マクミラン・リーダーズのレベル3(1100語レベル)の15冊目として、
アメリカ合衆国の作家
ワシントン・アーヴィング(1783.4-1859.11)の
短編小説集『スケッチ・ブック』から2編を読みました。
『スケッチ・ブック』は、
アメリカで1819年6月から20年9月にかけ、
7回に分けて発表された小説集です。
「スリーピー・ホローの伝説」は1820年3月(第6冊)、
「リップ・ヴァン・ウィンクル」は1819年6月(第1冊)に発表されました。
どちらも著者36歳の時の作品です。
Washington Irving
The Legends of Sleepy Hollow
and Rip Van Winkle
Retold by Anne Collins
〔Macmillan Readers Level 3〕
This retold version by Anne Collins for Macmillan Readers
First published 2000
This edition first published 2005
11,802語
ワシントン・アーヴィングについて、
これまで全然知らなかったのですが、
アメリカやイギリス、
ヨーロッパに古くから伝わる民話、伝承などをもとに、
小説としてまとめ直した風の作品で、
柳田国男(1875.7-1862.8)の『遠野物語』を思わせる、
個性豊かな小説でした。
個人的に、
そこまで惹かれる分野ではないのですが、
ここに収録されている2編は、
話の内容自体とても興味深く、
描き出されるユニークな2人の人物像に惹きつけられました。
翻訳は最近、
斎藤昇(さいとうのぼる)氏による
初の完訳(全34編)が刊行されています。
齊藤昇訳
『スケッチ・ブック(上・下)』
(岩波文庫、2014年11月・15年1月)
齊藤訳は、完訳である分、
大人向けの読みにくさが感じられるのが若干の難点ですが、
書誌の情報は一番詳しく有用です。
ただ読みやすさを再優先されるのであれば、
60年近くさかのぼりますが、
吉田甲子太郎(よしだきねたろう)氏の翻訳も、
今なお古さを感じさせないわかりやすい訳文に仕上がっています。
吉田甲子太郎訳
『スケッチ・ブック』
(新潮文庫、1957年5月。32刷改版、2000年2月)
安価で状態の良いものが手に入るなら、
吉田訳もお薦めです。
※通算131冊目。計1,099,622語。
※Wikipediaの「ワシントン・アーヴィング」を参照。
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