2014年12月16日火曜日

【読了】Robert Louis Stevenson , Kidnapped (OBW Stage3)

やさしい英語の本、通算93冊目!

オックスフォード・ブックワームズの
ステージ3(1,000語レベル)の4冊目として、

スコットランド生まれの作家
ロバート・ルイス・スティーヴンソン(1850.11-1894.12)の
小説『誘拐されて』を読みました。

著者35歳の時(1886.7)に刊行された小説、
小説『宝島』の刊行(1883.11)から2年8ヶ月後の作品です。


Robert Louis Stevenson
Kidnapped

Retold by Clare West
〔Oxford Bookworms Stage3〕
This simplified edition (c) Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms 1995
12,435語


本書は、
『宝島』の主人公と同じタイプの
少年デイビッドが活躍する冒険小説です。

また、1746年にスコットランドでおきた「カロデンの戦い」
ジャコバイトによるグレートブリテン王国に対する最後の組織的抵抗)を踏まえ、

それから5年後(1751)の
スコットランドを舞台に繰り広げられる歴史小説でもあります。

何も知らずとも、
『宝島』に似た冒険小説として
ふつうに楽しむことができますが、

せっかくなので歴史的な背景について手短にまとめておきます。


ジャコバイトとは、
1688年の名誉革命でフランスに追放された

 ステュアート朝のジェームズ2世/7世
 (イングランドとアイルランドの王ジェームズ2世
  /兼スコットランド王ジェームズ7世)

とその直系男子を、正統な国王としてその復位を支持する勢力です。

ジャコバイトの王位請求者は、この後

 ジェームズ2世/7世
 ジェームズ3世/8世(ジェームズ2世/7世の次男)
 チャールズ3世(ジェームズ3世/8世の次男)
 ………

と続いていくのですが、
彼らの復位に向けた大きな動きとして、

 1715年の反乱1745年の反乱

という2つの武力蜂起があり、
後者(1745年の反乱)の最後に起こったのが

 カロデンの戦い(1746)

でした。この戦いで、
ジェームズ3世/8世が敗北したことによって、

ジャコバイトの王位請求者が、
国王に復位する可能性は完全に絶たれたそうです。


ステュアート朝は、
スコットランドを起源としていたこともあって、
ジャコバイトのおもな支持基盤はスコットランドにありました。

スティーヴンソンはスコットランド生まれなので、

この小説もどちらかと言えば、
ジャコバイトを擁護する立場から描かれています。


  ***

『誘拐されて』は昨年の9月、

ペンギン・リーダーズのレベル2
(600語レベル 総語数9,104語)で読み終えているので、
やさしい英語で2度目の挑戦になります。

語彙が増え、文章も長くなっていたので、
前のより明らかにむつかしくなっていましたが、

すでに全訳も読み終えていたので、
特に苦労せず読み終えることができました。

辞書はひかないのが原則ですが、

やはり1ランクアップすると
わからない単語がところどころ出てきます。
(数ページに1、2語?)

前後の文脈でわかる場合がほとんどですが、
どうしても気になる時は辞書をひいています。

大きなのは持ち運びに不便で、
ひくのも多少手間がかかるので、

ふだんは


堀内克明編
『ポケット プログレッシブ英和辞典 第2版』
(小学館、平成13年2月)

を愛用しています。

あとはパソコンの検索機能を時々利用しています。
それでほぼ事足りるので、電子辞書は持っていません。


  ***

翻訳は、
昨年(2013年)11月に、
坂井晴彦訳を読み終えています。


坂井晴彦(さかいはるひこ)訳
『さらわれたデービッド』
(福音館書店、1972年4月)

42年前の訳ですが、
今でも十分に通用する
よくこなれた読みやすい翻訳だと思います。

これ以外だとさらに19年さかのぼって

大場正史訳
『誘拐されて』
(角川文庫、1953年)

があるくらいなので、
まずは坂井訳を読まれるべきだと思います。

『宝島』より多少わかりにくいところがあるかもしれませんが、
もう少し読まれていもいい名作だと思います。


※通算93冊目。計720,517語。

※書誌情報は、スティーヴンスン著/海保眞夫訳『ジーキル博士とハイド氏』(岩波文庫、1994年11月)略年譜を参照。

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