青木久恵(あおきひさえ, 1943.9- )氏の翻訳で、
イギリスの推理作家
アガサ・クリスティ(Agatha Christie, 1890.9-1976.1)の
推理小説『そして誰もいなくなった』を読みました。
著者49歳の時(1939.11)に刊行された作品です。
青木久恵(あおきひさえ)訳
『そして誰もいなくなった』
(早川書房〔クリスティー・ジュニア・ミステリ1〕2007年12月)
2年半以上前(2014年4月)に、
オックスフォード・ブックワームのステージ2(700語レベル)で、
イギリスの推理作家アガサ・クリスティ(1890-1976)の評伝を読みました。
肝心の推理小説の方はまったく読んでいなかったのですが、
評伝の方はとても興味深く読み通すことができたので、
この機会にどれか代表的な作品を読んでおこうと思い、
青木久恵氏の翻訳による『そして誰もいなくなった』を手に取りました。
青木久恵(あおきひさえ)訳
『そして誰もいなくなった』
(ハヤカワ文庫〔クリスティー文庫80〕2010年11月)
しかしクリスティーの推理小説は、
これまで私が読んできたシャーロック・ホームズなどとは
ずいぶん雰囲気が違っていて、
10人もの人物がてんでバラバラに登場して、
最初は一見無関係なお話が展開していくだけだったので、
いったい何が面白いのだろうと思って読むのを止めてしまいました。
その後、
フランスの映画監督ルネ・クレール(1898.11-1981.3)によって製作され、
1945年10月にアメリカで初公開された映画をDVDで観て、
ようやくどういう作品なのか理解できました。
想像していたよりもずっと作為的というか、
トリックそのもので勝負している知的な作品で、
二重三重の謎かけを純粋に楽しむべきことがわかりました。
その上で、
上記の青木訳にジュニア版が出ていることを知り、
今回ようやく通読することができました。
ただ率直な感想をいうと、
それなりに知的に楽しめる作品ではありましたが、
謎かけ以前に展開に不自然な点の多すぎるところがどうしても気になって、
それほど好きにはなれませんでした。
単純に私がミステリに合わないのかもしれませんが、
何となく気になる作家ではあるので、
将来もう少し時間の余裕が出来てから読み返してみたいと思います。
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