2016年1月18日月曜日

【読了】Susan Hill, The Woman in Black (MMR Level 3)

やさしい英語の本、通算124冊目は、

マクミラン・リーダーズの
レベル3(1100語レベル)の11冊目として、

イギリスの作家
スーザン・ヒル(1942.2- )の
小説『黒衣の女』を読みました。

著者41歳の時(1983.10)に出版された作品です。


Susan Hill
The Woman in Black

〔Macmillan Readers Level 3〕
This retold version of Margaret Tarner for for Macmillan Readers
First published 1990
This edition first published 2005
11,226語

つい最近、
マクミラン・リーダーズの1冊として手に取るまで、
まったく知らなかった作品です。

幽霊系のホラー小説というところには
特に魅力を感じなかったのですが、

正統派、本格的、あふれる才能といった評判にひかれて、
読んでみることにしました。

原作を知らないままでしたが、
やさしい英語でわかりやすくまとめてあったので、
難なく読み進めることができました。

やたらと人が死んでしまったり、
とんでもない怪物が出てきたりして、
日常的な価値観を大きく逸脱することはなく、

幽霊や言い伝えなど、
我々がふつうに怖いと感じる常識的な感覚に、
ひたひたと訴えかけてくる大人向けの作品でした。

ホラーですが、
美しい自然描写を織り交ぜてあり、
幼い子供を亡くした女性の痛切な感情がよく伝わってきて、
哀しくも深い印象の残る作品でした。

設定は異なりますが、
『源氏物語』の六条御息所の怖さを、
もっと強くした感じでしょうか。

最近読んだ恐怖小説
『ドラキュラ』『フランケンシュタイン』
と比べれば、こちらの方が遥かに深い、
よく出来た作品に思えました。


  ***

翻訳は、最近の作品なので、
河野一郎(こうのいちろう)氏のものがあるのみです。


スーザン・ヒル著
河野一郎(こうのいちろう)訳
『黒衣の女 ―ある亡霊の物語〔新装版〕』
(ハヤカワ文庫、2012年10月)
 ※旧版は『黒衣の女』の表題(副題なし)で、ハヤカワ文庫、1995年9月。

大きめの活字で、
よくこなれたわかりやすい翻訳に仕上がっていると思うので、
少し時間を置いてから読んでみようと思います。

映画化されもされていて、
2012年2月にアメリカとイギリスで公開、
同年12月には『ウーマン・イン・ブラック ―亡霊の館』
の邦題で日本公開されていました。

でもホラーは小説で十分なので、
映画は観ないと思います。

スーザン・ヒル氏の作品、
個人的にはホラー以外の作品に興味があります。
他にどんな翻訳が出ているのか調べてみたら、
いろいろ見つかりました。

高儀進訳
『罪深き天使たち』
(角川文庫、1976年4月)

高儀進訳
『ぼくはお城の王様だ』
(角川書店〔海外純文学シリーズ⒓〕1976年4月)

 幸田敦子訳
 『ぼくはお城の王様だ』
 (講談社、2002年5月)

高儀進訳
『奇妙な出会い』
(角川文庫、1977年8月)

ウィルヘルム菊江訳
『キッチンの窓から』
(西村書店、1992年11月)

新倉せいこ訳
『庭の小道から』
(西村書店、1992年11月)
 ※新装版『庭の小道から ―英国流ガーデニングのエッセンス』(西村書店、2008年3月)。

幸田敦子訳
『イングランド田園讃歌』
(晶文社、1996年12月)

幸田敦子訳
『私は産む ―愛と喪失の四年間』
(河出書房新社、1992年2月)

今泉瑞枝訳
『君を守って ―スーザン・ヒル選集1』
(ヤマダメディカルシェアリング創流社、1999年10月)

近藤いね子訳
『その年の春に ―スーザン・ヒル選集2』
(ヤマダメディカルシェアリング創流社、2000年10月)

佐治多嘉子・谷上れい子訳
『シェイクスピア・カントリー』
(南雲堂、2001年9月)

野の水生訳
『ガラスの天使』
(パルロ舎、2004年11月)

野の水生訳
『雪のかなたに』
(パルロ舎、2004年11月)

加藤洋子訳
『丘 上・下』
(ヴィレッジブックス、2014年1月)

近々どれか1冊、
選んで読んでみようと思います。


※通算124冊目。計1,027,823語。

※Wikipediaの「スーザン・ヒル」「ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館」を参照。

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