2024年5月26日日曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史2 古代社会と思想家たち』(2021年2月)

  羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史2 古代社会と思想家たち●紀元前六〇〇~紀元元年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。

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 第1章 古代ギリシアとアレクサンドロス
  ・エーゲ文明の発生
  ・ポリスの誕生 アテネとスパルタ
  ・古代ギリシアの哲学者たち
  ・アレクサンドロス大王の東方遠征

 第2章 古代インドの宗教と思想
  ・仏教の誕生
  ・ジャイナ教の誕生
  ・マウリヤ朝アショーカ王と仏教
  ・マヌ法典

 第3章 古代中国の諸子百家
  ・周の東遷から春秋・戦国時代へ
  ・儒学の祖 孔子
  ・諸子百家
  ・秦の商鞅の変法

 第4章 古代ローマの文化と思想
  ・花開くヘレニズム時代の文化
  ・哲学者セネカと皇帝ネロ
  ・大プリニウスと小プリニウス
  ・ローマの文化

 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 長谷川敬(はせがわたかし。慶應義塾大学准教授)
  第2章 堀田和義(ほったかずよし。岡山理科大学准教授)
  第3章 王 雯璐(東京大学東京カレッジ特任研究員)
  第4章 長谷川敬

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕備前やすのり
 〔シナリオ〕阿倍さかな、藤田毅

世界の諸地域の歴史をバランスよく配置して、並行して語り進めていくスタイルで、それなりに面白く読み進めることができました。ただ各地域の歴史が細切れになって出てくるので、初心者だとわかりにくく、混乱してしまうかもしれないと思いました。小学生向けというよりも、高校の世界史入門としてよく出来ているのでは。

2024年5月16日木曜日

【読了】久松文雄著『まんがで読む 古事記1』(青林堂 2009年7月)

  久松文雄(ひさまつふみお)著『まんがで読む 古事記』(全7冊。青林堂、2009年7月~2019年2月)を読み始めました。『古事記』の全体像をざっとつかみたいと思って、現代語訳などを調べていた時に、全7巻で『古事記』全編を漫画化したという本作に目が止まりました。『古事記』のマンガ版はいくつか出ていますが、全7冊というのは恐らく最長。マンガでかなり詳しいところまで把握できるなら、読まない手はないと思い、7冊まとめて購入しました。

 第1巻を読んで、予想よりしっかりと原典に忠実に漫画化しているので、いいとこ取りでない『古事記』全編のストーリーを把握するのに最適な作品だと思いました。内容的には小学校低学年くらいからでも十分読めそうなのですが、惜しむらくは総ルビではないので、小学生だと読めない漢字がある程度出てきそうです。もともと中高生から大人に向けて描かれていたのかもしれません。

 また神様の読み方は独特なので、さすがにフリガナは振ってあるのですが、同じ章のなかに二度三度、同じ神様が出てくる時は、最初だけフリガナを振って、残りは漢字の表記のみなので、神様の名前に馴染んでくるまでは、この神様はなんと読むのだろうと多少頭を悩ませました。それでも恐らく初めて全編を面白く、興味を持って読み通せそうな気がしています。

 とりあえず1冊読み終えたので、第1巻の目次を示しておきます。


 序章 天と地の始まり
 第二章 国生み
 第三章 神々の誕生
 第四章 黄泉の国へ
 第五章 禊ぎ祓い
 第六章 須佐之男命
 第七章 誓約の勝負
 第八章 天の岩屋戸
 第九章 八俣の大蛇

2024年5月13日月曜日

【読了】角川まんが学習シリーズ『世界の歴史1 人類誕生と古代の王国』(2021年2月)

 羽田正(はねだまさし。東京大学名誉教授)氏の監修による角川まんが学習シリーズ『世界の歴史1 人類誕生と古代の王国●七〇〇万年前~紀元前六〇〇年』(KADOKAWA、2021年2月◇223頁)を読みました。全巻読み終えるのを待っていると、しばらく先のことになりそうなので、一巻ごとに報告していきます。


