2015年6月10日水曜日

【読了】モンゴメリ著(掛川恭子訳)『アンの愛情』〔講談社〕

カナダの作家
ルーシー・モード・モンゴメリー(1874.11-1942.4)の
小説『アンの愛情 Anne of the Island 』を読みました。

40歳の時(1915.6)に出版された作品です。


ルーシー・モード・モンゴメリ著
掛川恭子(かけがわやすこ)訳
『完訳赤毛のアン シリーズ3 アンの愛情』
(講談社、1990年7月)

 ※『完訳クラシック 赤毛のアン3 アンの愛情』
  (講談社、1999年7月)に再録。


 ※『完訳クラシックス 赤毛のアン3 アンの愛情』
  (講談社文庫、2005年6月)に再録。


ここまでのアン・シリーズ出版の流れをまとめておきます。

1作目(長編1)
『赤毛のアン Anne of Green Gables
 33歳の時(1908.6)に出版、

2作目(長編2)
『アンの青春 Anne of Avonlea
 34歳の時(1909.9)に出版、

3作目(短編1)
『アンの友だち Chronicles of Avonlea
 37歳の時(1912.6)に出版、

4作目(長編3)
『アンの愛情 Anne of the Island
 40歳の時(1915.6)に出版、

3つ目の長編の前に、
短編集が出ていたことに今気がつきました。


村岡花子訳の新潮文庫版では、
出版順のとおりに刊行されていますが、

こちらの掛川恭子訳では、
8つの長編を先に刊行した後で、
2つの短編集が刊行されています。

モンゴメリの執筆順に、
ゆっくり楽しむのもありかなと思いますが、

短編集は、長編をすべて読破してからの楽しみに取っておきます。


1作目のすぐ翌年に
2作目『アンの青春』が出ていたのに比べて、

次の長編『アンの愛情』が出るまでに
6年近くを要しているので、
それなりに苦労のあとが偲ばれます。


  ***

2作目の後しばらく空きましたが、
ちょうどいい具合に前の記憶が消えて、
新鮮な気持ちで読み進めることができました。

3作目ともなると、
幼いのころの底抜けな明るさ、
発想の奇抜さ、常識はずれで妄想ばかりしている所などは、
成長とともに減ってこないとおかしいわけですが、

あまりに大人びてしまうと
アン独特のおもしろさも半減してしまうので、

そのあたりのバランスが難しかったのだろうなと思いつつ、
アンの成長の物語をふつうに楽しませてもらいました。

第1作目が大傑作だとすると、
2作目は傑作、この3作目は名作といった感じでしょうか。

次回作もまたのんびりと読み進めていこうと思います。

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