ウィリアム・シェイクスピア
(William Shakespeare 1564.4-1616.4)の
悲劇 『リア王』を読みました。
推定執筆年は1605-6年、初版は1608年なので、
シェイクスピア40代初めの作品ということになります。
シェイクスピア著
安西徹雄(あんざいてつお)訳
『リア王』
(光文社古典新訳文庫、2006年9月)
※1976年10月以降に、安西氏が演劇集団「円」において、「翻訳ないし翻案し、みずから演出にあたってきた」複数の演劇の上演台本をおさめた電子ブック「BBC文庫」での翻訳をもとにする。ただし上演台本の場合、「上演時間はほぼ二時間半、いくら長くとも三時間は超えないように、原文を大幅にカット、圧縮しなくてはならなかった」ので、「この古典新訳文庫版は、BBC版とは違って、あくまでカットなしの完訳版である。上演台本としてカットした部分は四割ほどだが、今回新しく訳して完全に補ってある。」(「訳者あとがき」文庫272頁)
やさしい英語で読む前にと思ったのですが、
それより後に読み終わりました。
一気に読めば恐らく数日で読めるはずですが、
8月は忙し過ぎたので、
細切れの時間を見つけて一月ほどで読み終えました。
翻訳は、日頃親しんでいる
河合祥一郎訳はまだ出てなかったので、
新潮文庫の福田恆存訳、
白水uブックスの小田島雄志訳、
ちくま文庫の松岡和子訳
と読み比べた上で、
圧倒的に読みやすかった
光文社古典新訳文庫の安西徹雄訳を選びました。
翻訳らしい ぎこちなさを感じる所がほとんどなく、
もとから日本語で書かれた作品のように、
違和感なく読み通すことができました。
どろどろした悲劇は
どちらかといえば苦手なのですが、
人の心の醜い部分をこれでもかとえぐり出しながら、
先へ先へと読み進めたくなる不思議な魅力があって、
シェイクスピアって凄い!
と思い直しました。
ただただ人の醜さを描くのみではない、
人間の肯定的な側面を、裏の裏から見通していく
とんでもない作品だと思いました。
リア王には漫画版も出ています。
シェイクスピア(原作)
バラエティ・アートワークス(企画・漫画)
『リア王 まんがで読破』
(イースト・プレス、2008年5月)
原作通りにわかりやすく、
かといって学習漫画風でつまらない訳でもなく、
魅力的な漫画に仕上がっていると思います。
作品をもうよくわかっている方には物足りないかもしれませんが、
一番最初のとっかかりには最適な内容でした。
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