アイビーシーパブリッシング、
ラダーシリーズのレベル1(1,000語レベル)5冊目として、
アメリカ合衆国の小説家
ナサニエル・ホーソーン(1804.7-1864.5)の
短編小説『大いなる岩の顔』を読みました。
著者45歳の時(1949.12-50.1)に発表された作品です。
※坂下昇編訳『ホーソーン短篇小説集』(岩波文庫、1993年7月)343頁の訳注を参照。
Nathaniel Hawthorne
The Great Stone Face
〔Ladder Series Level1〕
IBC Publishing,Inc. 2005年8月
5,230語
全然知らない作品だったのですが、
あの『緋文字』の作者ホーソーンの短編
ということで興味をもち読んでみることにしました。
2013年12月(1年4ヶ月前)に、
やさしい英語で『緋文字』を読んで以来のホーソーンです。
あれから『緋文字』の全訳に挑戦しましたが、
はじめの長大な序文にうんざりして投げ出してしまい、
しばらく遠ざかっていました。
今回短編はどんなかしらと手に取ってみました。
「人間の顔に似た巨大な岩」にまつわる興味深いお話です。
優れた人物、立派な人物とはどんな人なのかについて
考えさせられるお話ですが、
わりと先が読めるところがあって、
その予想通りに話は進んでいきました。
それでも、
ホーソーンの原文を尊重したからなのか、
1000語レベルのわりには文の構造がわかりにくく、
読みづらさを感じました。
これだけだとまだ、
さほど魅力のあるお話には思えなかったのですが、
全訳で読めばまた違ってくるかもしれません。
***
翻訳はまず一番手に入れやすそうな岩波文庫で、
坂下昇(さかしたのぼる)編訳の短編集を手に入れました。
坂下昇編訳
『ホーソーン短篇小説集』
(岩波文庫、1993年7月)
※「大いなる岩の顔」ほか計13作の短編を収録。
情報量の多い、凝った作りの短編集です。
書誌的な情報が詳しいので便利なのですが、
肝心の訳文が、
すべての英単語を日本語に置き換えた感じの
妙な日本語になっていてかなり読みにくかったです。
日本語の小説としてみると、
推敲前の原稿を読まされているようだったので、
途中で読むのをやめました。
もう1冊、
竹村和子氏の翻訳を手に入れてみました。
凝った装丁で知られる文学全集《バベルの図書館》の1冊に収められています。
人面の大岩 (バベルの図書館 3)
酒本雅之・竹村和子翻訳
ホルヘ・ルイス・ボルヘス編纂
ナサニエル・ホーソーン著
『バベルの図書館 人面の大岩』
(国書刊行会、1988年3月)
《バベルの図書館》とは、
アルゼンチン生まれの小説家
ホルヘ・ルイス・ボルヘス(1899.8-1986.6)編纂による
世界文学全集のことです。
そのうちの1巻にホーソーンの短編集があり、
この中に「人面の大岩」が収録されています。
《バベルの図書館》の日本語版は、
国書刊行会から全30巻で刊行されましたが(1988-1992)、
最近改めて、国別に再編集された
《新編バベルの図書館》が全6巻で刊行され(2012-13)、
その第1巻にも本作品は収められています。
まだこれから読むところですが、
ざっと見た限りでは竹村訳のほうがずっと読みやすそうです。
読了次第また報告します。
※通算102冊目。計803,497語。
※Wikipediaの「ナサニエル・ホーソーン」を参照。
0 件のコメント:
コメントを投稿