 第1章 人類の始まり
  ・直立歩行と道具の使用
  ・旧人と新人
  ・ラスコーの洞穴絵画
  ・定住の始まり

 第2章 都市の誕生
  ・農耕と牧畜の開始
  ・神殿を中心とする大集落の形成
  ・文字の誕生
  ・街から都市へ

 第3章 古代オリエント文明
  ・メソポタミアの都市国家
  ・エジプトのファラオたち
  ・シリア・パレスチナ地方の人々
  ・アカイメネス朝ペルシア

 第4章 古代インド文明・古代中国文明
  ・インダス文明
  ・バラモン教と四つのヴァルナ
  ・甲骨文字と青銅器
  ・殷の紂王と周の武王

 〔プロット執筆・監修〕
  第1章 小泉龍人(こいずみたつんど。メソポタミア考古学研究所代表)
  第2章 小泉龍人
  第3章 辻明日香(つじあすか。川村学園女子大学准教授)
  第4章 堀田和義(ほったかずよし。岡山理科大学准教授)

 〔カバー・表紙〕近藤勝也(こんどうかつや。1964- スタジオジブリ)
 〔まんが作画〕亜円堂(あえんどう)
 〔シナリオ〕藤田毅


総ルビなので小学生から読めますが、高校の世界史入門くらいの内容を備えているので、中3くらいまでに馴染んでいると、高校の世界史に自信を持って臨めそうです。小中学生に戻ったピュアな心持ちで、全巻目を通していこうと思います。

2024年5月6日月曜日

【読了】石ノ森章太郎著『新装版マンガ 日本の歴史』(全27巻)

 2020年11月から2022年6月にかけて全27巻で刊行された石ノ森章太郎(1938-98)著『新装版 マンガ 日本の歴史』(中公文庫)を読み終えました。1冊なら数日あれば読み終わりますが、27冊となると数冊読んではしばらくお休みするのを繰り返していたので、全部読み終わるのに1年半ほどかかりました。古代編3から現代編3まで順に読み進め、最後まで残してあった原始編1・2と古代編1・2の4冊を、ゴールデンウィーク中に読了しました。

 もとは1989年10月から1994年6月にかけて、全55巻で中央公論社から刊行されました。ちょうど自分が大学に入る頃だったので、一人で日本史のすべてを描き切る、という心意気に感銘を受け、はじめの数冊のみ購入しました。しかし単行本でまずまずの値段だったのと、5年8ヶ月もかけて一つの作品を読み進める気の長さについて行けなくなり、途中で読むのを止めました。その後、1997年3月から1999年5月にかけて中公文庫から再刊されましたが(全55巻)、このときも余りの冊数に圧倒されて、気になりつつも読まずに終わりました。

 今回は旧版の2巻を1巻に仕立て直した27巻の構成で、これなら読み切れるかもと思い、馴染みのある古代編3から順番に読み進めていきました。数冊読んで、マンガだけで描き切るには、これだけの巻数を費やしてもなお限界があることを痛感しました。しかし、日本史全体のイメージを映像でざっとつかむのには有効だと思い、気長に読み進めました。各時代ごとに、大学の先生方が原案を執筆しているので、石ノ森氏独自の史観が際立つというよりは、良くも悪くも戦後の歴史学の成果を穏当なバランスで知ることができる、優れた企画だと思いました。


 とりあえず第1巻と第27巻のみ、書誌データを記しておきます。

石ノ森章太郎(いしのもりしょうたろう)著
『新装版 マンガ 日本の歴史1 秦・漢帝国と邪馬台国』
(中公文庫、2020年11月◇431頁)
 ※裏表紙に「原案執筆・義江彰夫」とある。
 ※巻末に、義江彰夫「時代概説1 民衆と神祭り」、
      義江彰夫「時代概説2 弥生文化の多様性」、
      佐藤信「解説」を載せてある。

巻末に、以下の2冊を合本したと明記あり。

 『マンガ 日本の歴史1 秦・漢帝国と稲作を始める倭人』
 (中公文庫、1997年3月◇212頁)

