ウィリアム・シェイクスピア
(William Shakespeare 1564.4-1616.4)の
戯曲『ジュリアス・シーザー』を読みました。
推定執筆年は1599年、初版は1623年なので、
シェイクスピア30代半ばの作品ということになります。
ウィリアム・シェイクスピア著
安西徹雄(あんざいてつお)訳
『ジュリアス・シーザー』
(光文社古典新訳文庫、2007年1月)
※巻末に、「本訳書の土台となっているのは、一九八九年五月、安西自身の訳・演出により、東京グローブ座で上演した『ジュリアス・シーザー』の台本である。(中略)ただし、この時の翻訳は、あくまで直接、上演用として訳した台本で、原作の三分の一ほどはカットしたものだった。今度、新しく古典新訳文庫に収められることになって、カットした部分はすべて新しく訳出し、旧訳の部分もまた、あらためて全面的に改稿した上で、完訳本の形で上梓する機会が与えられた」とある(文庫226頁)。
最近やさしい英語で読んだので、
この際、翻訳も読んでおこうと思い、
以前から「積読」状態だった
安西徹雄(あんざいてつお)氏の翻訳で読んでみました。
ほかにも
福田恆存(ふくだつねあり)訳、
小田島雄志(おだしまゆうし)訳、
松岡和子(まつおかかずこ)訳は手もとに置いてありますが、
この3者よりはずっと読みやすい訳文で、
元から日本語の文章を読むように、
最後まで読み通すことができました。
福田恒存訳
『ジュリアス・シーザー』
(新潮文庫、1968年3月)
※初出は新潮社〔シェイクスピア全集8〕1960年9月。
小田島雄志訳
『ジュリアス・シーザー』
(白水Uブックス20、1983年10月)
松岡和子訳
『ジュリアス・シーザー』
(ちくま文庫〔シェイクスピア全集25〕2014年7月)
ジュリアス・シーザーについては、
4年ほど前に塩野七生氏の
『ローマ人の物語Ⅳ ユリウス・カエサル ― ルビコン以前』
(新潮社、1995年9月)
『ローマ人の物語Ⅴ ユリウス・カエサル ― ルビコン以後』
(新潮社、1996年4月)
を読んでいるので、史実との相違点も意識しながら、
興味深く読み進めることができました。
民衆の支持によって、
政治的な正しさが左右される様子がうまく、
描写されているように思われました。
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