2019年9月15日日曜日

【211冊目】Arthur Ransome, We Didn't Mean to Go to Sea (Oxford Bookworms Stage 4)

やさしい英語の本、通算211冊目は、
オックスフォード・ブックワームズの
レベル4(1400後レベル)の24冊目として、

イギリスの小説家
アーサー・ランサム
(Arthur Ransome, 1884年1月18日-1967年6月3日)
の海洋冒険小説
『海へ出るつもりじゃなかった
  We Didn't Mean to Go to Sea
を読みました。

著者53歳の時(1937年11月)に出版された作品です


Arthur Ransome
We Didn't Mean to Go to Sea

Retold by Ralph Mowat
〔Oxford Bookworms Stage 4〕
This simplified edition (c) Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms 1995
14,860語

オックスフォード・ブックワームズの目録で、
偶然出会った1冊です。

全く知らなかったので調べてみると、

イギリスの小説家アーサー・ランサムによる
『ツバメ号とアマゾン号』に始まる12巻のシリーズの中に、
対応する1巻があることに気がつきました。

このシリーズが、
岩波少年文庫から刊行されているのは知っていましたが、
実際手に取ることはありませんでした。

第1巻『ツバメ号とアマゾン号』(1930)から数えて、
第7巻目に当たるのが本作『海へ出るつもりじゃなかった』(1937)で、

第12巻『シロクマ号となぞの鳥』(1947)まで、
17年間続いたシリーズの半ばに位置する作品です。


あらすじをみて、
ヴェルヌの『十五少年漂流記』のような
物語かと想像していたところ、

4人の兄弟姉妹が、
子供たちだけで小さな帆船を操縦し、
イギリスからオランダへと一昼夜かけて
大西洋を横断する物語でした。

無人島でのサバイバルはないものの、
船上の場面などが臨場感ゆたかに描き出されて、
描写に優れた、手に汗握る楽しい冒険小説でした。

子供のころ海の近くに住んで、
この作品に出会っていたなら、
きっと船へのあこがれを強く抱いていたことでしょう。


ただここまで、
海とは全く縁のない生活を送ってきた私にとっては、
帆船についての描写が少し細かすぎて、
かえってついて行けない所もありました。

個人的にはほどほどに楽しめる内容でしたが、
海に憧れる人達にとって、
より特別な意味のあるシリーズでることは理解できました。


翻訳は、岩波少年文庫の
神宮輝夫(じんぐうてるお)を手に入れました。
誰にもよく分かる読みやすい訳文に仕上がっていると思います。


神宮輝夫(じんぐうてるお)訳
『海へ出るつもりじゃなかった(上・下)』
(岩波少年文庫182・183、2013年5月◇308・310頁)

 ※初出は
  『海へ出るつもりじゃなかった』
  (岩波書店〔アーサー・ランサム全集7〕1967年11月◇443頁)


どちらかというと私には、
スパイ活動を行っていたという
アーサー・ランサム氏の別の側面にも興味がわきました。

ランサムの自伝が出ているようなので、
近々手に入れてみようと思います。

スパイ活動について告白しているはずはありませんが、
何も書いていないとしたら、それはそれで興味深いので。


神宮輝夫訳
『アーサー・ランサム自伝』
(白水社、1984年1月◇536頁)
 ※新装版、1999年12月◇523頁


※第211冊目。総計2,292,325語。


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