やさしい英語の本、通算201冊目は、
再びオックスフォード・ブックワームズの
レベル4(1,400語レベル)の14冊目として、
イギリスの女性作家
ジョージ・エリオット
(George Eliot, 1819年11月22日-80年12月22日)
の小説『サイラス・マーナー Silas Marner 』を読みました。
George Eliot
Sillas Marner
Retold by Clare West
〔Oxford Bookworms Stage 4〕
This simplified edition (c) Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms 1994
16,065語
『サイラス・マーナー』は著者40-41歳の時、
1861年3月に完成し、翌4月に出版された作品です。
30代後半に入ってようやく小説を書き始めた
エリオット4作目の著書です。
生涯刊行された著書は8作ほど。
20年に及ぶ著作活動の5年目に書かれた小説です。
『牧師館物語』(1858年1月)
※「エイモス・バートン師の悲劇」(56年11月)
「ギルフィル師の恋」(57年5月)
「ジャネットの悔悟」(57年10月)
の中編3作からなる。
『アダム・ビード』(1859年2月)
『フロス河の水車場』(1860年3月)
『サイラス・マーナー』(1861年4月)
『ロモラ』(1863年6月)
『急進主義者フィーリクス・ホルト』(1866年6月)
『ミドルマーチ』(1871年12月-72年12月 ※8分冊)
『ダニエル・デロンダ』(1876年6月)
2年ほど前(2017年2月)に、
やさしい英語で読んで以来、2回目の挑戦になりました。
ペンギン・リーダーズの
レベル3(1200語レベル/19,630語)
前回はそれほど良くわからないまま、
読んでいるうちに段々惹き込まれていたのですが、
今回は、知っているはずの粗筋にそって、
より深く物語を味わうことができました。
勤勉だけれども不幸続きな男の半生に、
ありえないはずの出来事がうまく交差して、
人生を通しての成功を手に入れていく。
気の長い話ではありますが、
「おとなのためのおとぎ話」と評される理由がよくわかりました。
エリオットが体現したかった価値観が、
作品の中に込められているように感じました。
***
翻訳はざっと調べた限りでは、
以下のものが見つかりました。
このうち保存状態のよいものが手に入るなら、
吉田絃二郎(よしだげんじろう)訳が読みやすくてお薦めですが、
手元にあるものは、色あせて今にも壊れてしまいそうなので、
読まずに置いてあります。
そうすると、
岩波文庫の土井治(どいおさむ)訳を選ぶのが、
まずは穏当なように思いますが、
間もなく新しいジョージ・エリオット全集から、
『サイラス・マーナー』の巻が刊行される予定なので、
わかりやすい翻訳であれば、そちらが決定版になるかもしれません。
初出の刊行順に整理しておきます。
今泉浦治郎(いまいずみうらじろう)訳
『サイラス・マアナ』
(警醒社書店、1923年5月)
土井治(どいおさむ)訳
『サイラス・マーナー』
(岩波文庫、改版、1988年8月)
※初出は上下2巻で1952年6・7月刊行。
工藤好美(くどうよしみ)
・淀川郁子(よどがわいくこ)共訳
「サイラス・マーナー」
(河出書房〔世界文学全集 第2期6〕1955年11月)
※文泉堂出版〔ジョージ・エリオット著作集2〕1994年8月に再録。
吉田絃二郎(よしだげんじろう)訳
『サイラス・マーナー』
(大日本雄弁会講談社〔世界名作全集43〕1957年6月)
工藤好美・淀川郁子訳/
新川和江(しんかわかずえ)文
「サイラス=マーナー」
(小学館〔少年少女世界の名作文学5 イギリス編3〕1968年5月)
※小学館〔少年少女世界の名作文学3 イギリス編3-4〕1977年5月に再録。
宮原邦香 訳
『機織工サイラスマーナー物語 わたしのGeorge Eliot 』
(吉野出版社、1995年6月◇229頁)
奥村真紀 訳
清水伊津代 訳・解説
内田能嗣 解説
『サイラス・マーナー(仮)
付「ジューバルの伝説」』
(彩流社、2019年6月刊行予定)
そこまで高額ではないので、
ぜひ手に入れて読んでみて、また報告したいと思います。
※第201冊目。総計2,137,440語。
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