オックスフォード・ブックワームズの
ステージ3(1,000語レベル)の3冊目として、
イギリス生まれの小説家
フランシス・ホジソン・バーネット(1849.11-1924.10)の
小説『秘密の花園』を読みました。
著者61歳の時(1911.8)に出版された作品です。
Frances Hodgson Burnett
The Secret Garden
Reyold by Clare West
〔Oxford Bookworms Stage 3〕
This simplified edition (c) Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms 1993
10,715語
『秘密の花園』は、
やさしい英語で2年3ヶ月ほど前に(2012.7)、
ペンギン・アクティヴ・リーディングの
レベル2(600語レベル)で読んでいるので、
2回目の挑戦になります。
前回よりかなり語彙レベルが上がっているので、
多少の難しさはありましたが、
その分物語の内容にまで踏みこんで、
それなりに充実した内容を楽しむことができました。
『小公子』や『小公女』とは打って変わって、
両親からの愛情をまったく受けずに、
わがままし放題に育てられた結果、
心に深い傷を負い、自分勝手な癇癪持ち、
誰からも好かれない子供に育ってしまった少女メアリーが主人公です。
長らく捨ておかれた「秘密の花園」に出会い、
土を掘り、花の種を植え、花と鳥にあふれた花園に再生していく中で、
徐々に自分の心をも取り戻していく物語。
読むたびに心洗われる思いのする小説です。
翻訳は、初めに読んだ
土屋京子(つちやきょうこ)氏の印象がまだ強く、
一番のお薦めです。
土屋京子訳
『秘密の花園』
(光文社古典新訳文庫、2007年5月)
ただし大人が読んで調度良いように訳されているので、
小中学生には少し難しいかもしれません。
挿絵入りで、
小学生高学年くらいから読めるものとして、
山内玲子(やまのうちれいこ)氏が良さそうだと
手元に置いてありますが、まだ読み終えていません。
山内玲子訳
『秘密の花園(上・下)』
(岩波少年文庫、2005年3月)
挿絵も含めて考えると、
山内訳が一番かもと思い始めているのですが、
最近もう一人、
谷口由美子(たにぐちゆみこ)氏の全訳も出ています。
谷口由美子訳
『秘密の花園1・2・3』
(講談社青い鳥文庫、2013年2・3・6月)
ハッキリクッキリした感じの、
女の子向きの挿絵に買うのを少し躊躇しましたが、
誰にもわかりやすい丁寧な訳文なので、
挿絵を気に入れば、谷口訳もおもしろそうです。
あと1点、
完訳でも特別読みにくくはないのですが、
多少冗長なところを削って、
読みやすさ重視で編集しなおしたものとして、
栗原ちひろ氏の編訳は、
純粋に日本語の小説としてみた場合、
一番読みやすく優れていると思いました。
栗原ちひろ編訳
『秘密の花園』
(角川つばさ文庫、2012年10月)
少しでも読みにくいと放り出しそうな場合は、
子供さんに限らずお薦めです。
※通算92冊目。計718,733語。
※Wikipediaの「フランシス・ホジソン・バーネット」「秘密の花園」を参照。
0 件のコメント:
コメントを投稿