ペンギン・アクティブ・リーディングのレベル3(1200語レベル)の4冊目として、
イギリスの推理作家
アガサ・クリスティ(Agatha Christie, 1890.9-1976.1)の
推理小説『そして誰もいなくなった』を読みました。
著者49歳の時(1939.11)に刊行された作品です。
Agatha Christie
And Then There Were None
Retold by Izabella Hearn
〔Penguin Active Reading Level 3〕
This edition first published by Pearson Education Ltd 2011
18,683語
2年半以上前(2014年4月)に、
オックスフォード・ブックワームのステージ2(700語レベル)で、
イギリスの推理作家アガサ・クリスティ(1890-1976)の評伝を読んだのを受けて、
どれか代表的な推理小説を読んでおこうと思いました。
今回の1冊は、それから間もなく手に入れてあったのですが、
想像していたよりも難しかったので、もう少し実力がつくまで部屋に積んでありました。
やっぱり翻訳を読んでおいたほうが良いように思い、
青木久恵(あおきひさえ)氏の翻訳を手に入れて読んでみたのですが、
これまで私が読んできた
シャーロック・ホームズなどの推理小説とはずいぶん雰囲気が違い、
10人もの人物がてんでバラバラに登場して、
始めのうちは一見無関係なお話が展開していくだけなので、
いったい何が面白いのだろうと思って読むのを止めてしまいました。
青木久恵(あおきひさえ)訳
『そして誰もいなくなった』
(ハヤカワ文庫〔クリスティー文庫80〕2010年11月)
その後、
フランスの映画監督ルネ・クレール(1898.11-1981.3)によって製作され、
1945年10月にアメリカで初公開された映画版をDVDで観て、
ようやくどういう作品なのか理解できました。
想像していたよりも、
ずっと作為的というか、
トリックそのもので勝負していて、
二重三重の謎かけを知的に楽しむ作品であることがわかりました。
その上で、
前出の青木訳のジュニア版が出ているのに気がついて、
手に入れて読んでみたところ、今度は
独特のトリックを楽しみながら最後まで読み終えることができました。
青木久恵(あおきひさえ)訳
『そして誰もいなくなった』
(早川書房〔クリスティー・ジュニア・ミステリ1〕2007年12月)
ここまで来た上で、
改めてやさしい英語版を読んだので、
特に混乱することもなく、
再読の機会を楽しむことができました。
一回読めば十分というよりは、
読むほどに新しい発見のある凄い作品であることはわかってきました。
正直なところ、
この作品が好きかといわれると、
ここまで作り込んだトリック一辺倒の作品は、
それほど好きとはいえません。
でもまだ私がその魅力を誤解している可能性も高いので、
もう少し時間を置いてから再読したいと思います。
※第146冊目。総計1,307,187語。
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