 『マンガ 日本の歴史2 邪馬台国と卑弥呼のまつりごと』
 (中公文庫、1997年3月◇212頁)

この2冊のさらに元となった単行本は以下の通り。

 『マンガ 日本の歴史1 秦・漢帝国と稲作を始める倭人』
 (中央公論社、1989年11月◇221頁)

 『マンガ 日本の歴史2 邪馬台国と卑弥呼のまつりごと』
 (中央公論社、1989年12月◇237頁)


石ノ森章太郎(いしのもりしょうたろう)著
『新装版 マンガ 日本の歴史27 太平洋戦争から高度成長時代まで』
(中公文庫、2022年6月◇679頁)
 ※裏表紙に「原案執筆・伊藤隆」「解説・武田知己」とある。
 ※巻末に、石ノ森章太郎「完結にあたって」
      伊藤隆「時代概説53〈大東亜共栄圏〉構想」、
      伊藤隆「時代概説54 占領下の日本」、
      伊藤隆「時代概説55「経済大国」 への軌跡」、
      武田知己「解説」を載せてある。

巻末に、以下の3冊を合本したと明記あり。

 『マンガ 日本の歴史53 日中戦争・太平洋戦争』
 (中公文庫、1999年4月◇228頁)

 『マンガ 日本の歴史54 占領から国際社会へ』
 (中公文庫、1999年4月◇222頁)

 『マンガ 日本の歴史55 高度成長時代』
 (中公文庫、1999年5月◇221頁)

この3冊のさらに元となった単行本は以下の通り。

 『マンガ 日本の歴史 現代篇5 日中戦争・太平洋戦争』
 (中央公論社、1994年4月◇203頁)

 『マンガ 日本の歴史 現代篇6 占領から国際社会へ』
 (中央公論社、1994年5月◇203頁)

 『マンガ 日本の歴史 現代篇7 高度成長時代』
 (中央公論社、1994年6月◇204頁)


2024年5月5日日曜日

Evernote 騒動(Word文書化/Google Drive への移行)

 昨年12月、論文の草稿を推敲しようと Evernote を開いてみたところ、急なルール変更に気がつきました。今書きかけの原稿はそのまま使えるものの、有料化しない限り、新しいファイルを作ることが出来なくなってしまいました。長らく無料で使わせてもらって来たので、多少お支払いするのはやむを得ないかな、と一度は考えました。しかしまずまずの価格設定なのと、ここ数年、文書を読み込むまで時間が結構かかり、使い勝手が良いとは言えなくなっていたので、移行を前提に10年分の文書を8分の1ほどに整理することにしました。

 メールやブログの草稿を Evernote で書いていたため、何を捨てるかの選択は迷いませんでした。しかし、クラウド上の文書を読み出して削除するのに意外と時間がかかり、大変な作業となりました。それで十分に軽くなるなら Evernote のまま有料化する選択肢もあったのですが、大幅に文書数を減らしても、相変わらず読み込みに時間がかかり、快適とはいいがたい状況だったので、仕方なくEvernote の継続使用を諦めることにしました。

 すべてをWord文書に変換してデスクトップ上に保存したいと思ったのですが、 Evernote には直接 Word文書に変換する機能がついていなかったので、Evernote からいったんHTML文書に変換したあと、改めてWord文書へと変換することにしました。4月中に何とかすべてをWord文書に変換し、デスクトップ上に保存することができました。これからもう少し整理してから、Google Drive 上に保存し直そうと思います。

 そんなこんなで、長らく論文執筆に使っていた Evernote の使用を止めたという報告でした。十年以上前からのメモ書きをたくさん読み返せたので、いろいろと新鮮な発見がありました。論文のアイデアを、今後はどうやって書き溜めていくべきなのか、大きな問題が残っているのですが、Evernote を使ってそれほど大きな成果を出せていたわけでもないので、いろいろな可能性を楽しみながら試行錯誤を続けていきます。