ペンギン・リーダーズのレベル3(1200語レベル)の9冊目として、
イングランドの劇作家
ウィリアム・シェイクスピア
(William Shakespeare 1564.4-1616.4)の
戯曲『リア王』を読みました。
推定執筆年は1605-6年、初版は1608年とされているので、
シェイクスピア40代初めの作品ということになります。
※河合祥一郎『あらすじで読むシェイクスピア全作品』(祥伝社新書、2013年12月)45頁参照。
William Shakespeare
King Lear
Retold by Chris Rice
〔Penguin Readers Level 3〕
This edition first published by Pearson Education Ltd 2010
14,605語
『リア王』は初挑戦でした。
本当に何も知らないままでは読みづらいと思い、
昔読みかけて挫折していた安西徹雄(あんざいてつお)氏の翻訳をひっぱり出して来ました。
安西徹雄(あんざいてつお)訳
『リア王』
(光文社古典新訳文庫、2006年9月)
新潮文庫の福田恆存(ふくだつねあり)訳、
白水uブックスの小田島雄志(おだしまゆうし)訳、
ちくま文庫の松岡和子(まつおかかずこ)訳と比べた中では、
圧倒的に読みやすい翻訳でした。
もう一つ、
意外によく出来ていたのが漫画版で、
手っ取り早くあらすじをつかむのには一番役立ちました。
もとは演劇なので、
活字だけよりも遥かにわかりやすかったです。
バラエティ・アートワークス漫画
『リア王 ―まんがで読破』
(イースト・プレス、2008年5月)
漫画版を読んだ上で、
安西訳を隣りにおいて、
やさしい英語版を読み進めましたので、
特に混乱することもなく読み進めることができました。
ただし劇中の、
狂った人々の独特な言い回しは、
日本語で書かれてもわかりにくいものなので、
英語ではなおさらわかりにくかったです。
初めての『リア王』は、
これでもかと毒を吐きまくり、人の心の醜さを暴いてみせる、
シェイクスピアの凄味を感じることができました。
あまり好きではなかったはずの
悲劇の魅力に気がつくことが出来たのは収穫でした。
※第139冊目。総計1,213,876語。