やさしい英語の本、通算152冊目は、
ペンギン・リーダーズのレベル3(1200語レベルの)の16冊目として、
ドイツの作家
エーリッヒ・ケストナー
(Erich Kästner, 1899年2月23日-1974年7月29日)の
小説『エーミールと探偵たち』を読みました。
著者29歳の時(1928年)に刊行された作品です。
ケストナーがたくさんの児童文学を執筆する最初のきっかけになった作品です。
Erich Kästner
Emil and the Detectives
Retold by Rod Smith
〔Penguin Readers Level 3〕
First Published by Penguin Books 2000
This edition published 2008
13,158語
ケストナーは『飛ぶ教室』の書名のみ知っていましたが、
若い頃には読む機会がありませんでした。
たまに手に取ってはいたのですが、
独特の長い前書きに違和感があって、
本文に至る前に読むのを止めていました。
今回初めてのケストナー体験になりました。
実際に読んでみると、
子供時代を懐かしむような楽しいお話で、
ふつうに面白く読み進めることができました。
時空を飛びこえたり、
動物が話し出したりすることはなく、
あくまで常識の範囲内ではありますが、
もし実際にこんなことが起こったら素敵だろうな、と思える、
子供時代のささやかな夢がかなうような物語でした。
誰しもが経験してきた子供時代を扱って、
飽きさせずに面白く読み進められる物語を書き上げる才能は、
ケストナー独特のものなのだろうと思います。
***
翻訳を調べてみると、
次の3点が見つかりました。
池田香代子訳
『エーミールと探偵たち』
(岩波少年文庫、2000年6月)
高橋健二訳
『エーミールと探偵たち』
(岩波書店〔ケストナー少年文学全集1〕1962年7月)
小松太郎訳
『エミールと探偵たち』
(岩波少年文庫、1953年9月)
はじめに池田訳を手に入れたのですが、
今風にやさしく砕けすぎた印象で、あまり馴染めませんでした。
そこで高橋訳を手に入れてみると、
少し堅めではありますが、
一昔前の格調高い感じがよく出た訳文だったので、
とても気に入りました。
小松訳は未見です。
ヘッセの翻訳で知られる
高橋健二訳でほかの作品も読めるようなので、
時間を見つけて、少しずつ読み進めたいと思います。
※第152冊目。総計1,398,709語。
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