ペンギン・リーダーズのレベル3(1200語レベル)の8冊目として、
イングランドの劇作家
ウィリアム・シェイクスピア
(William Shakespeare 1564.4-1616.4)の
戯曲『ハムレット』を読みました。
推定執筆年は1600年、初版は1603年とされているので、
シェイクスピア30代半ばの作品ということになります。
William Shakespeare
Hamlet
Retold by Chris Rice
〔Penguin Readers Level 3〕
First published 2006
This edition published 2008
11,552語
2年3ヶ月前(2014年5月)に、
オックスフォード・ブックワームのステージ2
(700語レベル/5,945語)、
1ヶ月前(2016年7月)に、
ペンギンリーダーズのレベル3
(1,200語レベル/4作合わせて13,148語)
で読んでいるので、
やさしい英語で3回目の『ハムレット』です。
陰湿な悲劇はそれほど好きではないのですが、
思わず惹き込まれる不思議な魅力をもった作品であることは、
よくわかってきました。
***
翻訳はいくつか手にした中で、いまは
角川文庫の河合祥一郎(かわいしょういちろう)訳が気に入っています。
狂言師の野村萬斎(のむらまんさい)氏による
徹底的な吟味(文庫220頁)を経ているからか、
ほかの翻訳よりも頭一つ抜け出ているように感じています。
翻訳調なところはどこにもなく、
現代の日本語による優れた芸術作品として読み進めることができるので、
お薦めです。
河合祥一郎訳
『新訳 ハムレット』
(角川文庫、2003年5月)
※「この翻訳は、野村萬斎氏により委託され、彼が主演する「ハムレット」公演のために訳し下ろしたものである。」(河合祥一郎「訳者あとがき」220頁)
※「この翻訳は、私が芸術監督を務める世田谷パブリックシアターでの『Hamlet』(二〇〇三年六~七月)上演に際し、タイトルロールを演じる私の独断で河合祥一郎氏に依頼したものです。」(野村萬斎「後口上、日本演劇への翻訳」231頁)
※「この翻訳による初演は、2003年6月17日~7月26日世田谷パブリックシアター、7月30、31日りゅーとぴあ・新潟市民芸術文化会館、8月27日~9月6日ロンドン、サドラーズ・ウェルズ上演予定の公演であり」(文庫の巻末)
まったく初めての場合は、漫画版も悪くありません。
シェイクスピア(原作)
バラエティ・アートワークス(企画・漫画)
『まんがで読破 ハムレット』
(イースト・プレス、2011年4月)
もともと上演に3日も4日もかかる作品ではないので、
変な省略もなく、話の内容が手際よく整理されていると思います。
映画はまだ翻訳すら読んでいないうちに、
1948年に製作、公開された
ローレンス・オリヴィエ(Laurence Olivier, 1907.5-1989.7)
監督兼主演のものを観ていますが、
この戯曲をよく知った人が観てこそ
楽しめる玄人向けの作品だったようで、
最初に観たときは何が良いのかさっぱりわかりませんでした。
それでも話の内容をよく知ったうえで改めて観てみると、
ローレンス・オリヴィエの演技の凄みが伝わって来て、
よくできた映画であることがわかって来ました。
最近改めて調べてみると、
1990年に制作され、翌年に公開された
フランコ・ゼフィレッリ(Franco Zeffirelli, 1923.2- )監督、
メル・ギブソン(Mel Gibson, 1956.1- )主演のものが
初心者向けとしても高評価のようなので、
こちらも近々観てみようと思います。
※第138冊目。総計1,199,271語。
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