アイビーシーパブリッシング、
ラダーシリーズのレベル1(1,000語レベル)6冊目として、
英語学習者向けに
やさしい英語の本を執筆されている
ジェイク・ロナルドソン氏による
インド独立の父
マハトマ・ガンジー(1869.10-1948.1)の伝記を読みました。
Jake Ronaldson
The Gandhi Story
〔Ladder Series Level1〕
IBC Publishing,Inc. 2010年10月
8,190語
ガンジーについて
インドの偉人という以上のことは
何も知らないまま生きてきました。
そういえば、
どんな人だったのだろうと思い手にした1冊です。
ガンジーの生涯について
コンパクトにわかりやすくまとめてあり、
たいへん勉強になりました。
インドの地名、人名などは多少苦労しましたが、
短めの文が多く、文法的にもやさしく書かれていたので、
難なく読み通すことができました。
日本のお坊さんのような姿の写真しか知らなかったので、
インドで一生を過ごした人のように思い込んでいましたが、
インドで生まれ育ったのち、
19歳でロンドンに留学して弁護士の資格を取り、
南アフリカで弁護士として開業し、
24歳から46歳までアフリカで過ごしていたとは初めて知りました。
この南アフリカで経験した
インド人に対する人種差別がきっかけとなって、
政治運動に足を踏み入れることになったそうです。
46歳でインドに戻ってから、
79歳で凶弾に倒れるまでの33年間は、
祖国インドの独立に向けた
さまざまな活動に捧げられ、
ガンジーが亡くなる前年、
1947年にインドの独立が達成されました。
しかしこの時、イギリス領インド帝国が、
そのまま現在のインドとして独立したわけではなく、
帝国内の多数をしめる
ヒンズー教徒とイスラム教徒の居住地域をわけ、
イギリス領インド帝国
・ヒンズー教徒→インド連邦
・イスラム教徒→パキスタン
と2箇所に分離独立させる政策が取られました。
この時わずかな準備期間しか置かれなかったため、
国内に大混乱をまねき、
多数の難民が発生し、各地で暴動、虐殺がおき、
100万人をこえる死者が出たといわれています。
一生をかけた大きな理想が叶う瞬間に、
大きな悲劇が待ち受けていたわけです。
印パ分離独立に、
ガンジーは反対していたようですが、
分離しなければ国内に、
ヒンズー教徒とイスラム教徒の対立を
かかえたままでの独立となったわけなので、
どこかに正解があったのか
軽々しく言えない問題だと思いました。
一つ一つ取り上げると
疑問に思うところもあるのですが、
彼の言動が、
数多くのインド人の心をとらえたことも事実なので、
もう少し深くガンジーについて知りたいと思いました。
***
ガンジーはイギリスで勉強し、
弁護士の資格をとっていたからか、
自身の著作もたくさん出ています。
そちらは今後の楽しみに取っておくことにして、
日本語で読めるガンジーの伝記で手頃なものはないか
探してみました。
正直なところまだお薦めの1冊には出会っていません。
最初の1冊として、
ガンジー (1969年) (センチュリーブックス―人と思想〈28〉)
坂本徳松(さかもととくまつ)著
『ガンジー 人と思想28』
(清水書院 Century Books、1969年9月)
を手に入れてみました。
大学の先生による丁寧な伝記ですが、
途中でヘーゲルやマルクスが出てきたりして、
全体的な物の見方が一時代前のものであり、
個々の事実も雑然とした感じがあって読むのを止めてしまいました。
次に注目したのは、
『インド独立史』『ヒンドゥー教』(共に中公新書)の著書もある
森本達雄氏による1冊です。
森本達雄著
『ヒンドゥー教の世界(下)―ガンディーの生涯と思想』
(NHK出版〔NHK宗教の時間〕、2011年9月)
※上巻は『ヒンドゥー教の世界(上)―その歴史と教え』(2011年3月)。
一緒に読めば理解は深まるが、ガンジーの伝記とは直接関係がない。
そろそろ届くのでまだ読んでいませんが、
森本氏には、
K.クリパラーニ著
『ガンディーの生涯(上・下)』
(第三文明社〔レグルス文庫〕、1983年1月)
B.R.ナンダ著
『ガンディー―インド独立への道』
(第三文明社、2011年1月)
などガンディーの伝記の翻訳もあるので、期待しています。
※通算103冊目。計822,338語。
※Wikipediaの「マハトマ・ガンディー」「インド・パキスタン分離独立」を参照。
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