オックスフォード・ブックワームズの
ステージ3(1,000語レベル)の10冊目として、
イギリスの児童文学作家
ヘレン・クレスウェル(1934.7-2005.9)の
小説『月時計 Moondial 』を読みました。
著者53歳の時(1987.10)に出版された作品です。
Helen Cresswell
Moondial
Retold by John Escott
〔Penguin Readers Level3〕
Original edition (c) Helen Cresswell 1987
This simplified edition (c) Oxford University Press 2008
First published in Pxford Bookworms 1996
10,650語
ヘレン・クレスウェルという作家は、
これまでまったく知りませんでした。
本書には、
岡本浜江(おかもとはまえ)氏による翻訳があるので、
その「あとがき」を参照すると、
「ヘレン・クレスウェルは一九三四年、イギリスのイングランド中部にあるノッティンガムシャーで生まれたイギリスを代表する児童文学作家です。ロンドン大学のキングス・カレッジを卒業した後、教師、服飾のバイヤー、テレビ放送などさまざまな職業についたのち、著作を始めました。」
とあります。
1967年に発表された
『村は大きなパイつくり Piemakers 』
(岩波書店、1970年7月)
が出世作だそうで、こちらも猪熊葉子氏の翻訳で出版されています。
今回の『月時計』は、岡本浜江氏の翻訳で、
『幽霊の友だちをすくえ』という邦題で出版されています。
ヘレン・クレスウェル著
岡本浜江(おかもとはまえ)訳
『幽霊の友だちをすくえ』
(大日本図書 ジュニア・ライブラリー、1991年1月)
『月時計』では内容がわからないので、
小説の内容をそのまま邦題にしたようですが、
『月時計』という語感の、
神秘的な雰囲気も捨てがたいように感じました。
(古本で購入しましたが未読です。)
やさしい英語版で読んでみると、
主人公のミンティが
「月時計」を介して
現在と過去を行き来する
ファンタジー系の軽めの読み物です。
時間旅行に関わる表現は、
英語であまり読んで来なかったので、
独特の読みにくさがありましたが、
話の内容自体は、
現実的な感覚からもそれほど外れておらず、
わかりやすいものでした。
ただし
大人が読んで楽しめるかといえば、
独特の深みがあるわけでもないので、
原文にまでさかのぼりたくなるほどの
魅力は感じませんでした。
10代向けの楽しめるお話と考えれば、
十分な成功作だと思います。
※通算108冊目。計862,354語。
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