中川李枝子(なかがわりえこ 1935.9- )氏による
絵本『ぐりとぐら』を読みました。
著者27歳の時(1963.1)に出版されています。
中川氏初めての絵本ですが、
このひと月前(1962.12)に刊行された
童話集『いやいやえん』に続く2作目の著作でもあります。
挿絵の大村百合子(おおむらゆりこ 1941.12-)氏は、
中川氏の実妹なので、
姉妹の共同作業によって
生み出された1冊ということになります。
(絵本ですので、主役はむしろ大村百合子氏のほうなのかもしれません。)
中川李枝子著
大村百合子絵
『ぐりとぐら』
(福音館書店〔≪こどものとも≫傑作集〕、1963年1月)
絵本には手を出すつもりがなかったのですが、
いつもの古本屋で、300円で並んでいるのを見つけて購入しました。
昔懐かしい絵本です。
いつの間にか家にあり、
気がつかないうちに読んでいた1冊です。
恐らく初めは、
母親が読み聞かせてくれたはずですが、ぼんやりとしか覚えていません。
そしていつの間にか、
どこかに失くしていた1冊でもあります。
今回改めて読んでみて、
大人からみてもなかなか楽しいお話しであることがわかりました。
他愛のない内容ではありますが、
不思議と穏やかな心持にさせられる1冊で、
私の中のオーソドックスな絵本像は、
ここにあるのだなと確認することができました。
挿絵はやさしく暖かで、
どことなくユーモアのある印象。
あいまいなところのない
はっきりとした実線で描かれているのも特徴的でした。
おいしそうなホットケーキの絵に、
心躍らせた記憶がよみがえりました。
子供のころから
なぜか料理が好きなのは、
『ぐりとぐら』のおかげだったのかもしれません。
動物たちがたくさん出演する
実際はありえない物語なのですが、
ごくふつうの
ありふれた日常生活が描かれているように感じるのは、
ほかの著作でも感じられることです。
安心して読み進められる1冊です。
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