やさしい英語の本、通算174冊目は、
IBCパブリッシング・ラダーシリーズの
レベル2(1300語レベル)の12冊目として、
イギリス生まれの小説家
フランシス・ホジソン・バーネット
(Frances Hodgson Burnett, 1849年11月-1924年10月)の
小説『秘密の花園 The Secret Garden 』を読みました。
著者61歳の時(1911年8月)に出版された作品です。
(アメリカ版。イギリス版は同年10月)
Frances Hodgson Burnett
The Secret Garden
Retold by Ron Davidson
〔Ladder Series Level 2〕
IBC Publishing,Inc. 2005年8月
20,910語
やさしい英語では、
2012年7月に
ペンギン・アクティブ・リーディングの
レベル2(600語レベル/9,944語)、
2014年11月に
オックスフォード・ブックワームの
ステージ3(1,000語レベル/10,715語)
の2回読んでいるので、
今回が3回目の挑戦になりました。
これまでの2倍の分量で、
それなりに読みでがありましたが、
既によく知っている作品なので、
滞りなく読み進めることができました。
傷つき荒れ果て、固く閉ざされた人の心が、
植物を中心とした
命あるものとの関わりのなかで徐々に癒され、
再生されていく様を描いた見事な作品で、
感銘を受けました。
個人的に、
大好きな作品であることを再確認できました。
これはぜひ、原著のままで自由に読みこなせるようになりたいです。
***
バーネットの『秘密の花園』は、
『小公子』や『小公女』と違って、
書名すら知る機会がなかったのですが、
今から十年程前に、光文社古典新訳文庫の
土屋京子(つちやきょうこ)訳を読んで、
感銘を受けたのが初めてでした。
土屋京子(つちやきょうこ)訳
『秘密の花園』
(光文社古典新訳文庫、2007年5月◇507頁)
土屋訳で十分満足して、
他の訳をあまり見ていなかったので、
今回いくつか手に入れてみました。
龍口直太郎(たつのくちなおたろう)訳
『秘密の花園』
(新潮文庫、1954年1月。36刷改版、1993年6月◇427頁)
中山知子(なかやまともこ)訳
『秘密の花園(上・下)』
(春陽堂少年少女文庫
〔世界の名作・日本の名作55・56〕1978年3月◇263・310頁)
⇒徳田秀雄(とくだひでお)絵
『秘密の花園(上・下)』
(講談社青い鳥文庫、1991年6・7月◇251・243頁)
猪熊葉子(いのくまようこ)訳
堀内誠一(ほりうちせいいち)絵
『秘密の花園』
(福音館書店〔福音館古典童話シリーズ〕1979年10月◇456頁)
⇒『秘密の花園』
(福音館文庫、2003年6月◇456頁)
山内玲子(やまのうちれいこ)訳
シャーリー・ヒューズ(Shirley Hughes)絵
『秘密の花園(上・下)』
(岩波少年文庫124・125、2005年3月◇頁)
栗原ちひろ(くりはら)訳
椎名優(しいなゆう)絵
『秘密の花園』
(角川つばさ文庫、2012年10月◇241頁)
谷口由美子(たにぐちゆみこ)訳
藤田香(ふじたかおり)絵
『秘密の花園1 ふきげんな女の子』
『秘密の花園2 魔法の力』
『秘密の花園3 動物と話せる少年』
(講談社青い鳥文庫、2013年2・3・6月◇179・271・187頁)
畔柳和代(くろやなぎかずよ)訳
『秘密の花園』
(新潮文庫、2016年6月◇439頁)
この中では、
最初に読んだ贔屓目があるかもしれませんが、
現代のふつうの日本語として、
違和感のない、わかりやすい訳文に仕上がっていて、
土屋訳が一歩秀でているように感じました。
ただし子供向けに、
やさしく噛み砕いた文体で訳されているわけではないので、
小学生向きではないと思います。
子供向けに噛み砕いた文体で、
しかし原文にそって丁寧に訳されていたのは、
講談社青い鳥文庫の谷口訳です。
土屋訳とはだいぶ趣きが異なり、
絵柄もあまり好きなタイプではないのですが、
別の魅力が引き出されているとも言えるので、
次に読むときは、谷口訳もありかなと思っています。
※第174冊目。総計1,739,313語。
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