ジーン・ウェブスター(Jean Webster 1876.7-1916.6)の
小説『あしながおじさん』を読みました。
ウェブスター36歳の時(1912)の作品です。
ジーン・ウェブスター著
恩地三保子(おんちみおこ)訳
『あしながおじさん』
(偕成社文庫、昭和50年12月。改版、昭和60年10月)
若いころはまったく興味がなかった作品ですが、
数年前に多読をはじめたころから興味が出て、
読んでみようと思っていました。
ただし、いざ読もうとすると、
言葉づかいに違和感のある翻訳が多く、
期待して購入しては肩透かしを食うこと数回。
そうした中で昨年の秋、
恩地三保子(おんちみおこ)氏の翻訳に出会いました。
ほどよいテンポ感のある読みやすい訳文で、
崩れすぎない、適度な上品さも備えており、
楽しみながら一気に最後まで読み終えることができました。
それほど最近の翻訳というわけでもありませんが、
今読んでも色褪せない、名訳だと思いました。
恩地氏の名前は、
どこかで見たはずだと思って調べてみると、
ローラ・インガルス・ワイルダーの
「インガルス一家の物語」前半5冊
『大きな森の小さな家』
『大草原の小さな家』
『プラム・クリークの土手で』
『シルバー・レイクの岸辺で』
『農場の少年』
の翻訳者でもありました(福音館書店)。
こちらもまだ第1冊目を読み始めたばかりですが、
ほかより読みやすい訳文に仕上がっていると思います。
***
手元に置いてある他の翻訳を掲げておきます。
遠藤寿子(えんどうひさこ)訳
『あしながおじさん』
(岩波少年文庫、昭和25年12月。改版、昭和44年7月)
松本恵子(まつもとけいこ)訳
『あしながおじさん』
(新潮文庫、昭和29年12月。改版、昭和63年10月)
☆木村由利子(きむらゆりこ)編訳
『あしながおじさん』
(集英社みらい文庫、平成23年8月)
※初出は集英社〔少年少女世界の名作28〕昭和57年11月。
曽野綾子(そのあやこ)訳
『あしながおじさん』
(講談社青い鳥文庫、平成元年12月。新装版は、平成23年4月)
※初出は講談社〔少年少女世界文学館12〕昭和61年11月。
講談社〔21世紀版 少年少女世界文学館〕平成23年2月に再録。
谷川俊太郎 訳
『あしながおじさん』
(理論社 フォア文庫、昭和63年3月)
※河出書房新社〔世界文学の玉手箱〕平成4年12月に再録。
石原未奈子(いしはらみなこ)訳
『あしながおじさん』
(ヴィレッジブックス、平成23年12月)
中村凪子(なかむらなぎこ)編訳
『あしながおじさん』
(角川つばさ文庫、平成25年12月)
木村由利子氏のは編訳ですが、
今読んでも違和感のない訳文でオススメです。
未見で気になっている翻訳を掲げておきます。
坪井郁美 訳
『あしながおじさん』
(福音館文庫、平成16年6月。単行本は福音館書店、昭和45年8月)
谷口由美子 訳
『あしながおじさん』
(岩波少年文庫、平成14年2月)
谷口氏の訳は、近々手に入れたいと思っています。
※Wikipediaの「ジーン・ウェブスター」「あしながおじさん」を参照。
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