稲垣直樹 訳
『星の王子さま』
(平凡社ライブラリー、平成18年1月)
河野万里子 訳
『星の王子さま』
(新潮文庫、平成18年3月)
河原泰則 訳
『小さな星の王子さま』
(春秋社、平成18年5月)
谷川かおる訳
『星の王子さま』
(ポプラポケット文庫、平成18年7月)
野崎歓 訳
『小さな王子』
(光文社古典新訳文庫、平成18年9月)
三田誠広 訳
『星の王子さま』
(講談社青い鳥文庫、平成18年11月)
浅岡夢二 訳/葉祥明 絵
『星の王子さま』
(ゴマブックス、平成20年11月)
管啓次郎 訳
『星の王子さま』
(角川文庫、平成23年6月)
管啓次郎 訳/西原理恵子 絵
『星の王子さま』
(角川つばさ文庫、平成23年6月)
内藤あいさ訳
『星の王子さま』
(文芸社文庫、平成25年9月)
このうち山崎庸一郎氏のお仕事に興味がありますが、未見です。
ざっと目を通した中では、
野崎歓(のざきかん)訳の光文社古典新訳文庫 は、
今回の倉橋訳と双璧で、近々読んでみるつもりです。
もう一つ、
西原理恵子氏の絵が強烈ですが、
訳文もかなり斬新な、
管啓次郎(すがせいじろう)訳の角川つばさ文庫 も、
興味があります。
最初の感想としてはこれくらいでしょうか。
※Wikipediaの「アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ」「星の王子さま」を参照。
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