2015年8月17日月曜日

【読了】中川李枝子著/山脇百合子絵『ぐりとぐら』(1963年)

中川李枝子(なかがわりえこ 1935.9- )氏による
絵本『ぐりとぐら』を読みました。

著者27歳の時(1963.1)に出版されています。

中川氏初めての絵本ですが、
このひと月前(1962.12)に刊行された
童話集『いやいやえん』に続く2作目の著作でもあります。

挿絵の大村百合子(おおむらゆりこ 1941.12-)氏は、
中川氏の実妹なので、

姉妹の共同作業によって
生み出された1冊ということになります。

(絵本ですので、主役はむしろ大村百合子氏のほうなのかもしれません。)


中川李枝子著
大村百合子絵
『ぐりとぐら』
(福音館書店〔≪こどものとも≫傑作集〕、1963年1月)

絵本には手を出すつもりがなかったのですが、
いつもの古本屋で、300円で並んでいるのを見つけて購入しました。

昔懐かしい絵本です。

いつの間にか家にあり、
気がつかないうちに読んでいた1冊です。

恐らく初めは、
母親が読み聞かせてくれたはずですが、ぼんやりとしか覚えていません。

そしていつの間にか、
どこかに失くしていた1冊でもあります。


今回改めて読んでみて、
大人からみてもなかなか楽しいお話しであることがわかりました。

他愛のない内容ではありますが、
不思議と穏やかな心持にさせられる1冊で、

私の中のオーソドックスな絵本像は、
ここにあるのだなと確認することができました。

挿絵はやさしく暖かで、
どことなくユーモアのある印象。

あいまいなところのない
はっきりとした実線で描かれているのも特徴的でした。

おいしそうなホットケーキの絵に、
心躍らせた記憶がよみがえりました。

子供のころから
なぜか料理が好きなのは、
『ぐりとぐら』のおかげだったのかもしれません。

動物たちがたくさん出演する
実際はありえない物語なのですが、

ごくふつうの
ありふれた日常生活が描かれているように感じるのは、
ほかの著作でも感じられることです。

安心して読み進められる1冊です。

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