アメリカ合衆国の作家
ハワード・パイル(1853.3-1911.11)の
小説『ロビン・フッドの冒険』を読みました。
パイル30歳の時(1883)に出版された作品です。
中世イングランドの伝説上の英雄
「ロビン・フッド」についての数々の伝説を、
パイルが一つの物語としてまとめ直したものです。
ロビン・フッドの伝説をまとめ直した本は、
ほかにもいろいろ出ているのですが、
その代表といえるのが
パイルの『ロビン・フッドの冒険』だそうです。
ハワード・パイル著
小林みき訳
『ロビン・フッドの冒険』
(ポプラポケット文庫、2007年5月)
パイルの原著に忠実な訳は、
村山知義(むらやまともよし)
・村山亜土(むらやまあど)両氏の共訳で
岩波少年文庫から出ています。
ハワード・パイル著
村山知義・村山亜土訳
『ロビン・フッドのゆかいな冒険1・2』
(岩波少年文庫、1951年8・9月。新版は2002年10月)
60年以上前の訳のわりには、
今でもそれなりに読めると思います。
ただし昭和20年代の、
荒っぽい、くだけた表現を多用しているため、
独特の読みにくさがあって、
私には楽しめませんでした。
その後、
とにかく読みやすいものをと思い、
いくつか手に取ってみた結果、
中野好夫氏の翻訳を手に入れて、
近々読むつもりで手もとに置いてありました。
中野好夫訳
『ロビン=フッドの冒険』
(講談社〔21世紀版 少年少女世界文学館〕2010年10月)
※初出は講談社〔少年少女世界文学館〕1988年7月。
※中野氏は講談社〔少年少女世界文学全集4イギリス編1〕1961年6月にも
「ロビン・フッドの冒険」を訳出されているが未見。
中野訳でも実は文体に
多少の古さを感じたのですが、
新しい訳が出ていないのだから仕方がない
と思っていました。
それがつい最近、
2007年に出版された
小林みき氏による翻訳が出ていることを知りました。
早速手に取ってみたところ、
現代の日本語としてまったく違和感ない
リズムの良い訳文で、楽しみながら最後まで
読み終えることがでいました。
小学3・4年生くらいから読めるように編集されているので、
大人には簡単過ぎるくらいですが、
まずさっと「ロビン・フッド」について知りたい時にはお薦めです。
正直なところ、
それほど刺激的な内容でもなかったのですが、
古典ですので、
あら筋がわかった上でくりかえし読んで、
じわりじわりと良さがわかって来るのかもしれません。
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