やさしい英語の本、通算163冊目は、
IBCパブリッシング・ラダーシリーズの
レベル2(1300語レベル)の3冊目として、
イギリス生まれの小説家
ウィーダ(Ouida, 1839年1月-1908年1月)の
小説『フランダースの犬 A dog of Flanders 』を読みました。
ウィーダ32歳の時(1871年12月)に、
アメリカの月刊誌
『Lippincott's Magazine
of Popular Literature and Science 』
第9巻(1872年1月号 79-98頁)に掲載された作品です。
Quida
A Dog of Flanders
Retold by Roger Ahlberg
〔Ladder Series Level2〕
IBC Publishing,Inc. 2005年8月
12,470語
『フランダースの犬』は
アニメで有名な作品ですが、
子供の頃にまとめて観た記憶がありません。
調べてみると、フジテレビ系列のアニメ
『カルピスまんが劇場 フランダースの犬』
が放映されたのは1975年(1-12月 全52回)、
私が生まれて数年後のことなので、
観ていた可能性もあるのですが、
物心つく前のことなので記憶に残っていません。
その後ちゃんと翻訳を読むこともないまま
大人になっていたのですが、
5年程前にふと思い立ち、
本当はどんな話なのだろうと、
全訳を読んでみることにしました(2012年11月)。
いくつか手に取ってみた上で、
雨沢泰(あめざわやすし)氏の偕成社文庫を気に入り、
読んでみたところ、
動物へのやさしい愛情だけでなく、
芸術(絵画)に対する筆者の深い理解が反映された作品で、
深く感動し、
いずれ原文のままでも
すらすら読めるようになりたい小説になりました。
***
やさしい英語では、
もともとそれほど長い小説ではないので、
あらすじの省略はほとんどなく、
それなりの充実感をもって読み通すことができました。
悲しいことばかりの続くはずなのですが、
不思議と暗さは少なく、
人は何のために生きるのか、
前向きに生きていくことの意味を考えさせられる作品でした。
翻訳は、
前に読んだ雨沢泰(あめざわやすし)訳をひっぱりだして来ましたが、
やはり滞りのない読みやすい訳文で、
英文の意味を取りにくいところを理解するのに役立ちました。
雨沢泰(あめざわやすし)訳
佐竹美保(さたけみほ)絵
『フランダースの犬』
(偕成社文庫、2011年4月)
翻訳はもう一点、
つぎに熟読する機会があれば、
野坂悦子氏の翻訳で読もうと思っています。
野坂悦子(のざかえつこ)訳
『フランダースの犬』
(岩波少年文庫、2003年11月)
雨沢訳は読みやすい分、野坂訳と比べると、
あっさりし過ぎているようにも感じます。
野坂訳はていねいですが、
日本語の流れも悪くないように感じています。
※第163冊目。総計1,566,783語。
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